「ビリー・エリオット」@ACTシアター 2017/8/27
「日本人キャストでビリー・エリオットやります!」「子役はオーディションを重ねて選ばれた4人!」と大々的に発表されたときは特に興味を持っていなかったんです。(大人組に大貫さんがいると発表されたときは心動いたけど)
なんというか語弊があるかもだけど、子どもが主役の舞台って学芸会になるんじゃない?っていう恐れがどこかにあって、それに13000円を払えるか?と聞かれるとやっぱり難しい(しかもまだ幕が開いてもいないときに)。微妙な舞台であっても推しが出ているなら、「まぁ○○が観れたから…」と自分を納得させることができるけどさ。
ということで全然チケット取ろうともしていなかったわたしですが、なんで観に行ったかというとWOWOWさまのお陰です。(WOWOWは映画ではなく舞台とかを見るために契約している。あとグリブラ←)
WOWOWでビリー・エリオットのロンドン公演『ビリー・エリオット ミュージカルライブ−リトル・ダンサー−』を観たんです。最初は流し見だったんだけど、「Solidarity」で釘付けになって、最終的にはボロボロ泣きながら観ちゃって。いやぁ素晴らしかった。でもこの時点では「いうても日本人の子どもがやるんでしょ…?このクオリティは難しいっしょ?」とチケットには手を出さず。その1ヶ月後くらいかな?WOWOWでトニー賞の特番をやっていて、そこにビリー役の前田くんとマイケル役の持田くんが宣伝兼ねてパフォーマンスをしたんだが、まぁ驚いた。こんなにクオリティ高いの!?と。
そのときの動画↓
タップダンスと芝居がバラバラじゃないんだよね。台詞がお座なりになってない。これは観に行くしかないとチケット買いましたよ。本当はWOWOWに出てたペアで観たかったんだけど、自分の予定と合わず…出演者がわからないカード会社の貸切り公演を購入(値引きされてるから)。「絶対にこの人で観たい!!!」という確固とした思いがなかったので、ある種のガチャを楽しんできました。
前置きが長くなりましたが以下感想。
ビリー:山城力 、マイケル:持田唯颯、
ウィルキンソン先生:柚希礼音、お父さん:益岡徹、オルダービリー:栗山廉
観に来て良かった!!!
というのが素直な感想です。
山城力くんはトールボーイ役から5人目のビリーとして抜擢された子。縄跳びのところ引っ掛かっちゃったり、ラストの「Electricity」のアクロバットでひやっとしたところもあったんだけど、「踊りたい!!!」っていう気持ちが身体中から溢れ出ていた。まさにビリーそのもの。その煌めきと美しさに終始涙が流れていた。
なんか「ビリー・エリオット」という演目は涙腺の閾値がすごく低くなってて、だいたい泣いているという状況な私なので、「Solidarity」の最後でピルエットを美しく決めるビリーを見ただけでぶわっと泣いてしまう。
なんと言っても「Angry dance」の慟哭と激しさは目が釘つけになったし、彼の内から出てくるエネルギーの爆発にただただ圧倒された。
「Dream Ballet」はワイヤーで吊られるんだけど、腰しかついてないよね?なのにあれだけ美しい姿勢を維持できるの凄い…体幹どれほど鍛えているのだろう…。幻想的でとても美しい。
他のビリーの子たちはバレエだったりヒップホップだったり、ダンスの経験が何年もあるとのこと。だけど彼はまだ1年足らずの経験しかないのに、このクオリティー…凄い。
持田くんはちょっと生意気なマイケルをキュートに演じてて、可愛かった~!
今回凄く意外だったのが、ウィルキンソン先生役の柚希さん。観る前は島田さんだったら良いなぁと思っていたけど(前述のミュージカルライブを観たとき、ウィルキンソン先生が島田さんにしか見えなかった)、柚希さん想像以上に良かった!!芯のある強い女性で、いわゆる「女っぽさ」はいらないっていうのも役としてあってたのかな。曲の音域も合っていて、気持ちよく耳に入ってきた。
あとは何と言っても羽が似合うw 「Shine」でバレエガールズが羽を持ってウィルキンソン先生の周りをパタパタするんだけど、まぁ似合うwww そしてバレエガールズの子たちのちょっと小生意気な態度が面白くて可愛かった~。デビー可愛いよ!
お父さん役の益岡さんは優しいお父さんだった。(どこかの記事で読んだのですが)ビリーが住んでいる地域は田舎で英語のクセが強いので、日本版も方言が強い台詞にしているとのこと。稽古場の映像とかゲネの映像を見ていて、とっても強い九州弁(博多弁?)でそのときは凄く違和感を感じたのだけど、実際の舞台を見たら特に気にならなかった。語気が強い方言をセレクトしたのかな?実際に九州地方は炭鉱があったからかな?炭鉱夫たちの荒々しい感じが出ていた。
あと演出などについては訳詞の高橋亜子さんのインタビューがとっても良い内容。
幕が開いた冒頭のシーン。ビリーが教室で自分の影を踏む遊びをしていた。下を見ながらぴょんぴょんとジャンプしがら影を踏む。このときのビリーは薄暗いなか、「過去」に生きている大人と街のなかに生きていた。
それがラストのビリーがロイヤルバレエに合格して街を出ていく場面、ビリーがヘルメットを被ってヘッドライト(=電気)をつけて炭鉱夫たちに担がれているのを見て、ビリーは街の人の未来(希望)になったんだなと。そして炭鉱夫たちも自分達のヘッドライトをつけて地下に潜っていく姿を見て、彼らの行く末はわからないけど、心のなかにビリーという希望が未来への一歩を踏み出させてくれたように感じてずっと涙が流れていた。
先日またビリーエリオットを見て、いろいろ思い出したので、また訳詞の裏話を。Electricityと共に、本国のレクチャーにより、自分の解釈が大きく変わったのがThe letterでした。画像にて。ネタバレしかありません。ご注意を。
— AkoTakahashi (@Ako_Takahashi) 2017年9月6日
リピする方は是非以下の視点でも観てみてください。 pic.twitter.com/72bKh5z1pW
「The letter」は泣くしかないよね。ビリーがウィルキンソン先生に「声に出して読んで」と言ったのは、本当は母親が言葉で語りかけてくれるのをずっと待っていたからなのかな。泣くしかない。
ビリーのカテコは見ていて楽しい~。柚希さんのレアな(?)チュチュ姿を見れて、得した気分になった。踊ってくれて良かったんだよ!?むしろそこは踊ろうよ!!
この日の公演は貸し切りだったのもあって、カテコで益岡さんと柚木さんから挨拶が。益岡さんは「かけがえのない夏を…」「かけがえのない日々を過ごして…」と感極まっていて、「かけがえのない」を繰り返しお話ししていた。その後の柚木さんは、力くんが縄跳びで引っかかったことに触れて「縄跳び引っかかってたなぁ。びっくりしたなぁ」「公演前に練習してから本番を迎えるんですが、朝の稽古のときはばっちりできてたのになぁ」「しっかりできるよう準備してまいりますので、ぜひまたいらしてください」とフォローしつつの激励を飛ばすというさすがトップ様…と片鱗を見ることができた。
カテコ撮影OKだったので写真撮ってみたけど相変わらずぽんこつ。携帯の性能なのか自分の技術なのか。
他のビリーの子たちも観てみたいけど、予定が埋まっちゃってるから難しいかなぁ。WOWOWあたりで放送してくれませんかね!よろしくお願いしますよ!
この子たちのなかから、将来舞台で活躍する子が生まれそうで楽しみです。
怪我なく最後まで頑張れ~