ただの備忘録

現場を振り返ることを枷にして記憶の定着を図る。つまりただの備忘録。(主に舞台の感想)

「屋根の上のヴァイオリン弾き」@日生劇場 2017/12/17

名前は知っていたけど、どんな内容かは知らない作品の一つでしたが、実咲さん、さあや、ふうかちゃんの三姉妹が気になっていたので、友人に誘われ行って参りました。繰り返し再演されている作品でもあるので、多少は基礎知識を入れた方がよいのかなと思って公式ブログの「屋根で考えてみた」シリーズをチェックしてから臨みました。(見てから観劇することをお勧めします~) 

 

ameblo.jp

 

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演出:寺﨑秀臣

出演者:

テヴィエ : 市村正親、ゴールデ : 鳳 蘭、ツァイテル : 実咲凜音、ホーデル : 神田沙也加、チャヴァ : 唯月ふうか、モーテル : 入野自由、パーチック : 広瀬友祐、フョートカ : 神田恭兵、ラザール : 今井清隆

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初心者あるあるかと思うんですが、市村さんがヴァイオリン弾きであるもんだと思っていました。が、中の人のブログにあるように、ヴァイオリン弾きは「バランス」の象徴。

アナフテカのユダヤ人はみんな、屋根の上のヴァイオリン弾きみたいなもんだ。落っこちてクビをおらないよう気をつけながら、愉快で素朴な調べをかき鳴らそうとしている。(略)じゃ、なぜそんな危ない場所に住んでるのか?それはアナテフカが俺たちの生まれ故郷だからさ。じゃ、どうやってバランスをとっているか?一言で言えばしきたり、……しきたりだ! 

(パンフレットより抜粋)

 

単なる家族愛のお話なのかなと思ったら、「土地を追われる者・追う者」という社会的な一面もある作品でした。

ロシアの人たちがツァイテルとモーテルの結婚式に乱入してくる場面。神田恭兵さん演ずるフョートカが1人葛藤を抱えながら道を下ってくる姿に胸が苦しくなった。形だけでも荒らさなければならないフョートカとそれを目の当たりにするチャバ、幸せな結婚式が一気に殺伐とした場になっていく様が悲しくて悲しくて堪らなかった。3姉妹が(紆余曲折ありながらも)それぞれ嫁いで親元を離れたと思ったら、ユダヤ人はアナフテカの村を出なければならない状況に。もともと絶妙なバランスをもってユダヤ人とロシア人が共に暮らしていたのにも関わらず、「国からの命令」によって友達を追い出さなくてはならなくなった巡査をはじめとするロシア人。そして友達から土地を追い出されてしまうテヴィエをはじめとするユダヤ人。1905年前後のウクライナ地方を題材としているけれども、100年以上たった今でも同じ状況が世界のどこかで起きていると考えると苦しくなる。巡査が土地を出ていくように伝える場面から、ヴァイオリン弾きの姿が消えているんですよね。バランスが失われてしまった世界。

それでも希望をもってアメリカに渡ろうとするテヴィエ一家の後を追うようにヴァイオリン弾きが現れたときは、彼らはまた「バランス」をもって生きていくんだろうなぁと明るい気持ちになれた。

 

主役は流石なエンターテイナー市村さんなのでちょこちょこ遊びを入れたりして笑わせてくれる。それに鳳さんとの夫婦もコンビネーションがばっちりで笑わせてもらったww あと、三姉妹が可愛い。めちゃくちゃ可愛い。「結婚仲介の歌」の3人めちゃくちゃ可愛い。にまにまする。広瀬くんは2017年は舞台でけっこう拝見したけど、パーチック役が一番好きだなぁ。RJのティボルトやギャツビーのトムみたいな悪い系の男よりも、優しい朴訥とした青年のほうが広瀬くんの良さが出ているような。

 

当時の風習をさりげなくやっていたりするので、事前に中の人のブログを見ていて良かった。特にボトルダンスはこっちも緊張しながら見入ってしまった。ボトル固定されていないのに、あんなに踊れて凄い。そしてパンフ見て気付いたんですが、小南さんや楢木さんも出ていらしたんですね!!全然気づかなかった!!!

 

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