「アテネのタイモン」@兵庫県立芸術文化センター 2018/1/7、1/8マチネ・ソワレ(千穐楽)
明けましておめでとうございます!ってずいぶん経ってしまいましたね。気付いたら2月でした。私の2018年観劇初めは兵庫に遠征してのアテネのタイモン。兵庫県立芸術文化センターは初めて伺いましたが、梅田からのアクセスも良く(特急で10分ちょっと)、徒歩3分くらいのところに阪急百貨店もあるので食事にも困らずで周辺環境ばっちり。劇場自体も綺麗でしたが、ホワイエはさい芸を一回り小さくした感じかな?座る場所はさい芸より少ないので幕間の居場所にちょいと困る感じ。1つ物申したいのが、なぜさい芸よりも3000円値上がり?('ω') 君は博多座か?博多座なのかい??(お前)
公演も終わったので気にせずネタバレ。
演出面での変更は追放の場面が大きかったかな。さい芸ではC~D列とQ~R列の横通路を使ってお芝居していましたが、兵庫では横通路がないため基本的に縦通路と舞台前の通路のみ。そして舞台前の通路で客席を向いての演技になったので非常に見やすかった。あと2幕の森の場面とかは「その日に生まれる芝居」で見応えがあった。
5分前着席が通常運転の私ですが、タイモンに限っては10分前には着席する仕様に。鋼太郎さんが「頑張ります」「千穐楽ですね」、と小さくガッツポーズしながら挨拶する姿が可愛いかったw
冒頭のワルツは柿澤さんの身のこなしに釘付けになる。 しかし、千穐楽の日は上手前方席だったのですが谷田さんが上手側で踊っている姿を発見してしまい、柿澤さんを観つつも谷田さんの姿もチラチラ確認してしまった。 めちゃくちゃ男前~目の保養~~。
全体的な感想はさいたま公演でしているので、気づいた点などなど。
ちなみにさいたまの感想↓
柿アルシバイアディーズはさいたまよりも、なんかちょっと大人になってた(?)ような気がした。さいたまのときは客席後方の通路でこれでもかというくらい「どうしてもだめかぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」と仰け反りながら叫んでいたので血の気盛んな若者という印象のほかに、自分の要望が通らなくてぶちギレる子供のような印象もあるなぁと感じていた。それが、中ホールだと縦通路での演出で少し遠慮したのかどうかは不明だけど、さいたまより少し抑えての(少なくともさいたまほど仰け反りかえってはいない)「どうしてもだめかぁぁぁ!!!」で、子供っぽさが薄れていたので個人的に追放の場面は兵庫の方が好き。
前楽。二幕の森でタイモンと遭遇しての「害を与えたか」のところ、さいたまは二人とも立ったままの芝居だったけど、兵庫では座り込んでいるタイモンと目線を合わせるべくしゃがみこんで問う柿アルシバ。この日はやけに顔を近づけて問いかけていると思ったら、タイモンがアルシバにキスをして、思わず顔を横にずらしていた(けど、タイモンの口が頬を撫でる結果に)。前楽なのに色々やってくれるな…!「親愛の意味をこめてされるキスも、場合によっては嫌だろ?」っていうことをアルシバに実感させようとしたのかな?考えすぎ?
そして一番の衝撃は盗賊を撃ったあとに、自分の口に銃口を入れるタイモン。ご覧になった方は分かると思うんですが、銃身が長いやつなのでかなり無理がある体勢。さすがに引き金は引かなかったけど(それをしたら話が変わる)、「……どういうこと!?何を意味しているの…?」と混乱。幕間にひたすら考えたのだけど、"盗賊の命を奪ったタイモン自身も、また別のものに命を奪われる存在である"、ということを表していたのかな…?
柿アルシバ、アテネに進軍して手袋を投げるところがとても悔しそうだった。
千穐楽。鋼太郎さんの暴れっぷりが今まで見たなかで一番だったw 一幕ラストの晩餐も普段より2-3人多く蹴ったり殴ったり。
追放の場面で舞台に上がったあと、腸煮えくり返ったアルシバが唾を吐き出していてかっこよかった(語彙力) 何て言うんですかね、殴られて口の中を切ったから血をペッと吐き出す感じ。マントの翻し方も勇ましくて美しい。
2幕の森のなかでアルシバの軍と遭遇する場面。タイモンはアルシバの頬に手を触れて「優しくしたじゃないか」。「誉めたじゃないか」ではなかった。敢えて変えてきた…??「優しくしていなかったアペマンタスこそ自分の味方だった」「アルシバは優しくしてくれた」とタイモンは認識していたのか。
花梨の実を2回投げつけるアペマンタスには笑ってしまったwwてっきり2つ鞄の中に忍ばせていたのかと思ったけど、どうやら花梨の実を投げたら跳ね返って、また鞄の中に入ったっぽい。ミラクル。あとパンを思いっきり客席に投げるタイモンにも笑ったw後方席までパンが飛んでった~
千穐楽も銃口を口に入れたりするのかとドキドキしながら待ち構えたけど、これまで通り、じっと天を見つめていた。
さいたま公演からラストのタイモンの表情がどういうものなのかがわからなくて、あれだけ呪詛のような言葉を吐き出していた人の最期は一体どういう心境なのだろうか?とぐるぐるしていた(翻訳本にもタイモンの最期の描写はない)。だけど前楽の銃の流れを観て、あのタイモンの最後の場面も、タイモンには恐怖や怒りや悲しみもなく、ただ神という大きな存在に命を奪われるという宿命を受け入れていた、ということなのかなぁという考えに至った。
・鋼太郎さん:千穐楽挨拶(ニュアンス)
千穐楽に2回公演。どういうことかと思ったら追加公演ということのようです。足をお運びいただきありがとうございました。正月早々に唾を掛け合ったり、妻は不倫しろだ、子供たちは親に歯向かえなど相応しくないことを言っておりましたが、故蜷川幸雄も生前「シェイクスピアは激しくなければならない。激しさのなかから見えてくるものがある」と言っていました。その言葉を胸に、シェイクスピアシリーズ復帰の第一段として取り組みました。皆様には盛り立ていただき、誠にありがとうございました。来年は新しいシェイクスピア作品に取り組みますのでそちらもどうぞよろしくお願いいたします。
挨拶の途中で「新幹線の時間あるんだけど大丈夫ですかね?(笑) 僕たちも帰らなきゃいけないから」とも仰ってて、演者の皆さん無事乗れるのかこっちも心配してしまったw
最後、両手お手降りしつつぴょんぴょん跳ねながら捌けていった柿澤さんがめちゃくちゃ可愛かった。最後の最後はジャンプしながら右手で何かを掴むような感じで。
柿澤さんのがっつりストプレ演目観劇が初めてだったのと柿澤さんのミュージカルが大好きなのもあって、観劇前はストプレで満足できるのだろうかとちょっと不安に感じていたのだけど、想像以上に面白くて満足度も高くて最高でした。やっぱりわたしは柿澤さんの「芝居」が好きなんだなぁと。蜷川組の皆様とのお稽古~本番がものすごく充実していたようで何よりです!(逆に今のメリポピ稽古期間中の柿澤さんの発信が少なすぎて心配してるw)
シェイクスピアシリーズは過去DVD化されているということなので、全力で円盤化を待っています。だけど今回はDVDじゃなくてWOWOWだったりするのかな…?(初日にWOWOWと日テレの取材カメラが入ってた) どっちにしても映像化を!!!どうぞ!!!!よろしくお願い!!!!!します!!!!!
本日1回公演、終わりました!終演直後に撮った素敵な写真をどうぞ。いよいよ明日は大千秋楽です!アテモン pic.twitter.com/0pqdnFP92d
— 彩の国シェイクスピア・シリーズ (@Shakespeare_sss) 2018年1月7日
アテネのタイモン、全24公演、すべて終了しました!こちら大千秋楽後の吉田鋼太郎さん、藤原竜也さん、柿澤勇人さん、横田栄司さんの4ショット!皆さん、いいお顔されてます!彩の国シェイクスピア・シリーズ、次回の第34弾は、2019年2月のヘンリー五世です。またお会いしましょう!アテモン pic.twitter.com/TjMjvxRpCF
— 彩の国シェイクスピア・シリーズ (@Shakespeare_sss) 2018年1月8日
皆さん怪我なく千穐楽を迎えられて良かった!お疲れさまでした!!