ただの備忘録

未来の自分に贈る、舞台の記憶と感想

「グレート・ギャツビー」@日生劇場 2017/5/13ソワレ、5/21マチネ

男の美学、なのだろうか。

我らの(我ら?)イケコの肝いりで演出された「グレート・ギャツビー」。主役のJ.ギャツビーは芳雄さん。新進気鋭のリチャード・オベラッカーによる全曲書き下ろし。イケコ作品ではお馴染みの座組。こんなにも条件が揃っているのに、観劇後には

 芳雄さんギャツビー、歌うまー!

 万里生ニック、可愛いー!

 ねねちゃんデイジー、可愛いー!

 AKANEさんベイカー、美しいー!

 女性アンサンブルさんたちの衣装可愛いー!

 芳雄さん、トップスター様!階段降り!

 

 

…以上。

あれ?なぜだ?個々のキャストの方々は良かったのに、作品としての印象が心に残らない…。

 

2016年の観劇まとめには書いたのだけど、去年も「グレート・ギャツビー」観ているのです。内博貴くん主演で、今をときめく(?)相葉裕樹くんがニック。そのときも同じような感想だったんだよな。

 内くんカッコいいー

 相葉くんイケメンー

 せしるさん美しいー

 

もうこれは「グレート・ギャツビー」という話が私には合わないということなのかな…

 

イケコ版のギャツビーはいかに美しくギャツビーを描くか、というところに焦点を当てているように感じた。

ずっと追い求めていたデイジーと再会するために汚いことに手を染めるんだけど、そこらへんのギャツビー自身の良心の呵責とかが見えなくて…「すべてはデイジーのために!愛のために!」という感じに、"美しく"まとめられているなぁと。貧しい出自を隠して、森のなかでの「あなたはプリンス」「わたしはプリンセス」を信じて生きてきた、よく言えば”純粋な”、悪く言えば"愚かな"青年なのに、最後はデイジーを守るために自らが加害者だと名乗るというヒーロー的な結末にもにょもにょしてしまった(物語の結末はもともとがそうだからしょうがないんだけど!)。ギャツビーは美しく生きて、美しく死んでいくのが…うーんとなってしまう。

原作読んでいないので、この話にそこら辺を求めるなと言われれば、無い物ねだりでごめんなさいなんですが。

 

でもパンフレットを読み返していたら、芳雄さんも仰っていましたね。

原作に比べると、小池版はギャツビーがよりヒーローとして描かれているので。一人の女性を想い続けて、本当は手を出したくない仕事にも手を染める。すべてデイジーのためだというギャツビーは、小池先生の理想の男性像のようにも思います。 

どうやら私が感じたことは、イケコの意図するところだったようだ。 

 

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芳雄さん歌うまー!!

オケの方が舞台上にいるので、ギャツビー邸での場面とかは華やかさが一層際立つ。

わたしは両日B席での観劇だったのだけど、ギャツビーは1階席から見た方が楽しめると思う。セットが一部見切れちゃうのと、場面転換で奈落がとても使われているので、上からだとちょっと裏方的なものが見えちゃうw

 

21日マチネではシャツをばらまく場面で万里生ニックめがけて投げてて笑ったwwシャツってあんなに勢いよく投げられるのですねww

あと「真実の愛」で迫ってくるキャサリンから逃れようとする万里生ニックがめちゃめちゃ可愛かったー!!センターで歌ってる広瀬くんと蒼乃さんよりもニックを双眼鏡でめちゃめちゃ見てしまった。椅子に座りながらガタガタ逃げるニック可愛いかな~。

ちょっとこれはどうしても言いたいんだけど、冒頭のプールサイドでの場面、ガウンを脱いだ後の衣装は…どうにかならんかったのか!!!最初っから笑いそうになったよ。

 

ちなみに相葉くんのニック↓

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改めてみると全体的に若々しい。曲も衣装も。

イケコ版は"大人"の香りが充満してるね。