ただの備忘録

未来の自分に贈る、舞台の記憶と感想

「キャバレー」@EXシアター六本木 2017/1/15マチネ

1月は土日がほぼほぼ観劇で埋まっているので、早めにアウトプットしなければ。

ということで真悟の翌日に「キャバレー」行ってきました!(フランケンの感想は追々…) 徹平くんが出ているからというのと、演目が面白そうだし長澤まさみちゃんが初ミュージカルっていうのも気になる~と思いチケットを取りました。まさみちゃんは三谷さん演出の「紫式部ダイアリー」(2014年)ぶり。

 

各種メディアにも数多く取り上げられていましたが、衣装が煌びやかで何パターンもあったし、キット・カット・クラブのショーの場面は見飽きることはなかった。やっぱりスタイルが抜群にいいし、華がある。ミュージカルが初めてとのことだったけど、歌も良かったと思います。低音でがなりを入れてるところは「おっ!いいねいいね!」となった(上手ながなりは大好物)。 サリーはもっと退廃的な雰囲気を纏っているかと思ったんだけど(チラシみたいな感じ)、自由奔放でおちゃめなサリーだった。


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サリーにもっといやらしさがあったらなぁ~まさみちゃんは健康的すぎて「場末のキャバレー」という感じがあまりしなかったような。そこらへんの猥雑さとか下品な部分はすべてMC役の石丸さんとアンサンブルのダンサーさんたちが担ってくれていた。 "Two Ladies"とか映画とか見てないと「…!?」ってならない?大丈夫だった?知ってる私でも「…お、おぅ…」ってなったよ?笑

MCはキャバレーのMCかつ狂言回しの役目もあって、そこにいるはずはないのにいて歌い出したりする、エリザでいうルキーニみたいな感じ。スカピンではちょっと(楽曲的に)物足りなかった部分もあったんだけど、キャバレーでは石丸さんの歌を思う存分堪能できた!サックスも演奏できるんですね、芸達者なお方だ。

 

あ、エリザのトートダンサーだった乾さんと楢木さんが出演されてたのだけど、ナチスの軍服を着て、女の子と乱れていたシーンはガン見しちゃったよ!ちょうエロかった!!あざっす!!

 

徹平くんの歌と演技の安心感たるや。ナチスの不穏な動きを察知し、それまで親しくしていた友人とも距離をとり、一刻も早くドイツを離れようとする頭のよさと、サリーを想う一途な姿。だけど頑固な部分もある男。サリー、男を見る目いいよ(何者)

 

EXシアターはオケピなさそうだから生音じゃないんだろうなぁと思っていたら、舞台にバルコニーのような2階部分のセットがあり、そこにバンドの面々が!しかもアンサンブルさんたちと同じように衣装着ているし、たまにバルコニーの前の方に出て踊っている。松尾さんはこれやりたくてキャバレーの衣装が着れる女性の演奏者を探したんだろうなぁ~(←もちろん男性もいたけど、ほぼほぼ女性だった)。

 

全体の流れとしてはキット・カット・クラブのショーとお芝居パートがきっちり分かれちゃってるかなぁと。それぞれのパートは見応えあるんですけどね。お芝居パートは小松さんと秋山さんが見事。コメディな部分も織り込みつつ、シリアスな場面もしっかり魅せてくれた。1幕ラストの人々がナチスの旗を振って高揚している場面、小松さん演じるシュルツの呆然とした顔がどうにもならない現実を観客に突き付けていた。クリフは悔しそうな顔なんだけど、サリーは面白いものを見ているかのようにニコニコしていたのが印象的だった。この二人の表情が結末を現してますよね。国に帰ったクリフとベルリンに残ったサリー。

空襲のサイレンが鳴って物陰に隠れる人々がいるなか、一人の男性がギター(マンドリン?)をぽろんぽろんと弾きだす。そうするとMC役の石丸さんがすっと出てきて、キャバレーの看板に光が点り初め、「嫌な現実は入り口に置いてから入ってきなさい」(※ニュアンス)の一言で幕が開くのです。サリーはナチスの台頭という"嫌な現実"をキャバレーの入り口に置いて、その中の世界で生きることを選んだ。最後、静かな夜にキャバレーの入り口前に折り重なった人々の脇をMCが通り抜けて消えていく場面で終わるのですが、"キャバレーの中で生きていた人たち"はもう生きてはいないんだなぁと感じさせられた。MCはやっぱり生きてるようで生きていない役なんだなぁ。その当時のベルリンの暗い部分が描かれていたのは良かった。

…んだけど、劇中の「(ハーケンクロイツを指して)お寺のマークじゃないよ」とか「保育園落ちたベルリン死ね」とか「盛り塩」とかそういうのはいらないんじゃー!とムキーッとしてしまった。一気に現代日本に引き戻されるからさ…。個人的にはそういうのは好きじゃないんです…。

 

まぁトータルでは視覚的に十分楽しめたので!まさみ可愛かった~!

 

↓写真が豊富で、インタビュー内容多め

www.excite.co.jp

 

ダンスとかがちょうどよい感じに見れるかな。

www.youtube.com