ただの備忘録

現場を振り返ることを枷にして記憶の定着を図る。つまりただの備忘録。(主に舞台の感想)

「エリザベート」2016@梅田芸術劇場 感想その2 ~古川ルドルフについて~

その1からの続き。

ta-ma27.hatenablog.com

 

梅芸初日の幕が下りたあと、一緒に入っていた友達に思わず「古川くん…?」と聞いてしまった。

帝劇であの強くて、父親とやりあっていた革命家のルドルフはいなかった。死にそうな雰囲気なんか一切なかったルドルフが、梅田では「あ、この人死ぬんだわ」と強烈に感じさせた。

ちなみに帝劇でのルドルフ感想  ↓

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⚫9/11マチネ⚫

エーヤンでのお顔を旗より前に出すのは継続してるけど、周囲の人とのガヤが減っていたような?というのとミルクでは力強さがないというか違和感を感じた。それがあっての2幕でルドルフして登場した瞬間、眼差しは強くて「あ、気のせいか」と思ったのだけど、なんかソフトな歌い方に変えた…?しかし、その後のあまりの違いに驚いた。

・反乱を起こしたあとに名乗る場面。帝劇は「ルドルフ…ハプスブルク!!」と声高に告げていたが、不安の色を出しながら「ルドルフ……」、かなりためてからの「ハプスブルク……」と、とても弱々しく名乗っていた。

 ・父親に蟄居を命じられたあと、帝劇では「父上ぇぇぇっっっっ!」と怒りを全面に出していていたのに、今回は「父上…」と呟くように言っていた。頭殴られたような衝撃。なんせここで叫ぶことで古川ルドルフが「強い皇太子」を決定付けていると思っていたから。

・ママ鏡でシシィに抱きつくときも、腕に力がこもってなかった。「ママ、助けて…!」っていう悲壮な思いがこもってないような。もう話す前から諦めてた?シシィに見捨てられたあとは膝をついて顔を床に埋めるほどうな垂れてた。その状態で「ママも…」→ふらっと立ち上がって「見捨てるんだね」。

・マイヤーリンクでの舞。帝劇では自分で舞っているという印象だったんだけど、今回はふわっとしていて重力感じなかった。もう死の淵にいるかのよう。「この人は死ぬんだ」というのを強く感じさせた。

梅芸初日は初めて「強くないルドルフ」を見た。大我ルドルフのように脆くて儚いルドルフというわけではなく、生への執着がないのかな?トートから銃を受け取ってから、死の接吻→引き金を引く流れがあっという間に行われた。どこかのタイミングで自死を決意した瞬間もなく、死ぬ宿命に抗わず従った感じなのかな?流れるようにルドルフが死んでしまった。葬儀の場面でシシィが悲しみに暮れ、むせび泣いていたが、わたしもシシィと同じく心にぽっかり穴が開いたような虚無感が。

 

⚫9/12マチネ⚫

前日の衝撃から、2日目以降はどのようなルドルフになるのか不安と期待を胸に観劇。

・冒頭の昆布のところは子ルドをじっと見つめ続けていた。今さらだけど、ここのシーンも不思議ですよね。同じ人物の幼少期と青年期の霊魂が一緒に登場してて。幼少期のルドルフは一度人格が死んでいるってことなのかな?ママに会いたいと懇願していた少年ルドルフと独立運動に燃える青年ルドルフ。確かに180度変わったかのような人生を歩んでいる。古川ルドルフが子ルドを見つめ続けていたのは、ママへの純粋な愛を求めていた時期があったとただ思い出しているのか、その後拒絶されることをまだ知らない少年を哀れんでいるのか。

・エーヤンもミルクもやはり元気というか力強さがないような…?

・名乗る場面は昨日よりもためは少なかったかな。「ハプスブルクっ……!」と目を見開いて告げてた。

・マチネは「父上ぇっっ!」と怒りを出してた。それでも帝劇を100とすると60くらいかな。

・ママ鏡では初日と同様に力なく抱き締めてた。

・マイヤーリンクは前日同様に重力を感じさせない舞。ぐにゃりと踊るルドルフ。いや、全てはトートに踊らされてるということなのかな。銃を受け取ろうとする前は少し抗っていた。そのあと銃を受け取ってから、じっと銃を見つめてからの死の接吻。少しためてから引き金を引いていた。マチネは自死を決意した瞬間も垣間見れた。

初日よりも帝劇でのルドルフに軌道を戻しているように感じた。やっぱり「父上ぇっっ!」と叫ぶか叫ばないかで印象が全然違う。それでも帝劇で感じていた「国を立て直すんだ」という若い志を感じるというよりも、「この人は死んでしまう」と思わずにはいられない古川ルドルフ。

 

⚫9/12ソワレ⚫

 ・ミルクとエーヤンは相変わらず、力強さがないような。

・名乗るところは覚悟を決めたような「ハプスブルグっ…!」。フランツとの場面は「父上っっっ!」と怒りを出してた。帝劇に近づいてきた感じ。

・ママ鏡のところはやっぱり力なく抱きしめていた。最初からシシィは当てにしていないということなのかな?とかいろいろ考えたのだけど、独立運動が失敗してルドルフは母親に助けを乞わざるを得ない状況ではあるのだけど、久しぶりに再会した母親に急にぎゅっと抱きしめて訴えることができるかっていうと、それは確かにできないかなという勝手な解釈をしてみたらなんだか自分の中ですっきりした。

・マイヤーリンクもやはり「死んでしまう」と感じさせるルドルフだった。銃を受け取った後に自死する決意が見れた。死の接吻→銃を一瞥もせずに引き金を引いていた。

そしてこのソワレは友達に聞かれて後から思い出したのだけど、「闇が広がる」では古川くんは下パート歌っていた。ミルクやエーヤンで力強さがない感じがしたのは体調不良だったのかな…と。この日は芳雄さんがマチソワで出演されていたから、マチネでの感じを見てソワレではパート替えようとなったのか。憶測でしかないけど。

 

●9/13マチネ●

・ミルクが力強くなってる…!!これは良い兆候!

・名乗る場面も「ハプスブルグっっ!!」と言っていたし、フランツとの場面も「父上ぇぇっっっ!!」と叫んでいた。

・ママ鏡のとき、この日はシシィに拒絶されて腕を外された後、しばらくルドルフの腕が宙に浮いたままだった。少年時代に厳しいゾフィーから自分を救ってくれたママなら、今回の窮地もきっと助けてくれる。しかもママが愛したハンガリーのことだ、と青年になっても「ママはきっと助けてくれる」と思っていた中で、「昔のことよ」と拒絶されたらそりゃあ絶望するよね…となんだか改めて思った。

・闇広は古川くんが上パートを歌っていた!(だけど前半下パート・後半上パートというレポもあったので、多分実際は入れ替えて歌っていると思う(※自分の現場記憶力に自信はないので))。闇広、帝劇より梅芸のほうが好きかも。マイヤーリンクにも繋がるんだけど、トートに操られている感じがより出ているようで。トートの姿が見えるようになった後、一瞬ちらっと不安げにトートを見ているところがあって、どきっとする。

独立運動のカフェの場面も不安げで悩んでいる感じが出ているような。ハンガリー国王になる夢に魅せられたときは目を輝かせているのだけど、「本当にこれでよいのか」という心の揺らぎを感じる。「今を逃すとチャンスはないぞ」と周りの革命家たちにけしかけられて反乱を起こしたという印象が強くなった。

 ・マイヤーリンクもふわっと重力を感じない舞。「この人は死んでしまう」と今回も思った。トートから銃を受け取った後に自死を決意した後に死の接吻。ここの流れ、本当に美しいですよね。。。

 

色々書き連ねましたが、梅芸の古川ルドルフ好きです。帝劇との差がありすぎてかなり衝撃を受けたけど、わたしはトートに翻弄されるルドルフを求めているようで、古川くんの強くないルドルフを見ることができて良かったです!(単純)

 

……中日劇場であと数回しか古川ルドルフを見ることができないという事実に打ちひしがれそうです………