ただの備忘録

未来の自分に贈る、舞台の記憶と感想

「ビリー・エリオット」@ACTシアター 2017/8/27

「日本人キャストでビリー・エリオットやります!」「子役はオーディションを重ねて選ばれた4人!」と大々的に発表されたときは特に興味を持っていなかったんです。(大人組に大貫さんがいると発表されたときは心動いたけど)

なんというか語弊があるかもだけど、子どもが主役の舞台って学芸会になるんじゃない?っていう恐れがどこかにあって、それに13000円を払えるか?と聞かれるとやっぱり難しい(しかもまだ幕が開いてもいないときに)。微妙な舞台であっても推しが出ているなら、「まぁ○○が観れたから…」と自分を納得させることができるけどさ。

ということで全然チケット取ろうともしていなかったわたしですが、なんで観に行ったかというとWOWOWさまのお陰です。(WOWOWは映画ではなく舞台とかを見るために契約している。あとグリブラ←)

WOWOWビリー・エリオットのロンドン公演『ビリー・エリオット ミュージカルライブ−リトル・ダンサー−』を観たんです。最初は流し見だったんだけど、「Solidarity」で釘付けになって、最終的にはボロボロ泣きながら観ちゃって。いやぁ素晴らしかった。でもこの時点では「いうても日本人の子どもがやるんでしょ…?このクオリティは難しいっしょ?」とチケットには手を出さず。その1ヶ月後くらいかな?WOWOWトニー賞の特番をやっていて、そこにビリー役の前田くんとマイケル役の持田くんが宣伝兼ねてパフォーマンスをしたんだが、まぁ驚いた。こんなにクオリティ高いの!?と。

そのときの動画↓

 

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タップダンスと芝居がバラバラじゃないんだよね。台詞がお座なりになってない。これは観に行くしかないとチケット買いましたよ。本当はWOWOWに出てたペアで観たかったんだけど、自分の予定と合わず…出演者がわからないカード会社の貸切り公演を購入(値引きされてるから)。「絶対にこの人で観たい!!!」という確固とした思いがなかったので、ある種のガチャを楽しんできました。

 

前置きが長くなりましたが以下感想。

 

ビリー:山城力 、マイケル:持田唯颯、

ウィルキンソン先生:柚希礼音、お父さん:益岡徹、オルダービリー:栗山廉


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観に来て良かった!!!

 

というのが素直な感想です。

山城力くんはトールボーイ役から5人目のビリーとして抜擢された子。縄跳びのところ引っ掛かっちゃったり、ラストの「Electricity」のアクロバットでひやっとしたところもあったんだけど、「踊りたい!!!」っていう気持ちが身体中から溢れ出ていた。まさにビリーそのもの。その煌めきと美しさに終始涙が流れていた。

なんか「ビリー・エリオット」という演目は涙腺の閾値がすごく低くなってて、だいたい泣いているという状況な私なので、「Solidarity」の最後でピルエットを美しく決めるビリーを見ただけでぶわっと泣いてしまう。

なんと言っても「Angry dance」の慟哭と激しさは目が釘つけになったし、彼の内から出てくるエネルギーの爆発にただただ圧倒された。

「Dream Ballet」はワイヤーで吊られるんだけど、腰しかついてないよね?なのにあれだけ美しい姿勢を維持できるの凄い…体幹どれほど鍛えているのだろう…。幻想的でとても美しい。

他のビリーの子たちはバレエだったりヒップホップだったり、ダンスの経験が何年もあるとのこと。だけど彼はまだ1年足らずの経験しかないのに、このクオリティー…凄い。

 

持田くんはちょっと生意気なマイケルをキュートに演じてて、可愛かった~!

今回凄く意外だったのが、ウィルキンソン先生役の柚希さん。観る前は島田さんだったら良いなぁと思っていたけど(前述のミュージカルライブを観たとき、ウィルキンソン先生が島田さんにしか見えなかった)、柚希さん想像以上に良かった!!芯のある強い女性で、いわゆる「女っぽさ」はいらないっていうのも役としてあってたのかな。曲の音域も合っていて、気持ちよく耳に入ってきた。

あとは何と言っても羽が似合うw 「Shine」でバレエガールズが羽を持ってウィルキンソン先生の周りをパタパタするんだけど、まぁ似合うwww そしてバレエガールズの子たちのちょっと小生意気な態度が面白くて可愛かった~。デビー可愛いよ!

 

お父さん役の益岡さんは優しいお父さんだった。(どこかの記事で読んだのですが)ビリーが住んでいる地域は田舎で英語のクセが強いので、日本版も方言が強い台詞にしているとのこと。稽古場の映像とかゲネの映像を見ていて、とっても強い九州弁(博多弁?)でそのときは凄く違和感を感じたのだけど、実際の舞台を見たら特に気にならなかった。語気が強い方言をセレクトしたのかな?実際に九州地方は炭鉱があったからかな?炭鉱夫たちの荒々しい感じが出ていた。

 

あと演出などについては訳詞の高橋亜子さんのインタビューがとっても良い内容。

  

enterstage.jp

  

幕が開いた冒頭のシーン。ビリーが教室で自分の影を踏む遊びをしていた。下を見ながらぴょんぴょんとジャンプしがら影を踏む。このときのビリーは薄暗いなか、「過去」に生きている大人と街のなかに生きていた。

それがラストのビリーがロイヤルバレエに合格して街を出ていく場面、ビリーがヘルメットを被ってヘッドライト(=電気)をつけて炭鉱夫たちに担がれているのを見て、ビリーは街の人の未来(希望)になったんだなと。そして炭鉱夫たちも自分達のヘッドライトをつけて地下に潜っていく姿を見て、彼らの行く末はわからないけど、心のなかにビリーという希望が未来への一歩を踏み出させてくれたように感じてずっと涙が流れていた。

 

 

「The letter」は泣くしかないよね。ビリーがウィルキンソン先生に「声に出して読んで」と言ったのは、本当は母親が言葉で語りかけてくれるのをずっと待っていたからなのかな。泣くしかない。

  

ビリーのカテコは見ていて楽しい~。柚希さんのレアな(?)チュチュ姿を見れて、得した気分になった。踊ってくれて良かったんだよ!?むしろそこは踊ろうよ!!

この日の公演は貸し切りだったのもあって、カテコで益岡さんと柚木さんから挨拶が。益岡さんは「かけがえのない夏を…」「かけがえのない日々を過ごして…」と感極まっていて、「かけがえのない」を繰り返しお話ししていた。その後の柚木さんは、力くんが縄跳びで引っかかったことに触れて「縄跳び引っかかってたなぁ。びっくりしたなぁ」「公演前に練習してから本番を迎えるんですが、朝の稽古のときはばっちりできてたのになぁ」「しっかりできるよう準備してまいりますので、ぜひまたいらしてください」とフォローしつつの激励を飛ばすというさすがトップ様…と片鱗を見ることができた。

カテコ撮影OKだったので写真撮ってみたけど相変わらずぽんこつ。携帯の性能なのか自分の技術なのか。



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他のビリーの子たちも観てみたいけど、予定が埋まっちゃってるから難しいかなぁ。WOWOWあたりで放送してくれませんかね!よろしくお願いしますよ!

 

この子たちのなかから、将来舞台で活躍する子が生まれそうで楽しみです。

怪我なく最後まで頑張れ~

 

「Beautiful」@帝国劇場 2017/8/5マチネ

面白かった!音楽が溢れ続ける、素敵な舞台でした。

 

キャロル:水樹奈々

 

キャロルとジェリー、シンシアとバリーの二組のカップル。

アッキーが小芝居挟み込んで笑わせてくるし、ソニンちゃんは相変わらずキュート!!夫婦漫才じゃないけど、阿吽の呼吸だった。

伊礼さんはダメ男を演じさせたらピカイチでは。そういえば今年の春に帝劇でも「キャロル、キャロル」って言ってたねw

水樹さんは初めましてでした。歌手のときの歌声と違っていた印象。ご自身の歌を歌うとき、少し癖というか個性があるなぁと思っていたんだけど(特に音を伸ばすとき)、それが気にならなくて気持ちよく耳に入ってきた。もともと歌がうまい人だけど、ミュージカルのために発声から練習されたのかな?素敵な歌声でした~

 

それぞれのカップルが曲を作るまでのストーリーを演じ、出来上がった曲をピアノで歌う→提供した歌手がショーアップして歌い上げる、というのが基本的な流れ。歌手の方々をアンサンブルさんたちがやられているんだけど、まぁ上手い!!すげぇ上手い!!!

キャロル・キングの曲ってどんながあるんだっけ?と調べないまま観劇したけど、「これ聴いたことある!」というのが多くて、知らない人でも十分楽しめた。

こんな感じ↓

 

youtu.be

 

個人的にはベビーシッターのエヴァが「ロコ・モーション」歌いだすところが最高に盛り上がった!!  

アンサンブルさん推しの人は感極まってしまうレベル。

逆にプリンシパルの面々は歌と言うよりもお芝居がメインになってるので、「もっと歌を聴きたい…!」となってしまうかも。わたしは「アッキーの歌をもっと聴かせろおお」ってなった←

 

ここら辺の内容については伊礼さんのインタビュー記事がとてもよい感じ。

「帝国劇場でナチュラルかつリアルな芝居をするというチャレンジをしていますし、そのチャレンジが許されていることが嬉しい」――『ビューティフル』出演、伊礼彼方インタビュー - げきぴあ

 

旅立つキャロルとともにシンシア、バリー、ドニーで歌う「You've got a friends」は彼らの友情に胸が熱くなった。

 

舞台セットも素敵だったなぁ。

 

カテコはコンサートかな?っていうくらいの盛り上がりwww あんな帝劇初めて見たwww 水樹さんが何度もカテコで出てきてくれたんだけど、袖にいる共演者の方々を呼ぶときに、手をパタパタパタと凄い勢いで振って呼び寄せてるのがすごく可愛かった~

あと公演中に何度も話題になっていましたが、男性のお客さんが多いこと!幕間の女子トイレの行列、コインロッカーの前まで届かないんだよ?凄くない?奈々さまパワー恐るべし。

 

誰も死なない演目久しぶりだし、ハッピーな気持ちで劇場を出ることができたんだけど、家に帰ってからジェリーはなんであぁなっちゃったのかなぁと考えてしまって。まぁ単純に根がクズなのもあるかもしれないんだけど(お前)。 

「一緒にいると息が詰まる」というジェリー。劇中、キャロルって曲を作ることについて苦悩することがないんですよね。「生みの苦しみ」のシーンがないのもあって、テンポよく楽しく進む。もちろん若い頃は作詞が下手だと悩んでいたけど(だからこそジェリーに惹かれた)。お互いの才能に惹かれた二人、ジェリーは自分の才能に追い込まれ、キャロルは自分の才能と「上手く」付き合うことができた。というより、自分の才能に無頓着と言うべきか。だからこそジェリーはその温度差に耐えられなかったのかな。カーネギーホールのコンサート直前にジェリーがキャロルにプレゼントした「オーケストラでの曲の作り方」(※ニュアンス)は二人が夢に向かっていたキラキラした時を忍んでいるようで辛くなった。それはもう今のキャロルには必要ないもの。

 

Beautifulはキャロル・キングの圧倒的な才能の話だった。

 

平原キャロルも観たかったけど、タイミングが合わず断念。帝劇よりも日生向きかな?と思いつつ、再演があったらまた観に行くだろうなぁ~

「デスノート THE MUSICAL」@梅田芸術劇場 2017/8/19マチネ、8/20マチネ

行ってまいりました!!久しぶりな感じがあったけど、ロミジュリ千穐楽からまだ半年もたっていなかった梅芸。色々舞台の感想の下書き(6~8月分)が溜まっているけど、東京公演が始まる前にアウトプットしなければという切迫感で書ききりました。

 

8/19マチネ、8/20マチネ:月役 柿澤勇人リューク役 俵和也

 

19ソワレは浦井くんのを観ようかと思ったのですが、東京公演で評判がすこぶる良かった「ノートルダムの鐘」@京都劇場を観に行きました(こっちの感想書けるかな…)。

再演が決まってから心待ちしていたデスノ。なぜならWOWOWの初演放送で初めて柿澤さんを拝見したのですが、「凄い歌がうまい人がいる…」と釘付けになったのです。もうその時から柿沼にはまる布石はあったんですよね!案の定ずっぽりはまってるよね!楽しいよ!!

なんだろう、すごいあほな感想なのですが単純にみんな歌うまくなってた。歌で殴られる感じ、ほんと堪らない~。

 

以下、ネタバレあるかもよ!っていうかあるよ!

 

 

大阪公演はリューク役の石井一孝さんが体調不良で降板し、アンサンブルの俵和也さんが代役で登板するということに。この情報が流された時に「俵さんってどなた…?」と色々検索したのですが有用な情報がいまいち得られず(「貴婦人の訪問」にも出演されていたのですね…!初めましてじゃなかった…!家に帰ってパンフをまじまじと見返してしまった)。「カズさんの代役をアンサンブルさんで大丈夫なのかな…?」とか思っていたけど、杞憂でした!すいません!!

最高でした!!!!

カズさんのリュークは残念ながら観ていないので、鋼太郎さんとの比較になってしまうけど、とても活きがいい!あと単純に歌うまい。リュークの歌って台詞のように歌うのが多いんですが、お見事!としか言えない。素晴らしい。

柿澤ライトとの関係性が友達のようなフランクな感じ。若々しいリュークだった。

例えば、柿ライトがデスクでPC作業している場面。リンゴが机の上に置いてあって、それを俵リュークが食べようと手を伸ばす→柿ライトがすっと反対側の机の端に置く→俵リュークがライトの後ろを回って反対側に移動してリンゴを取ろうとする→柿ライトがリンゴを客席側に投げる真似をして、「ほら、あっちに投げたから取って来いよ」というそぶりする→俵リュークが客席見つめる→柿ライトがリンゴを机の上に置いてあげる→食べる、という一連の流れがめちゃめちゃ可愛いし、俵リュークが犬っぽかったww

ちょこちょこアドリブも入れていて、妹の粧裕ミサミサのコンサート一緒に行こうと誘われる場面、「バッキューン♥」って振りをしたら心臓撃ち抜かれて魚が打ちあがったときみたいにビクビク痙攣する俵リュークw それが激しすぎて笑いをこらえきれない柿澤さんwwその直後の台詞がちょっとムフォムフォしてたww

盆で登場するとき、鋼太郎リュークは片肘ついて寝っ転がる姿勢だったけど、俵リュークはただの仰向け。粧裕が部屋に入ってくる時もあわてて仰向け。本当にただの仰向けだからなんか面白かったw

かと思えば「秘密と嘘」で2人が銀橋にいるとき、俵リュークがセンターにいたんだけど、ゆっくりゆら~ゆら~っと揺れていて。それがとても不気味だったし、すごく「リューク」だった。

 

レム役のはまめぐさんは人間と話すとき、片言のような話し方をしていた。母音を引き延ばしているという感じというか。冒頭のリュークとの会話は普通にしていたので、人間と話すときにあえてそのような話し方をしているのかな。「異次元」の存在感。あと歌が圧倒的にうまい。「愚かな愛」の神々しさ。パンフにも書いてあったけど、死神なのにキリストとマリアのような神々しさ。

 

ふうかちゃんのミサミサ、可愛い!細い!可愛い!細い!!近くで見るふうかちゃん、めっちゃ細い。その細さでよくあんなに声が出るね…。エポニーヌやっているのもあって、報われない愛がたまんないっす。だけどなんで再演は後半黒ボブなの…?可愛いけどミサミサは金髪じゃん…?「恋する覚悟」はアイドル曲だから盛り上がる~客席手拍子してた~。そういえばスポットライトを追いかける俵リューク可愛かったな~。こんなアイドル曲をフランク・ワイルドホーンが作るって凄いよね。。 

 

デスノ初演から再演で一番歌がうまくなったの(伸び率ね)、個人的に徹平くんだと思っていて。猫背のあの姿勢でよく歌えるものだ…。あと動きがすごく猫!右に行くかと思ったら体をくるっと翻して左に歩いていく、あの俊敏さ。

 

そして柿澤ライト。ほんっとこの方は狂気が似合うね!!(褒めてる

妹が語る「正義」。このときはまだ迷い、良心の呵責が見えたけど、リュークが耳打ちしたあとは目に迷いがなかった。後半、父親が語る「正義」。もう柿ライトには何も届かない、「無」だった。

新宿駅の場面の「デスノート リプライズ」、あの悦に入った表情からの狂気に染まる歌声。体中にぶわぁぁぁっと鳥肌が立つ感覚。あそこで柿ライトは「キラ」に完全になってしまったんだろうな。そして一幕ラストの「正義はどこに」のフード最高ですね!

 

WOWOWで観たときはデスノートなのにテ〇ミュ…!?衝撃を受けた、テニスのシーン。*1 ごめんなさい、かっこよかった!!!!!あんなに迫力あると思ってなかった!!!かっこいい!!お尻!!!かっこいい!!!

準備運動の時点で体の柔軟さが際立つ柿ライト。そしてライトが飲んだ後のボトルを凝視する女子の気持ちがわかりすぎるw

「ヤツの中へ」曲ラストでの徹平Lと柿ライトが一緒に歌うところ、柿澤さん上パート歌ってたね??すごい興奮した。

 

演出であえて盆を使う必要性はどこに…?と思うところもあるんだけど、これは時計の針を暗に示しているのかなぁ。栗山さんもパンフで「この作品の奥底に鈍く聞こえたのは、セコンド(秒針)の時を刻む音だった」と述べているのもあるし。最後の最後にライトの名前がリュークに書かれてしまい、死に向かうときも盆が回っていた。柿ライトの最期がとても愚かでとても「人間臭い」。

この時の俵リュークがぞっとするような冷たい声で、まさに「死神」。

 

有難いことにそこそこ前方のドセンのお席だったので、2人が対峙するところを真正面から見ることができた…震えた…。

 

変更されていた演出 (比較対象:WOWOW初演)。

・「デスノート」の曲中、モニターにデスノートに書いた人の名前が出てくるんだけど、それがちゃんと台詞中の「18人分」。父親含む警察関係者が話している最中に少しずつ名前が書き加えられているのがゾッとした。 ここ、ライトが歌っているとき、下に父親が立ってて、がっつり父子で対峙してるんですよね…

・初演に出ていた粧裕役の前島さんがニュースキャスター役でVTR登場。ミサの父親に関する事件について報じていたので、この後のミサミサの登場の流れができてた~

・妹との会話で母親の存在が。

 

19マチネは俵リューク初お披露目だったので、カテコではひと際大きな拍手だった!そして柿澤さんが袖からセンターに向かうときにハグ!!

20マチネは柿ライトの大阪千穐楽は照明もついてアナウンスも流れてたんだけど、拍手が止まなくて、再度出てきてくれた!上手:徹平くん、下手:柿澤さんっていうふうに袖に捌けるんだけど、お互い手を振ってて可愛かった。

 

 

東京公演はカズさんが復帰されるとのこと!喜ばしい!!

だけど、もう俵リュークを見ることができないという寂しさも。複雑な気持ち…。

がっつり私の心に爪痕残してくれました、俵リューク

 

 

東京公演、はっじまっるよー!!!

www.youtube.com

*1:エマちゃんのラジオに柿澤さんがゲストで出たときに言っていましたが、演出の栗山さんはテニ〇リは全くご存じなかったらしいですね

「俺節」@ACTシアター 2017/6/17ソワレ

コージがいた。

冒頭の吹雪く駅のホームでの第一声から引き込まれた。

 

やっさん、すげぇ…

めちゃくちゃ面白かった…凄かった…

「ジャニーズの舞台でしょ?」とか斜に構えた人の襟首つかんで観させてやりたい。主演がジャニだと観客もほぼほぼそのファンになってしまうのだけど(チケット譲っていただいた方も当然のようにわたしを関ジャニのファンだと思われていた(・ω・))、こんなに良い舞台なかなかないからね!?これが普通と思っちゃダメだからね!?って近くに座っているジャニオタの方々の肩を揺さぶりたいくらい素晴らしかった。平日ソワレのチケットを仕事の都合で一回手放したんだけど、ご縁があって前楽に観劇できました~ありがたや~

 

演出・脚本:福原充則

キャスト:安田章大、シャーロット・ケイト・フォックス、福士誠治、六角精児、高田聖子、桑原裕子

www.orebushi.com

 

スタッフさんやアンサンブルさん含め普段見ない座組だったけど、音楽監督の門司肇さんは「キャバレー」(2017)で、美術の二村周作さんは「ロミオ&ジュリエット」(2017)でお世話(?)になっていた。

 

一幕80分、2幕110分とかなりボリューミーなんだけどあっという間。

泥臭くて、まっすぐで、"うまく"生きることに不器用な人たち。コージをはじめ、オキナワもみれん横丁の面々もそこに「生きて」いた。

普段ミュージカルをよく観るので、オケが奏でる華やかだったり軽やかだったり壮大だったり、そのような曲が耳馴染みあるし単純に好きなのです。なので「演歌」というのが楽しめるかなー?、と観劇前にちょっと不安に思っていたけど良い意味でそんな先入観をぶっ壊してくれた。

演歌凄い。

鷲掴みにされた。

「相手の心に届いて初めて歌になる」と説いた師匠の言葉がまさにその通りだった。コージの歌でやくざな人たちが引き下がるという場面があるんだけど、漫画的な展開だよねぇということではなく、「そりゃ引き下がるよ…」と納得しちゃう力強い歌声。 

舞台オリジナルの曲は2曲だけで、他は既存の有名どころの曲が使われているのも受け入れやすさがあったのかなぁとも思う。

 

コージは思っていることが口に出せない、声になって出てこない。そんな彼の生きづらさは観ているわたしも「なんで言えないの…!」ともどかしいほど。福士さん演じるオキナワは観客のわたしと同じ視点でコージと接していたように感じた。

コージの凄さを皆に知ってもらいたい。その一心で共にどさ回りをしたり、オーディションを受けようとコージのお尻を叩いたり。だからこその「コージひとりでデビューなら考える」とプロデューサーの一言からのギクシャクした関係性が辛かったし、「一人でデビューする」と決めるコージの決断、オキナワとの別れが妙にリアルで心がちくちく痛んだ。

 

テレサとコージの場面はウフフ、アハハの見事なお花畑w でれでれなコージ可愛いなおい!信玄餅をぽーんと投げるところはめっちゃ笑ったwww

 

コージとテレサの周りにいる人たちがとっても「良い人たち」で観ていて気持ちが良かった。隙あらば金品をくすねようとするし、品行方正とはかけ離れた人たちだけど、嘘のない人たちだった。そういう意味での「良い人」。テレサが働いていたストリップ劇場のお姉さま方もすごく魅力的な人たちだったなぁ~。

特に二幕での桑原さん演じるナミ先生がほんとにキュートで面白くてめっちゃ笑ったwww ナミ先生のキャラがすごく新喜劇の珠代ちゃんのようで、見終わったあと「新喜劇出身の方じゃないよね…!?」と急いで確認したほど← (当方、その昔に土曜のお昼に新喜劇が放送されている地域に住んでいたのです)

 

圧巻だったのはラストの嵐のなか歌う「俺節」。オキナワがコージのために作った歌。なかなか歌い出せないコージに向かって、強制送還されるテレサが叱咤する。テレサの「北国の春」 、凄く良かった。そうそう、このときの構図がまるでロミジュリのバルコニーの場面のようだなぁと感じた。

霧雨のなか歌い出すコージ。徐々に雨足が強くなって気がついたらどしゃ降りになっていた。それでも魂込めて歌うコージがとても神々しくて、ダイレクトに胸に刺さる歌で、雨の音も気にならなかった。(「どしゃ降り」って書いたけど、まさにどしゃ降り。こんな量を舞台上で降らすことできるんだという衝撃だった)。雨がすごすぎて途中からマイクが死んでくるんだけど、生の声が2階の後ろの席までしっかり聞こえてきた。話を聞いたところ、マイクが最後まで生きている日もあったようで。演出としてはその日その日、どっちに転んでもいいという判断だったのかな。個人的にはマイクが死んでも、こっちに届いてくるコージの「歌」が感じられたので良かった!(しかし、マイクが死んでも大丈夫と判断できるほどの資金力があるんだなと、さすがジャニ…とは思ったw)

このときのコージもものすごく良かったんだけど、後ろから見守るオキナワの姿を見たときに涙腺決壊した。最初は嬉しさと感動を噛み締めるようにコージを見つめていたんだけど、中盤から涙が流れ出さないように顔を上げて。二番に入ったころには涙が溢れ出てきたのか、もうコージを見ることができなくて後ろを向いてじっと耳を傾けていた。福士さんの「オキナワ」像が一番感じられた場面だった。

 

5人組アイドルの前座としてコージが歌うことになっているんだけど、そのファンが手作りうちわを持って上手・下手と舞台の下降りてかぶりつきで観ていて(客席に背中向けるかたち)。だから観客も舞台のなかの「コージの歌を聞くことになった観客の一人」になったように感じた。演出の福原さん凄い。

 

テレサは強制送還になるし、コージはデビューできなかったし、結末はハッピーエンドではない。だけど2人の心は「歌」でずっと繋がっているんだろうなぁと、翌日のコージとオキナワのすっきりした顔を見て思った。

観終わった後になんだか元気になれる。 本当に素晴らしい舞台だった!

 

↓舞台のお写真あり

natalie.mu 

「髑髏城の七人 season花」@IHIステージアラウンド東京 2017/4/8ソワレ、5/6、6/4

噂のぐるぐる劇場行ってきました。事前番組や先行して観劇した方の感想を見てはいましたが、やはり実際に体感しないとわからないものですね。

この記事を書き始めたのは幕が開いて早々だったんですが、気付いたら1か月過ぎ…そしてあっという間に千秋楽を迎え、何なら鳥が始まっている…下書き置いているうちに文章が熟成すればいいのに。

ほぼ一ヶ月スパンで計3回観劇しました!(狙って取れた~vv)

演目の内容的に殺陣がふんだんにあるのですが、回を重ねるごとにスピードも迫力も増していた印象。観劇後には「ソンハーーーーーーー!!!!」と叫びたくなる。声に出して叫べないから毎回ツイッターで叫んでる←

 

まずは劇場について(色んな人が書いているけど自分メモ的に)

・周りに何もない!まさに関東荒野…!私はゆりかもめの市場前駅で降りたのですが、自販機すらない。ゆりかもめ豊洲駅の改札前にセブンがあったので、豊洲駅から移動されるかたはそこをご利用になられたら良いかと思います。駅を挟んでステアラの反対側にはこれまた話題の豊洲市場がガランと佇んでおりました。豊洲市場に移設されてたら、ここらへんももうちょっと栄えてたのかなとか思ったり。

・市場前駅から2~3分で劇場に到着します。が、外観は劇場というより、圧倒的倉庫感。客席がある棟はでっかい倉庫、ロビーがある棟は併設された小屋…。おいおい、新劇場なのにこれかよと思ってたんだけど、どうやら2020年には取り壊しが決まってるんですね。納得。

・入らなくてもわかる、ロビーの狭さ。入り口左手にカフェ、奥に物販スペース、2階にトイレ。残りのスペースにわらわらいる人々。ACTはまだ赤坂っていう土地柄、スペースが狭くなるのは理解できるんだけど、こんなに土地があるのになぜ…と思いますよね。でもこれも取り壊し前提ならしょうがないのか。

・客席は傾斜が緩やか。2列前くらいに体格のよい方が座るともう見えない。「回る客席」という構造上、客席の傾斜をつけるのは難しいのかなとは思うんだけど、舞台手前にいる役者が見えなくなるのはほんと辛い。どうにもならない悲しさ。

→2回目は25列目だったんだけど、通路後ろなので視界が遮られることもなく快適だった!!演目的に男性のお客さんも多いから、もし選べるのなら25列目はお勧め。前方で埋もれるなら25列目を選ぶ。

・客席暑い。上演し始めたら空調が効きだすんたけど、開演前はものすごく暑かった。上着は脱ぐべし。夏とか大丈夫なのかな…?とすでに鳥髑髏が心配。

・思ったよりぐるぐる回る。時計回り、半時計回りどちらにも動く。乗り物酔いはあんまりしない方なのですが、2幕中盤からなんかふわっとしてきてしまった。

 

髑髏城は以前WOWOW で放送していたワカドクロ(2011年)とアカドクロ(2004年)を見ていたので、ストーリーなどは把握していたのですが、やっぱり生は迫力が違うし、ちょこちょこ演出が違う。

 

捨之介:小栗 旬 / 蘭兵衛:山本耕史 / 天魔王:成河 /

極楽太夫:りょう/兵庫:青木崇高/沙霧:清野菜名

狸穴二郎衛門:近藤芳正 / 贋鉄斎:古田新太 

 

 以下、がっつりネタバレ。

 

 

成河天魔王、最高かよ…!!

視聴した2本では天魔王は冷徹で圧倒的な化物で、「これ、勝てなくない…?」っていう印象だったのですが(特にワカドクロの森山くん)、今回の花髑髏の成河天魔王は道化のような一面があり、狡猾で人々を見下していて。最高に狂ってる。無界屋を襲撃したときに、人を斬ったあとについた血を指で拭って、その指をペロペロ舐めるんですよ?そして返り血のついた甲冑の腕のところも爬虫類のように舐めていて。一通り人を殺した後に近くにあったおむすびを食べるんだけど、ブッって吐き出すんですよ。人の血は口に含めるけど、米は吐き出すの。最高に狂ってた。

山本蘭兵衛を「兄者!」と呼ぶときのあざとい感じとかも最高~~

それにしても冒頭の舞の美しさや(「髑髏城で待っている」の言い方堪んない)、殺陣の俊敏さとか、成河さんは何者なのさ…凄い。(真悟のときのコンテンポラリーでも感じた天才感) ただただ凄い。ぴょんぴょん跳ねる殺陣は成河天魔王だからこそだよなぁ。最後に落ちるとき、ちょっと半身傾けながら落ちる姿が美しくて見事。

 

信長公に対しての思い入れは、蘭兵衛>>>>>>>>>>>天魔王>>>捨之介のように感じた。天魔王は口では「信長さま」とは言っているけど、自分が「人」から「天」になるべき人間だと信じて疑わない。対して山本蘭兵衛は信長公を死なせてしまったという自責の念にずっと囚われてるようで。太夫と無界屋を営んでいたときでさえ、心のどこかでは信長公に果たせなかった忠義を果たすためには何ができたんだろう、とか考えていそう。夢見酒を飲んで"蘭丸"に戻ったけど、それはただのきっかけであって山本蘭兵衛はずっと"蘭丸"に戻りたかったのかなぁとか。だからずっと夢見酒にかかっていた。自らかかろうとしていたのではないかなと(捨之介は比較的すぐ目覚めたのは過去には戻りたくないと強く思っていたからとか)。効き目はどこかのタイミングで実は切れていた?そうするとどこかなぁ。無界屋襲撃の時は夢見酒にかかったままでいてほしい(願望)。夢見酒が切れてるのに襲撃したとしたらかなりえぐい。でも「縁を切るため」だとしたら、それは蘭丸になるための蘭兵衛の覚悟なのかな…あーえぐい。

だからこそ、最後の最後で「太夫、さあこい」と言って太夫に自分の止めを刺せたとき、蘭丸じゃなくて蘭兵衛の顔に見えて、とても…とても苦しかった。天魔王を庇ったことで、"蘭丸"を全うしたからこそ"蘭兵衛"の顔に戻れたのかな。恐らくだけど、このときが人生で一番曇りのない"蘭兵衛"の顔だったんだろうなぁと感じた。

太夫も無界屋の仲間を殺した「憎むべき蘭丸」を殺したのではなく、「人生を全うした蘭兵衛」を逝かせてあげたように思えて。泣いた。

白い彼岸花のなかに佇む山本蘭兵衛、美しかったなぁ…。

ただどうしても薄緑(薄水色?)の着物が膨張するように見えて、もっとどうにかならんのか…!と思ってしまった。蘭丸になってからの黒い衣装はとっても似合ってた。

 

古田さんが登場したときの客席が「キターーーー!」という感じ、もうね、ずるいwずっと笑ってたww

<ふるちんポイント>

・肉襦袢で「ミッチーーーー!!!マサコーーーー!!!」と叫んで自ら体を切る(お尻からは血が噴き出す)

・鼻歌うたいながら自転車

・火花散らすローラブレード(映像があるからこその効果!)

面白すぎるのに出オチにならないの凄い。

 

菜名ちゃんの飛び蹴り見事だった!事前番組で苦戦していた仰向けの状態でくるっと回って起き上がるのも、4月初めはちょっとぎこちなかったんだけど、2回目以降はとっても綺麗にできてた~良きかな良きかな。沙霧は髑髏の登場人物の中で、一番真っすぐな子で。それが菜名ちゃんにぴったりだったなぁ~。

りょう太夫の美しきこと!どすの効いた声も素敵だった。

青木さんの兵庫も憎めない、いい男。最後の最後に太夫に自分の気持ちを伝えるとき、なんだか尊くて涙が出てしまった。良かったな、兵庫…!

 

小栗捨之介。ワカドクロよりもずっとずっと良かった(ワカは映像だけでの印象だけど)。冒頭に舞台上で小栗捨が残って霧雨降らしたところに「髑髏城の七人」のタイトルバックが映されたとき、鳥肌がぶわぁーと出た…!座長…!飄々としているけど、男気溢れる捨之介でした。殺陣は流石というかなんというか。100人斬りはふるちんローラーブレードでちょっとした「間」ができるんだけど(それがまた面白い)、それでも迫力満点ですわ。一日二公演とかよくできるね…と毎回思う。

 

ステアラの「360度回る」という特徴を最大限に活かした演出だったか?と言われると、「うーん…?」と思ってしまうんだけど、セット転換が不要だから「セットを作り込める」という点については新感線凄かった。だって舞台の上に川が流れてるんだよ?水が流れてるんだよ??しかもけっこう川幅ある。髑髏城を脱出した後の川での殺陣、そして霧雨。スローモーションでの殺陣がまるで映画のようで、でも生の舞台で。あの場面はぶわぁぁぁっと鳥肌が立つ。

 

「回る」を一番見事に使いきったのはみんな言っているエンドロールw こういうセットの造りになってるのね!という発見と共に、キャストが各々のセットに配置されて客席がぐるっと一周するんだけど、山本蘭兵衛が腕を組んで白彼岸花の中に佇む姿とか、成河天魔王が正面を見据えた後にすっと天を仰ぐ姿がとてもとても美しかった。「天」になれなかった男…。

 

カテコ覚書

●5/6

成河さんは役が役だけにカテコでも笑ったりしないんだけど、最後捌けるときに旬くんが話しかけてるなぁと思ったらおもむろに成河さんと手を繋いで振りだすから変な声出た。そのあと近藤さんも反対側の手を繋ごうとしたら、成河さんに振り払われてたww 旬くんありがと~~~!!!

●6/4

この日は捌けるときに周りがノリノリな音楽に合わせて拳を突き上げてたんだけど、成河さんもそれに合わせて小さく挙げてたのがとても可愛かった。控えめ成河さんw カテコ2回目は出てくるときにりょう太夫の肩に手を乗せて話ながら出てきてた!捌けるときはみんなと同じように片手をしっかり突き上げてた~、みんな仲良しやね~とニコニコした。

 

 

プレスだからか殺陣の迫力がいまいちだけど動画↓ 本番は殺陣の迫力は何倍もございました!

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85公演お疲れさまでしたー!


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鳥を観に行ったときに花キャストのサインがあった!

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鳥の感想も書かねば… 

「上を下へのジレッタ」@シアターコクーン 2017/5/14ソワレ

「上を下へのジレッタ」と書こうと思っているのに、思わず「上を横へのジレッタ」と書きそうになる。お友達にお誘いいただいて観劇してきました!

横ちゃんも楽しみだったけど、ベンヴォーリオ担(@ロミジュリ2017)である私は馬場くんがどんな歌やお芝居を魅せてくれるかとっても楽しみにしていました。

面白かった~~~!

 

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ミュージカルではなく「妄想歌謡劇」。音楽によってジレッタが表現され、音楽によって話が展開される。下手したらいわゆる”ミュージカル”よりも歌っているのでは…?パンフレットには23曲分の歌詞が載っている親切設計(太っ腹!)。

※ちなみにジレッタというには漫画家である山辺の"妄想の世界"。人々はヘッドフォンをつけることで山辺が創り出す妄想の世界を体感することができる。

いやぁ~それにしてもアンサンブルさんたちの活躍が凄かった!皆さんがいるからこそジレッタの世界が見事に表現されていたと思う。"妄想歌謡劇"と銘打っているだけあって、曲がキャッチーで耳に残る。80年代アイドル・万博をテーマにしている曲は「まさに!」という感じ。冒頭でしょこたん演じるチエが空腹のあまり「I love you …たぬきそば」と歌ってしまうあたりとかクスッと笑えるところもあって楽しい。

 

横ちゃんは普段歌ってるイメージがないのだけど、頑張ってた~。この一年ミュージカルをたくさん観てきたこともあって「耳が幸せ…」という境地までいくかといったらそうではないんだけど(ごめんなさい)、門前は横ちゃんだからこそ演じられたんだなと。まずビジュアルがまんま手塚作品。チラシを見たときから思ってはいたけど、手塚治虫の絵のまんまの人間が存在するの?っていう。今回初めて生で横ちゃんを拝見したけど、何あの美しさ。肌の白さと黒い衣装がまた手塚作品濃度を上げてる。野心に溢れて、ジレッタを見つけた辺りからどんどん狂気をはらんでいく姿が似合う。プロデューサーたるもの横山さんには狂気を持った役を!と考えるのは性なの?(ドラマ「ザ・クイズショウ」(2009年)を思い出した。あれも白シャツに黒い衣装でしたよね?)

浜野さん演じる山辺もまた漫画の中から出てきたようなビジュアルで凄い。しょこたん演じるチエは絶食すると美人、食べた途端に肥満体型になってしまうという役どころをとってもアナログな方法だったけど、ちゃんと表現できてた。竹中さんはザ・竹中さんwww  

馬場くんはミュージカルスター役(笑)という、ある種の難しさがあったと思うんだけど、馬場くんの歌好きだなー。というかジミー役という前情報しかなかったから、初っぱなにピザ屋の配達の人で出てきたとき双眼鏡で二度見したwww 他にもパイロットや首相のお付きの人とかいろんな役やってたけど、どれも楽しそうに演じてて、ベンヴォーリオだからチャラい感じで楽しそうにやっているのかと思ったてたけど、どの役でも楽しそうにやっているのいいねいいね!

ジミーも「作られたスター」、チエと2人で歌う場面ではお互いが作られた者同士、心が通いあっているように見えて切なくなった。

 

野心溢れる門前だけど、ジレッタが政治に利用されるとなったらそれを食い止めようとするところは「ダークヒーロー」なのかな。でもそれは"正義"のためではなく、ジレッタは"エンターテイメント"として使われるべきであるという信念ゆえの行動というのが感じられた。それでも彼は誰もやったことのないエンターテイメントを実現させようと、"一線"を越えてしまった。「Ave DILLETA」~「上を下へのジレッタ」の流れが凄まじい。自らもジレッタに飲み込まれちゃうラスト、あの最後の門前の叫びは横山さんじゃないとできない。美しく狂気と絶望と懇願とがぐちゃぐちゃに混ざり合ったあの姿。そのあとの車のクラクションなどの地上の喧騒に対しての地下のシンとした静けさがたまらなく怖かった。

純粋に多くの人を驚かせたい、楽しませたいと新しいエンターテイメントを作ろうとした門前。でもそれが政治に利用される危険性、もっといえば戦争にも使われる危険性があるということを手塚治虫は漫画というエンターテイメントで伝えていたことに「凄い」という平凡な言葉でしか表すことしかできない。

 

あのジレッタの音楽をもう一度聞きたいと思って、ゲネの映像ないかと(公式のね)探したけどじゃにが絡むとなかなかないよねー。 

ってことで お写真多めの記事↓ (もちろん横ちゃんは写っていない)

natalie.mu

 

「グレート・ギャツビー」@日生劇場 2017/5/13ソワレ、5/21マチネ

男の美学、なのだろうか。

我らの(我ら?)イケコの肝いりで演出された「グレート・ギャツビー」。主役のJ.ギャツビーは芳雄さん。新進気鋭のリチャード・オベラッカーによる全曲書き下ろし。イケコ作品ではお馴染みの座組。こんなにも条件が揃っているのに、観劇後には

 芳雄さんギャツビー、歌うまー!

 万里生ニック、可愛いー!

 ねねちゃんデイジー、可愛いー!

 AKANEさんベイカー、美しいー!

 女性アンサンブルさんたちの衣装可愛いー!

 芳雄さん、トップスター様!階段降り!

 

 

…以上。

あれ?なぜだ?個々のキャストの方々は良かったのに、作品としての印象が心に残らない…。

 

2016年の観劇まとめには書いたのだけど、去年も「グレート・ギャツビー」観ているのです。内博貴くん主演で、今をときめく(?)相葉裕樹くんがニック。そのときも同じような感想だったんだよな。

 内くんカッコいいー

 相葉くんイケメンー

 せしるさん美しいー

 

もうこれは「グレート・ギャツビー」という話が私には合わないということなのかな…

 

イケコ版のギャツビーはいかに美しくギャツビーを描くか、というところに焦点を当てているように感じた。

ずっと追い求めていたデイジーと再会するために汚いことに手を染めるんだけど、そこらへんのギャツビー自身の良心の呵責とかが見えなくて…「すべてはデイジーのために!愛のために!」という感じに、"美しく"まとめられているなぁと。貧しい出自を隠して、森のなかでの「あなたはプリンス」「わたしはプリンセス」を信じて生きてきた、よく言えば”純粋な”、悪く言えば"愚かな"青年なのに、最後はデイジーを守るために自らが加害者だと名乗るというヒーロー的な結末にもにょもにょしてしまった(物語の結末はもともとがそうだからしょうがないんだけど!)。ギャツビーは美しく生きて、美しく死んでいくのが…うーんとなってしまう。

原作読んでいないので、この話にそこら辺を求めるなと言われれば、無い物ねだりでごめんなさいなんですが。

 

でもパンフレットを読み返していたら、芳雄さんも仰っていましたね。

原作に比べると、小池版はギャツビーがよりヒーローとして描かれているので。一人の女性を想い続けて、本当は手を出したくない仕事にも手を染める。すべてデイジーのためだというギャツビーは、小池先生の理想の男性像のようにも思います。 

どうやら私が感じたことは、イケコの意図するところだったようだ。 

 

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芳雄さん歌うまー!!

オケの方が舞台上にいるので、ギャツビー邸での場面とかは華やかさが一層際立つ。

わたしは両日B席での観劇だったのだけど、ギャツビーは1階席から見た方が楽しめると思う。セットが一部見切れちゃうのと、場面転換で奈落がとても使われているので、上からだとちょっと裏方的なものが見えちゃうw

 

21日マチネではシャツをばらまく場面で万里生ニックめがけて投げてて笑ったwwシャツってあんなに勢いよく投げられるのですねww

あと「真実の愛」で迫ってくるキャサリンから逃れようとする万里生ニックがめちゃめちゃ可愛かったー!!センターで歌ってる広瀬くんと蒼乃さんよりもニックを双眼鏡でめちゃめちゃ見てしまった。椅子に座りながらガタガタ逃げるニック可愛いかな~。

ちょっとこれはどうしても言いたいんだけど、冒頭のプールサイドでの場面、ガウンを脱いだ後の衣装は…どうにかならんかったのか!!!最初っから笑いそうになったよ。

 

ちなみに相葉くんのニック↓

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改めてみると全体的に若々しい。曲も衣装も。

イケコ版は"大人"の香りが充満してるね。