ただの備忘録

未来の自分に贈る、舞台の記憶と感想

映画「猫は抱くもの」

普段、映画の感想を書くことはないんだけどキャンペーン的なものをやっているので乗っかってみた。頂けるのであれば、かきざわさんのサインが欲しいです!(オブラートに包まない)

※2018/8/14追記:遅ればせながら、有難いことに柿澤さんのポストカードセットをいただきました!!サインを狙っていましたが、お気遣い(?)&当選ありがとうございました!!!

 

1回目見たときは、演出の面白さが印象に残った。雑誌のインタビューで撮影前に立ち稽古をしたと語っていたので「劇中劇でもやるのかな?」と想像していたら、「こういうことか!!」と。劇場を使った舞台のような演出で、倉庫の中の美術セットもタッチが可愛くて、ワクワクしながら見た。だけどちょっとストーリーに引っかかる部分があったんだけど、タイミングが合ったので2回目を観たら、ぐっと面白さが増した。

 

以下、ネタバレしています。

 

 

劇場を使ったセット。表舞台と上手サイドと下手サイドの客席部分に舞台を作り上げ、2階席を橋に見立てて、その下に猫たちがたむろする河原の舞台も作り上げていた。

どこの劇場なんだろうと気になってエンドクレジットを凝視したら、群馬会館という施設でした。

群馬県 - 群馬会館の利用案内・利用料金

メインプリンシパル以外は2役以上やっていたりと、まさに舞台のようだった。

 

映画ではこの劇場を使ったシーンと外ロケのシーンで構成されている。外界(外ロケシーン)にいるサオリ(エリカさま)は自分の意思に反していても「はい」と答えるだけで、他者の言葉をすべて飲み込んでしまう女性。必要以上に誰かと会話をすることがないし、感情を表に出すこともしない。それが舞台上にある倉庫の場面では、良男(猫:吉沢亮くん)には愚痴もこぼすし、物も申すしと自分の気持ちを表している。この劇場内の場面は、サオリの心中表現なのかな?彼女の心のテリトリーが劇場内にあるようで、スーパーの事務所やカラオケなど、外界と交わる場面もあるんだけど、外界にいるときよりもずっと気持ちを表しているように感じた。

 

特にそれを感じたのが、ゴッホ(峯田さん)のモデルになって絵をかいてもらう場面。サオリがアイドルに戻りたい気持ちと上手くいかない状況に悔しさと怒りとでぐっちゃぐちゃになって、ゴッホと口論→突然服を脱いで絵をかいてもらう。という初回見たときは「……!?!?なんで突然脱いだ????」とサオリのキャラクターと相いれない行動とゴッホがなぜかサオリの過去の状況を話し出して、「え???ストーカーなの???」って理解ができなくて消化不良だったんです(わたしだけ??)

それが2回目は「彼女の心のテリトリーは劇場内なのでは」という目線で見ていたのもあって、この場面はサオリの心中表現なんだと気づいて合点がいった。あの荒れ狂ったサオリは彼女の心の中で起こっていること。ゴッホの姿形をしているけど、サオリが自分自身に浴びせている言葉。突然裸になったのは、自分の心に纏わりついているものを全部取っ払って、「本当の自分」になっていることを表しているのではないかな。ゴッホがサオリの体に触れて形を確かめながらスケッチしているのも、サオリが自分が何を感じて何をしたいのかを1つずつ見つめなおしていることを表しているのではないか。良男が「あんなサオリは初めて見た」(※ニュアンス)と言っていたのは、本気で自分に向き合っているサオリを見たことがなかったということなのでは、と全てが繋がって見えるようになった。

ゴッホが絵を描いている場面のようで、サオリが自分自身を見つめなおしている場面。体の部分部分のスケッチを組み合わせて1つの絵にしていたはずなのに、サオリが目を覚ました後は別の1枚の絵になっていたのも、これが理由ではないのかな。心中表現と外で起きていることが混ざり合った世界。

 

サオリは最後に自分が好きな歌を歌うことを選ぶけど、多分彼女はそれを選ばなくても、それまでよりも1歩前に進めた人生になったはず。あんなに自分自身と向き合えた人だから。凄いなぁ。

 

最後のゴッホの姪っ子ちゃんの場面の解釈ができていないので、誰か感想教えてください(他力本願)。劇場内で起きたことはすべてサオリの想像(妄想)説も考えたのだけど、そうするとキイロの存在がわからなくなってしまうのでそれは違うはず…。

 

エリカさまのお芝居がとっても素敵だった。外界のサオリは発する言葉が少ないけど、表情やしぐさで何を感じているのかがすごく理解できた。TV収録場面で「歌手」ってフリップに書いた後の表情と仕草がほんと苦しくなるやつ…。吉沢くんは「羅生門」で拝見した時も美しい人だなぁと思っていたけど、本当に美しいね。エリカさまと並んでも美しさに引けを取らないって凄い。エリカさまにごろにゃんされる吉沢くんの破壊力はすさまじいものでした。コムアイさんのキイロとのやり取りがまぁ可愛いかった!!

そして柿澤さんですが、ナイスクズ高橋!(褒めてる) ササキは噴き出しそうになるのをこらえるのに必死でしたw

 

他の人がどのような解釈をしたのか、話し合いたくなる映画でした。

 

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