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ただの備忘録

現場を振り返ることを枷にして記憶の定着を図る。つまりただの備忘録。

「貴婦人の訪問 THE VISIT」@シアター1010 2016/11/3

ミュージカル

見てきました~!

プレビュー公演初日。エリザベートでの涼風ゾフィーがあまりにも美しくて強くて、他の作品も見てみたい!ということでチケット購入。本当はクリエのチケットを取っていたのですが、どうにも仕事で行けそうにないということでギリギリで本公演のチケットを譲っていただきました。

 

涼風クレアが美しくて強くて気高いこと…!!!涼風さんの歌声、本当に好きだわ。そして山口さん、今井さん、石井さん、今さん、中村さんという実力派揃いで耳が心地よいこと心地よいこと。

大富豪となって故郷に戻ってきたクレアが、財政破綻寸前のギュレンの人々に20億ユーロを与えるかわりに、かつての恋人アルフレッドの死を求めるという前振りなんですが、これだけ聞くとクレアってどんだけ悪い女なんや…って思ってたんですよ。なぜ故郷に戻ってきたのか、なぜそんな無理難題をふっかけるのか、っていうのを紐解きながら話が進んでいくんですが……

※以下ネタバレしてるかもよー

 

 

ほんっとアルフレッドがクズ男!!!思わず口が悪くなっちゃうくらい、クズ男なんですよ!!!

 

「友人の死」と「莫大なお金」、「正義」と「過去の罪」を天秤にかけて、どちらを選ぶのか?と観客側も考えさせられるんですが、山口さんが頼りなさげに、周りに命を狙われていると思い込んでてんてこまいに逃げ惑う男の姿をコミカルに演じていて、"楽しめる"エンターテインメントに昇華しているなぁと思った。アルフレッドを愚直に、真面目に演じるだけでは、クレアだけでなく観客の憎しみも一身に受けるだけ。だってクズなんだもん(※詳細は観劇して確認してください)。それをギリギリ「ダメ男」のラインに乗せて、「この人はダメな人なんだけど、愛されている人なんです…!><」ってアルフレッドの妻マルチデと同じ気持ちにさせてくる塩梅が絶妙。凄いなぁ。

 

クレアがアルフレッドに「返して 私を」と強い口調で歌うんですが、(↓プロモーション映像にもある歌)

www.youtube.com

なぜクレアがここまでアルフレッドを憎んでいるのか、この場面のときはわからないんです。この歌は 彼女の魂の叫びだったんですね…。 

クレアはこの街で「クレア」を失った。冒頭、クレアが故郷に戻ってきたときに「この街は変わってないわね」と言い捨てるんですが、彼女の過去を知ると意味がわかる。汚い言葉を浴びせて街から彼女を追い出したギュレンの人たち。それが大富豪となったとしるや「ようこそ!故郷へ!」と大歓迎。唯一過去のことを気にかけていたアルフレッドも「昔のことは忘れてるよ」という友人の言葉を鵜呑みにする。この街の人たちの浅はかさときたら…!!自分たちがしたことの重大さに気付いていない。

 「正義」

街の人々は自分たちの「正義」に従って、決断を下した。アルフレッドの子供、そして妻のマルチデも。この家族の決断はちょっと衝撃的だった。クレアも最初はアルフレッドの死を求めることが自分の正義と言っていたし、「死んでも許さない」とアルフレッドを突き放してたけど、最後の最後でその正義が誤っていたことに気付いた。いや、正義より愛が勝ったのかな?

ラストの場面の街の人は苦悶の欠片はなく、自分達の「正義」に一点の曇りもないという表情だった。そしてちょっと笑みを浮かべていた?瀬名さん演じるマルチデはただ空を見つめていた。その様子が怖かった。

 

全然ハッピーエンドではないけど、最後まで楽しめたのはやっぱり音楽と演者さんたちの歌が良いからだろうなぁ。あーCD出ないかな…とても私の好みの音楽だった!

 

そして結末を知った上でもう一度見たいという欲が出てきているので、おそらくまた観に行きます…。だけど11月で空いてる日があと1日くらいしかない…行けるのか…いや、行く…。

 

あ、パンフレットのインタビューで「もし20億ユーロが手に入ったら何をしますか?」って言う質問に対する瀬名さんの答えが素直すぎて声に出して笑っちゃったので、気になる人はぜひ(笑)