ただの備忘録

未来の自分に贈る、舞台の記憶と感想

「ミュージカル「黒執事」-Tango on the Campania-」@ACTシアター 2018/1/13マチネ

1年ぶりの黒執事。去年のサーカス編は色んな事に殴られて受け入れるまでに時間がかかったのでビクビクしながら行きましたが、凄く良くまとまっていて1回だけの観劇だったけど楽しかった~!と満足度高し。演出と脚本が違うとこうも違うのか。あと去年はTDCは音響と座席に痛めつけられたけど、ACTはサイドでも見やすくてやっぱり快適(ロビー狭いけど)。

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脚本:Two hats Ltd.

演出:児玉明子

作詞:Two hats Ltd.、新良エツ子

www.namashitsuji.jp

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ちなみに原作漫画は未読。リコリス編は舞台をWOWOWで、サーカス編は観劇済み&アニメ版をWOWOWで視聴済み、という感じ(WOWOW様様です)。リコリスとサーカスは観ておいて良かった!劇中である程度説明はしてくれているけど、初見だとちょっと関係性が難しいかも。

 

以下、ネタバレしてるかも。  

 

とにもかくにも古川セバスの美しさよ!!相変わらずのスタイルお化け。立ち姿を観て「足長ぇなこの人」、回し蹴りするたびに「足長ぇなこの人」と頭悪い感想を合間合間に挟んでいた。あと蓮生くんも着実にスタイルお化けに成長していて震えた。え、足だけ伸びるって可能なの?私が認識しているキッズの頭身じゃないんだけど??観劇中、足が長すぎて本当に同じ人間なのかなと何度も不思議な気持ちになっていた。

サーカス編は(TDCの音響の悪さもあって)歌詞が聞きりずらくて雰囲気だけ感じていたけど、豪華客船編は歌詞がちゃんとわかるように作られていて、作詞って大事だね、と改めて感じた。あと古川くんの歌だけ1人なんか難しい曲じゃなかったですか?「歌うまくなってる…」と驚いた。以前は高音の部分が苦しそうだなと感じていたけど、しっかり歌いあげていた。一緒にいた友達に「古川くん、歌うまくなってない??前見たのってなんだっけ?ロミジュリ?」と聞いたら、「ベスだよ」と教えてくれました。そうだった!なんかベスのことすっかり頭から抜けてた!!ごめんよ、フェリペ王子。ベスからそんなに日が経っていないのに、凄くうまくなってる気がするぞ。軽率にM!のチケット増やしたくなった。

 

今回は出演者に秋園さんがいる時点で「本当に2.5??豪華すぎない??」と驚いたけど、美しいしかっこいいしで、娘役なのに男役…!!と1度で2度美味しい感じでした。でもせっかく秋園さんをキャスティングしているなら、ソロ1曲欲しかった…ミッドフォードの歌+αだけとか勿体なさすぎやで…。

アンサンブルの岡崎さんは出てきた瞬間に一発でわかったwwいい意味で存在感があるwwゾンビの群舞のときは残念ながら見分けることができなかった…わたしもまだまだですね…。

 

生執事は回想場面が1つの見せ場になっていると思っていて(リコリスはAKANEさん、サーカスは小手さん)、豪華客船編ではリジー役の百々子ちゃんがそれを担っていましたが、めちゃくちゃ良かった!!!"守られる存在"として生きてきたけど、"守る側"になったときの強いリジーがかっこよくて愛しくて好き!!!あとシエル役の蓮生くんとの身長差が絶妙すぎる。

1幕で見せ場の回想が入ってきていたので、2幕の見せ場どうなるの??と思ったら、アンダーテイカーお前…!!と素直に話の展開に驚きました。そして観劇後、友人から「和泉さん40歳だよ」と聞いて2度驚き。まじか。

 

箇条書きの感想。時系列むちゃくちゃです。

・ドルイット子爵のヨイショ曲には笑ったww嫌々ながらも踊るセバス、シエル、グレルがシュールで面白かったww

・セバスのシネマティックレコード。"偽物"から"本物"に成長していく回想シーン。偽物の時の古川セバスの「…クソガキ」などの暴言最高ですね。しかしここの演出、映像を挟む必要あったのかな…?と感じてしまった。リジーの回想場面とかは映像をうまく使っていると思ったけど。

・客席後方から赤い幕がさーーーっと流れ込む演出には驚いた!わたしは1階サイド席だったので赤い幕の下に入ることはできなかったけど、センター席だと一瞬視界が赤一色になるんですよね?味わえた方、羨ましい!

黒執事は2.5でも屈指の人気コンテンツなんだろうなぁというのを、衣装のクオリティで実感。あとグッズ列。

 

S席9000円でこのクオリティならお釣り出る。しかし、古川くんのセバスは今回がラストかな?言うてもM!で帝劇主演ですからね…。キャリア的に考えたらね…。

  

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2.5界隈は円盤化が約束されているの、めちゃくちゃ羨ましい。しかもDVDじゃなくBlu-Ray東宝ホリプロも遠慮せずバンバン円盤化しよう!それで集客減ることなんてないんだからな!!(圧)

  

「アテネのタイモン」@兵庫県立芸術文化センター 2018/1/7、1/8マチネ・ソワレ(千穐楽)

明けましておめでとうございます!ってずいぶん経ってしまいましたね。気付いたら2月でした。私の2018年観劇初めは兵庫に遠征してのアテネのタイモン。兵庫県立芸術文化センターは初めて伺いましたが、梅田からのアクセスも良く(特急で10分ちょっと)、徒歩3分くらいのところに阪急百貨店もあるので食事にも困らずで周辺環境ばっちり。劇場自体も綺麗でしたが、ホワイエはさい芸を一回り小さくした感じかな?座る場所はさい芸より少ないので幕間の居場所にちょいと困る感じ。1つ物申したいのが、なぜさい芸よりも3000円値上がり?('ω') 君は博多座か?博多座なのかい??(お前)

 

公演も終わったので気にせずネタバレ。

演出面での変更は追放の場面が大きかったかな。さい芸ではC~D列とQ~R列の横通路を使ってお芝居していましたが、兵庫では横通路がないため基本的に縦通路と舞台前の通路のみ。そして舞台前の通路で客席を向いての演技になったので非常に見やすかった。あと2幕の森の場面とかは「その日に生まれる芝居」で見応えがあった。

 

5分前着席が通常運転の私ですが、タイモンに限っては10分前には着席する仕様に。鋼太郎さんが「頑張ります」「千穐楽ですね」、と小さくガッツポーズしながら挨拶する姿が可愛いかったw

冒頭のワルツは柿澤さんの身のこなしに釘付けになる。 しかし、千穐楽の日は上手前方席だったのですが谷田さんが上手側で踊っている姿を発見してしまい、柿澤さんを観つつも谷田さんの姿もチラチラ確認してしまった。 めちゃくちゃ男前~目の保養~~。

 

全体的な感想はさいたま公演でしているので、気づいた点などなど。

ちなみにさいたまの感想↓ 

ta-ma27.hatenablog.com

 

柿アルシバイアディーズはさいたまよりも、なんかちょっと大人になってた(?)ような気がした。さいたまのときは客席後方の通路でこれでもかというくらい「どうしてもだめかぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」と仰け反りながら叫んでいたので血の気盛んな若者という印象のほかに、自分の要望が通らなくてぶちギレる子供のような印象もあるなぁと感じていた。それが、中ホールだと縦通路での演出で少し遠慮したのかどうかは不明だけど、さいたまより少し抑えての(少なくともさいたまほど仰け反りかえってはいない)「どうしてもだめかぁぁぁ!!!」で、子供っぽさが薄れていたので個人的に追放の場面は兵庫の方が好き。

 

前楽。二幕の森でタイモンと遭遇しての「害を与えたか」のところ、さいたまは二人とも立ったままの芝居だったけど、兵庫では座り込んでいるタイモンと目線を合わせるべくしゃがみこんで問う柿アルシバ。この日はやけに顔を近づけて問いかけていると思ったら、タイモンがアルシバにキスをして、思わず顔を横にずらしていた(けど、タイモンの口が頬を撫でる結果に)。前楽なのに色々やってくれるな…!「親愛の意味をこめてされるキスも、場合によっては嫌だろ?」っていうことをアルシバに実感させようとしたのかな?考えすぎ?

そして一番の衝撃は盗賊を撃ったあとに、自分の口に銃口を入れるタイモン。ご覧になった方は分かると思うんですが、銃身が長いやつなのでかなり無理がある体勢。さすがに引き金は引かなかったけど(それをしたら話が変わる)、「……どういうこと!?何を意味しているの…?」と混乱。幕間にひたすら考えたのだけど、"盗賊の命を奪ったタイモン自身も、また別のものに命を奪われる存在である"、ということを表していたのかな…?

柿アルシバ、アテネに進軍して手袋を投げるところがとても悔しそうだった。

 

千穐楽。鋼太郎さんの暴れっぷりが今まで見たなかで一番だったw 一幕ラストの晩餐も普段より2-3人多く蹴ったり殴ったり。

追放の場面で舞台に上がったあと、腸煮えくり返ったアルシバが唾を吐き出していてかっこよかった(語彙力) 何て言うんですかね、殴られて口の中を切ったから血をペッと吐き出す感じ。マントの翻し方も勇ましくて美しい。

2幕の森のなかでアルシバの軍と遭遇する場面。タイモンはアルシバの頬に手を触れて「優しくしたじゃないか」。「誉めたじゃないか」ではなかった。敢えて変えてきた…??「優しくしていなかったアペマンタスこそ自分の味方だった」「アルシバは優しくしてくれた」とタイモンは認識していたのか。

花梨の実を2回投げつけるアペマンタスには笑ってしまったwwてっきり2つ鞄の中に忍ばせていたのかと思ったけど、どうやら花梨の実を投げたら跳ね返って、また鞄の中に入ったっぽい。ミラクル。あとパンを思いっきり客席に投げるタイモンにも笑ったw後方席までパンが飛んでった~

千穐楽銃口を口に入れたりするのかとドキドキしながら待ち構えたけど、これまで通り、じっと天を見つめていた。

 

さいたま公演からラストのタイモンの表情がどういうものなのかがわからなくて、あれだけ呪詛のような言葉を吐き出していた人の最期は一体どういう心境なのだろうか?とぐるぐるしていた(翻訳本にもタイモンの最期の描写はない)。だけど前楽の銃の流れを観て、あのタイモンの最後の場面も、タイモンには恐怖や怒りや悲しみもなく、ただ神という大きな存在に命を奪われるという宿命を受け入れていた、ということなのかなぁという考えに至った。

  

・鋼太郎さん:千穐楽挨拶(ニュアンス) 

千穐楽に2回公演。どういうことかと思ったら追加公演ということのようです。足をお運びいただきありがとうございました。正月早々に唾を掛け合ったり、妻は不倫しろだ、子供たちは親に歯向かえなど相応しくないことを言っておりましたが、故蜷川幸雄も生前「シェイクスピアは激しくなければならない。激しさのなかから見えてくるものがある」と言っていました。その言葉を胸に、シェイクスピアシリーズ復帰の第一段として取り組みました。皆様には盛り立ていただき、誠にありがとうございました。来年は新しいシェイクスピア作品に取り組みますのでそちらもどうぞよろしくお願いいたします。

挨拶の途中で「新幹線の時間あるんだけど大丈夫ですかね?(笑) 僕たちも帰らなきゃいけないから」とも仰ってて、演者の皆さん無事乗れるのかこっちも心配してしまったw

最後、両手お手降りしつつぴょんぴょん跳ねながら捌けていった柿澤さんがめちゃくちゃ可愛かった。最後の最後はジャンプしながら右手で何かを掴むような感じで。

 

柿澤さんのがっつりストプレ演目観劇が初めてだったのと柿澤さんのミュージカルが大好きなのもあって、観劇前はストプレで満足できるのだろうかとちょっと不安に感じていたのだけど、想像以上に面白くて満足度も高くて最高でした。やっぱりわたしは柿澤さんの「芝居」が好きなんだなぁと。蜷川組の皆様とのお稽古~本番がものすごく充実していたようで何よりです!(逆に今のメリポピ稽古期間中の柿澤さんの発信が少なすぎて心配してるw)

シェイクスピアシリーズは過去DVD化されているということなので、全力で円盤化を待っています。だけど今回はDVDじゃなくてWOWOWだったりするのかな…?(初日にWOWOWと日テレの取材カメラが入ってた) どっちにしても映像化を!!!どうぞ!!!!よろしくお願い!!!!!します!!!!!

 

 

 

皆さん怪我なく千穐楽を迎えられて良かった!お疲れさまでした!!

「マタ・ハリ」@東京国際フォーラム 2018/2/3マチネ

ワイルドホーン全開の曲を歌いあげる役者!美しい柚希さんのマタ・ハリ!目も耳も楽しめた~~!!!

加藤くんはアルマンとラドゥーの2役を役替わり、かつアルマン・ラドゥー・ピエールがそれぞれWキャスト。なのに公演期間が2週間。み、短い…!!頭悩ませながらチケット取った。ちなみに初日の組み合わせは東京公演で1回きり。

 

・2/3マチネ:アルマン:加藤和樹、ラドゥー:佐藤隆紀、ピエール:西川大貴


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脚本:アイヴァン・メンチェル、作曲:フランク・ワイルドホーン、歌詞:ジャック・マーフィー、オリジナル編曲・オーケストレーション:ジェイソン・ホーランド、訳詞・翻訳・演出:石丸さち子

マタ・ハリ:柚希礼音、パンルヴェ栗原英雄、アンナ:和音美桜、ヴォン・ビッシング:福井晶一

www.umegei.com

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国フォのB席って個人的にあまりいい思い出がなくて、2016年スカピンもB席だったんだけど、「あっちの方でお芝居やってる」というか、お芝居の"密度"が3階一番後ろまで届いていなかったように感じてしまって。それでもお財布事情から今回もB席を取らざるを得なかったんだけど、とっても良かった!ワイルドホーンの曲ってこうだよね!!!!と興奮しまくってた。

冒頭のアンサンブルの曲、歌声が変に響いて全然歌詞が聞き取れなかったのは音響のせいです?(それ以降は気にならなくなった)。う~ん、聞き取れなかったの悔しい。

 

暗い世界に炎のような輝きを放つ柚希さん演じるマタハリの美しさよ。引き締まったウエストから背中のラインが美しいし、手足も長いからオリエンタルな衣装が映える映える。そして「寺院の踊り」の素晴らしいこと。

マタ・ハリは(略)自分もシバ神にダンスを捧げるようになったといいます。そこから始まった踊りですから、彼女にとってそれは、聖なるものであり救いとなるもの。 

パンフレットでの柚希さんの言葉。そう!そうなんですよ!!衣装の露出が多いから、妖艶な踊りなのかな?とイメージしていたんですが、男性に媚びるようなものではなく、むしろとても神々しい。ヅカ出身の役者さんって皆さん姿勢が美しいけど、柚希さんも肢体の使い方が美しい。I字になるところとか惚れ惚れしちゃった。こちらの動画の冒頭の踊りですね↓

 

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ビリーエリオットのウィルキンソン先生役で柚希さんは一度拝見していたのですが、失礼ながらワイルドホーン氏の難易度の高い曲たちをここまで歌えるとは思っておりませんでした(ごめんなさい、殴らないでください)。1人の女性として強く生きる姿が本当に美しかった。2幕ラストの歌を歌いきった後、客席から大きな拍手が送られたけど、それがピタッと止まって暗転してからブワーーーっとより大きな拍手が巻き起こってた。わたしもそうなった。

 

加藤くんはほんとに傷だらけで地面を這う姿が似合う(誉めてる)。キラキラした青年からズタボロになる姿まで楽しめます。加藤くんは観るたびに歌がうまくなってる気がするぞ。加藤くんの感想がこれだけで大変申し訳ないのですが、今回何といってもシュガーが最高すぎて震える。シュガーって歌うまいじゃないっすか。やっぱり歌うまいんですよ。歌っていないときの声も最高。良い声。シュガー大佐に惚れない人いる??はぁぁぁぁぁぁほんっと歌うまい。ワイルドホーン歌うシュガー堪んねぇ。「TEN THOUSAND(一万の命)」最高。

そんな2人が歌で殴り合う曲があるんですよ。「MAN TO MAN(2人の男)」っていうんですけど、最高なので皆さんぜひ観に行ってください。シュガーの声量に加藤くんが負けていなかったのが凄い。

ゲネの映像にこの曲がなかったので韓国ver.探しちゃったよ。

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韓ミュのPV映像~~。凄いよね、ミュージカルの曲でPV作っちゃうんだよ?東宝もやろうか(どさくさ)。このPV映像より、生で聴くほうがめちゃめちゃいいです。ワイルドホーンの楽曲の圧をみんな生で感じてくれ。

 

脇を固める役者さんも歌える人ばかり。和音さんも福井さんもめちゃくちゃ良い~~。福井さんの「TO CATCH A SPY(捕まえろスパイを)」かっこいい。あとめちゃくちゃダンスが上手い人がいるなと思ったら乾さん!!どうりで目が追っちゃうわけだ。あと遠山さんは遠くからでも一発でわかるお顔の濃さ。

 

初日はカテコ写真OKだったので撮ってみたけど、3階席&私の携帯の限界がこれなので雰囲気だけ。ワイルドホーン氏とメンチェル氏も観劇していたので、カテコで登壇してご挨拶してくれました。 


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最後にちょっと演出について(ネタバレあるよ)

 

・フランス、ドイツと場面が変わるときに、それぞれの国旗のカーテン(?)で表していたのがムムム。そこは国旗がなくても観客は分かるんじゃないかな?軍服の色も違うし…もっと観客を信頼してくれ~~と思ってしまった。

・ピエールを諭して、自らもパイロットとして戦地に赴くアルマン。…の後ろでセットにプロペラつけて主翼が脇からでてきて合体。戦闘機の出来上がり!いやいやいやいや、それはなくてもいいと思います…!!妙にリアルなセットを組むと逆に安っぽく見えちゃう気がする。あそこは観客に想像させる演出にしてほしかったなぁ。

・マタのお家の屋上として使っていた高く組み上げたセットの上でアンサンブルの人が常駐(言い方)していたんだけど、3階席だとよく見えなくて残念だった。でも戦場の場面では戦死した兵士、日常の場面では佇む青年と場面場面に表していたのかな?

・ラドゥーの家にマタが訪ねてくる場面。マタに迫っているところを、扉の向こうから見てしまう妻。そして三下り半をつきつける妻。ここ、すごく2時間サスペンスドラマだったw 「ラドゥー、後ろ後ろ!」って頭の中で声かけちゃって、マタとラドゥーに集中できなかったww

 

 

役替わりであと2回観劇予定。加藤くんのラドゥーがどんな感じになるか楽しみ~~!

「屋根の上のヴァイオリン弾き」@日生劇場 2017/12/17

名前は知っていたけど、どんな内容かは知らない作品の一つでしたが、実咲さん、さあや、ふうかちゃんの三姉妹が気になっていたので、友人に誘われ行って参りました。繰り返し再演されている作品でもあるので、多少は基礎知識を入れた方がよいのかなと思って公式ブログの「屋根で考えてみた」シリーズをチェックしてから臨みました。(見てから観劇することをお勧めします~) 

 

ameblo.jp

 

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演出:寺﨑秀臣

出演者:

テヴィエ : 市村正親、ゴールデ : 鳳 蘭、ツァイテル : 実咲凜音、ホーデル : 神田沙也加、チャヴァ : 唯月ふうか、モーテル : 入野自由、パーチック : 広瀬友祐、フョートカ : 神田恭兵、ラザール : 今井清隆

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初心者あるあるかと思うんですが、市村さんがヴァイオリン弾きであるもんだと思っていました。が、中の人のブログにあるように、ヴァイオリン弾きは「バランス」の象徴。

アナフテカのユダヤ人はみんな、屋根の上のヴァイオリン弾きみたいなもんだ。落っこちてクビをおらないよう気をつけながら、愉快で素朴な調べをかき鳴らそうとしている。(略)じゃ、なぜそんな危ない場所に住んでるのか?それはアナテフカが俺たちの生まれ故郷だからさ。じゃ、どうやってバランスをとっているか?一言で言えばしきたり、……しきたりだ! 

(パンフレットより抜粋)

 

単なる家族愛のお話なのかなと思ったら、「土地を追われる者・追う者」という社会的な一面もある作品でした。

ロシアの人たちがツァイテルとモーテルの結婚式に乱入してくる場面。神田恭兵さん演ずるフョートカが1人葛藤を抱えながら道を下ってくる姿に胸が苦しくなった。形だけでも荒らさなければならないフョートカとそれを目の当たりにするチャバ、幸せな結婚式が一気に殺伐とした場になっていく様が悲しくて悲しくて堪らなかった。3姉妹が(紆余曲折ありながらも)それぞれ嫁いで親元を離れたと思ったら、ユダヤ人はアナフテカの村を出なければならない状況に。もともと絶妙なバランスをもってユダヤ人とロシア人が共に暮らしていたのにも関わらず、「国からの命令」によって友達を追い出さなくてはならなくなった巡査をはじめとするロシア人。そして友達から土地を追い出されてしまうテヴィエをはじめとするユダヤ人。1905年前後のウクライナ地方を題材としているけれども、100年以上たった今でも同じ状況が世界のどこかで起きていると考えると苦しくなる。巡査が土地を出ていくように伝える場面から、ヴァイオリン弾きの姿が消えているんですよね。バランスが失われてしまった世界。

それでも希望をもってアメリカに渡ろうとするテヴィエ一家の後を追うようにヴァイオリン弾きが現れたときは、彼らはまた「バランス」をもって生きていくんだろうなぁと明るい気持ちになれた。

 

主役は流石なエンターテイナー市村さんなのでちょこちょこ遊びを入れたりして笑わせてくれる。それに鳳さんとの夫婦もコンビネーションがばっちりで笑わせてもらったww あと、三姉妹が可愛い。めちゃくちゃ可愛い。「結婚仲介の歌」の3人めちゃくちゃ可愛い。にまにまする。広瀬くんは2017年は舞台でけっこう拝見したけど、パーチック役が一番好きだなぁ。RJのティボルトやギャツビーのトムみたいな悪い系の男よりも、優しい朴訥とした青年のほうが広瀬くんの良さが出ているような。

 

当時の風習をさりげなくやっていたりするので、事前に中の人のブログを見ていて良かった。特にボトルダンスはこっちも緊張しながら見入ってしまった。ボトル固定されていないのに、あんなに踊れて凄い。そしてパンフ見て気付いたんですが、小南さんや楢木さんも出ていらしたんですね!!全然気づかなかった!!!

 

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「アテネのタイモン」@彩の国さいたま芸術劇場 2017

舞台が発表された時にそうそうたる面子に慄いたけど、トレーラーが公開されたときはテンションだだ上がった。柿アルシバイアディーズ、にやって笑うとか…!!!!衣装もおたくホイホイじゃないか!!!くそ!!!!!好き!!!!!! 

 

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シェイクスピアは難しいという先入観があったので、今回翻訳を担当した松岡和子さん訳の本を購入。 発売直後に書店で購入したときは、舞台のビジュアルが入った帯がついていた。

本を読んだ感想としては「舞台でやって面白くなるんだろうか…理解できるのな…」という不安。あらすじにある通り、お金持ちのタイモンが自分の財産を分け与えて続けた結果破産。友達と信じていた人たちに見捨てられ、人を恨みながら森で隠遁する。そして死ぬ。というストーリー(めちゃくちゃざっくり)。

 

さいたま公演は12/15(初日)、12/16ソワレ、12/23マチネ、12/26ソワレの計4回観劇。千穐楽も行きたかったけど、仕事が納まるかどうかという佳境に入っているこのくそ忙しい時期に休めないのは最初から分かっていたので、26ソワレをmy楽に。この日は収録カメラが入っていたけど、DVDにしてくれるのかしら?買うよ??ホリプロさま売ってくださいね??(圧)

 

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演出:吉田鋼太郎

出演:吉田鋼太郎藤原竜也柿澤勇人横田栄司
大石継太、間宮啓行、谷田 歩、河内大和、飯田邦博、新川將人、塚本幸男、二反田雅澄、他

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以下、ネタバレ。

まず驚いたのが、開演10分前くらいから演者が舞台上でアップを始めているというシステム。初日はゲネプロが終わったばかりなのかと思ってしまったw スッと入ってくる横田さん、ぴょんぴょん跳ねながら入る柿澤さん、最後にのそっと入ってくる藤原くんと観ていて面白かったww 鋼太郎さんは「寒くないですか?」とか前方席の方々に言葉をかけながら入って、「頑張ります」って小さくガッツポーズをしているのが可愛かった。

こんな感じのガッツポーズ

 

幕開けはワルツ。どうしても目が柿澤さんを追ってしまう~。前方席で観劇した時、相手の女性と会話していたけどそれが台詞なのか単なる会話なのか(感覚的には後者だったw)。

タイモン邸での晩餐は「最後の晩餐」を模していて、横1列に12人が席に着いて食事をしている。スローモーションになるところはほぼ最後の晩餐の絵と同じ構図になっていた(はず)。最後の晩餐ではヨハネにあたる位置(タイモンの右隣)に座っているのがアルシバイアディーズなのですが、「十二使徒とのうち最も年少」で、聖書では「イエスのすぐ隣には、弟子たちの一人で、イエスの愛しておられたものが食事の席に着いていた。」と記されているとのこと(Wiki+α調べ)。悲しいかな、アルシバイアディーズはタイモンのことを1人の人間として敬愛しているけど、タイモンにとってアルシバは憎むべき人間の1人なんですよね。と、Wikiの出典を調べていたら同じヨハネによる福音書にこんな記載も。「『わたしのパンを食べているものが、わたしに逆らった』という聖書の言葉は実現しなければならない」(13章18節) この晩餐会、「お流れをこちらにも!」とタイモンが自分のパンやワインを分け与えている演出になっていたけど、これは分け与えた人たちに裏切られるという未来を暗示していたのかなぁ(唯一アペマンタスはタイモン邸の食事はとっていない)。

 

お金の用立てをお願いしに遣いの者がそれぞれ友人(と思っている人)たちの家を訪ねるのだけど、三者三様の断り方が面白かった。お風呂の最中に立ち上がった瞬間にお花で隠すとかwww そうそうちょっと気になった役者さんがおりまして、ルーカラス役の谷田さん。めちゃめちゃかっこよくて色っぽくないっすか???アウトレイジ出てましたよね??(完全にイメージ)(アウトレイジ見ていません←) アウトレイジに出てきそうな威圧感最高でした。本にも出てきた「ララララ」をどう処理するのか気になっていたのですが、ちゃんとラララしてたw

 

客席での演出があるっていうのは事前に知っていたんだけど、こんなにも使うとは思っていなかった!!!特に柿澤さんのアルシバイアディーズ追放の場面。ぐるぐる回ってる。2周くらいしてるんじゃなかろうか。有難いことに前方の席に入ったとき、通路側に近くて見上げるようにお芝居を観ることができて迫力にビリビリした。あと噂通り良い匂いがしたw 翻訳本あとがきにもあるように、アルシバイアディーズの背景とか人物像とかがあまり書かれていないので、「なぜそんなにタイモンを助けようとした?」という疑問が本を読んだときも感じていて。それは芝居になっても拭いきれないところはあるのだけど、アルシバイアディーズとタイモンが出会うときの柿アルシバの本当に嬉しそうな顔つきとか、晩餐会のときにお金と女ではなくタイモン自身に敬意を表しているところから、将軍として名を成したタイモンを一軍人として尊敬していて、元老院の仕打ちは軍人を陥れるように感じて耐え切れなかった、というところなのかな。いやぁそれにしても柿アルシバの追放の場面の迫力は凄い。D列(?)の2席を客入れずにそこに立ち上がれるようにしていた。ただ前方席だと左右振り返ってみなければならないので観づらい。どこがベスポジなのかなぁと考えてみたものの、中~後列だと主に背中を見ることになるし、前列だと振り返らなければならないしで、まぁ結局「自分がどう見たいか」によりますね(‘ω’) 

 

演出では赤色が印象的に使われていた。タイモン邸の前で遣いの者が真っ赤な証文(借金の証書)を掲げて押しかける場面、タイモンがその証文を受け取ってばらまく様子は彼の体から噴き出す血のようにも見えた。最後の晩餐のときの大暴れは手加減一切なし。椅子を投げたり机をひっくり返したり。初日は投げた椅子が板の上で止まらなくてそのまま客席にダイブしそうになっててひやひやしたw「心の底からの怒り」というのを目の当たりにしてぞわぞわした。赤い証文が舞い落ちる様はタイモンの怒りであり燃え上がる邸。それが徐々に落ち葉に変わっていくのは燃え落ちるタイモン邸、腐敗したアテネであり、2幕の森の場面への繋ぎとなっていて美しかった。富栄えていた時の「白」から、裏切られた時の「赤」、そして人間を忌み嫌った時の「黒(こげ茶?)」と視覚的にも明確に移り変わっていった。タイモンは変わっていくけど、周りの人は一切変わっていないのも面白い。アペマンタスは最初から「黒(こげ茶)」、アルシバイアディーズは「赤」。執事のフレヴィアスは「白」かな?

  

2幕はタイモンと各役者のガチンコ勝負といったところ。特にアペマンタスとの応酬。お互い罵りあいながら、唾を相手の顔に吐きかけながら(リアルに)で客席からも「えぇぇ…」と声が漏れてしまうほどw でもちょこちょこ面白い箇所を作っていて、パンを客席に投げたり、花梨の実を藤原くんが顔の横に持ってきたりw それでもちゃんとすぐに真面目な流れに持っていけるのは流石。執事のフレヴィアスとの場面は涙が出そうになった。タイモンは友情を信じて他人に財産を分け与えていたけど、主従の関係にある執事や召使たちはお金の関係で成り立っているから自分をこんなにも慕っていることに気付けていなかったのが寂しい。フレヴィアスが元老院の人を連れてきたとき、タイモンが彫った墓碑の文字をじっと見つめてからその場を立ち去る後姿が辛くて悲しくて。きっとフレヴィアスはもうこの森には足を踏み入れないんだろうなぁと思った。

翻訳本に書かれていない場面で特に大きな違いがあるところが2か所気になっていて、そのうちの1つがタイモンとアペマンタスの2人が「悪党!」「けだもの!」と言い合った後に、タイモンがアペマンタスを掻き抱く場面。本ではそのまま別れているけど、タイモンは人間を信じたかった思いが捨てきれなかったのか。。。あの場面は苦しくなる。そして2つ目は盗賊が改心した後に撃ち殺す場面。初日に見たときはびっくりした。確かに本を読んだ時も「そんな綺麗な話あるかね…」と思ったところでもあったので、タイモンの話の流れとして納得がいった。盗賊たちが足を洗うと言ったときに客席からはくすくす笑い声も聞こえたけど、タイモンが撃ち殺した後さーーーっと静けさに包まれたのにはゾクゾクした。

 

最後のアルシバイアディーズがアテネに進軍してくる場面。元老院の「何か君の名誉のしるしを投げてくれ」に対して、初日はマントを外してその場に落としていたんですが、2日目以降は翻訳本通りに手袋を外していた。その手袋の外し方がさぁ、口で咥えて外してくれるんですよ??ありがとうございますですよ。記憶が怪しい部分もあるんだけど、初日は森でタイモンと遭遇するときから手袋をしていなかったような気がしていて、元老院の問いかけも手袋ではなくて「君のマントか、あるいは何か君の名誉のしるし~」と台詞を言っていたような。。。記憶をねつ造しているかもしれないけど…。演出を変えたのか、ただ単に初日は手袋忘れたか。個人的には手袋のほうが好きなので良いのですがね!

 

美術は秋山光洋さん。特に目を引き付けられたのが、赤い証文が山積みになった部屋のセット。芸術作品のように美しくて、赤色が強烈だった。

 

蜷川さん演出の舞台を観たことがないので、鋼太郎さんの演出がどう違ってどこが同じかっていうのは分からないんだけど、作品として面白くて「シェイクスピアって難しい」という先入観を壊してくれたのはとてもありがたかった。

叫ぶ場面が多いので、演者の皆様におかれましては喉のケアに十分お気を付けくださいませ…。しっかし柿澤さんはほんとに喉が強いなぁと。公演折り返しても掠れない、潰れない。驕らずちゃんとケアしてくださいな…!!

 

兵庫公演も楽しみじゃ~

 


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2017年現場振り返り

明けましておめでとうございます。2017年の観劇納めは「アテネのタイモン」で無事に済ませました。めちゃくちゃあっという間に過ぎ去った1年。フランケンとか真悟とか、遠い昔のように感じるけどまだ1年も経っていないんですよね。濃い1年だった。ということで振り返り。

 

●「フランケンシュタイン」(6)

沼でした。Wキャストの面白さを実感した作品。あきかず、あきこに、かきかず、かきこに、4組み合わせを観ることができて本当に良かった。私の体がもっと空いていたらチケット足していたよ!それでも我慢できずに愛知芸術劇場の大千穐楽公演を観に行ったけど、行って良かった。あのカテコの景色は忘れられない…思いが強すぎて大千穐楽公演の感想をまとめることができなかったのが悔やまれる。成仏させたいとは思っているのだけど。

 

●「わたしは真悟

成河さんって何者…「運動は不得意」と仰っていたけど、どうしても信じられない。

 

●「キャバレー」

まさみ可愛かった。石丸さん歌うま。演出の一部が私の好みではなかったのだけど、まさみの魅力は十分に発揮できたのではないだろうか(何者)

 

●「ロミオ&ジュリエット」(16)

今年一番通った演目はロミジュリでした('ω') 組み合わせが何通りにもなるから、毎度飽きることなく楽しめた(ロミオはほぼ固定だったけど)。矢崎くん、馬場くんという素敵な役者さんにも出会えました~。「神父さまのメール見てないの!?」っていう台詞は絶対変えた方がいいと思います!!!(Toイケコ)

 

月組「グランドホテル」

ちゃぴさんのグルーシンスカヤが非常に魅力的で、私が抱いていた宝塚の娘役さんの印象が変わった作品。みや様のオットー可愛かった…

 

●「令嬢ジュリー

う~ん、難しかった…!!!というのが正直なところ。しろたんは美しかったです。

 

●「髑髏城の七人 season花」(3)

グルグル劇場幕開け。成河さん何者…(2回目)

 

●「紳士のための愛と殺人の手引き」(6)

大好き!!!コメディなんだけど笑いに走りすぎず、楽曲も難易度が高くて聞き応えがあって、アンサンブルさんも素晴らしくて、舞台セットも素敵で言うことなし!!!そして何より柿澤さんのモンティが可愛かったり、色気に目眩がしたり、野心に燃えていつもの(?)柿澤さんだったりで魅了されまくりました。紳士の千秋楽の夜に観念してFC入った。

 

●「王家の紋章

聖子さんと宮野さんの回。聖子さんは初めましてだったけど、歌うま。物凄い楽しそうにキャロルを演じていたのが印象的。帝劇ミュージカルだけど2.5っぽかった。

 

●「グレード・ギャツビー」(2)

ギャツビーという話がわたしには合わなかったけど、よしおさんはやっぱり歌がうまい。まりおさん可愛かった。

 

●「上を下へのジレッタ」

横ちゃんはじめ、皆さんビジュアルが手塚作品そのもので驚いた。「妄想歌謡劇」というのがピッタリ。楽曲もとても良かった!

 

●「レ・ミゼラブル」(5)

観れば観るほどはまる。感想ちゃんと書きたい。

 

●NEWS LIVE TOUR 2017「NEVER LAND」

今年もおじゃましてきました~。シゲアキはイケメン!シゲアキイケメン!楽しかった~

 

●「わたしは真悟」(4Kビューイング)

2017年1月は休みなく観劇が入っていたので真悟が1回しか見れなかったんだけど、渋谷にあるNHK放送博物館にて4Kビューイングがあるということですぐに申し込み。4Kにも堪えられる充希ちゃんの肌の美しさよ。そして小関くんは青じゃなくで緑色のカラコンだったのを確認した。「~であったと聞きます」じゃなくて「~であったといいます」でしたね!感想は手間なので書き直しません←。NHKには映像あるってことは、プレミアムステージで放送してくれてもいいのでは…?どうぞよろしくお願いいたしますm(_ _)m

 

●「俺節

演歌、馴染めるかなぁと若干の不安も抱いていたのですが、凄かった。これは凄かった。やっさんも福士くんもアンサンブルのみなさんも皆みんな凄かった!!! 

 

●「髑髏城の七人 season鳥」(2)

太一くんと未來くんの殺陣がえぐい。

 

●「Beautiful」

話の本筋としては人生の振り返りということで特別な物語性はないんだけど、楽曲の力でエンターテインメントに昇華されていた。アンサンブルさんが歌パート、プリンシパルが芝居パートと斬新な分け方。

 

●「グランギニョル

お友だちに誘われて行ってきました!シリーズものを全く予習せずに臨んだけど楽しめて良かった。ただ、演者がある台詞を言うとさざ波のように啜り泣く音が広がっていくという貴重な経験をしたww 単品の作品としてではなく、シリーズが好きな人向きの作り方かなぁという気もしたけど、ビジュアル含め殺陣も良かった。

 

●「ライオンキング」

 劇団四季の作品は一度は観ておきたいと思ってC席で観劇。夏休みというのもあってキッズが多かったけど、みんな食い入るように観てた。冒頭の「Circle of life」が圧巻で泣きそうになった。

 

●「罠」

 加藤くん主演のサスペンスもの。白石美帆さんの悪女役は素晴らしいね!

 

●「デスノート THE MUSICAL」(10)

再演ありがとうございます!!!初演のWOWOW放送で柿澤さんが気になる存在となった私にとってはある種思い出深い演目。「ヤツの中へ」の上ハモを聴いたとき、全身の毛穴が開く感覚を味わえました。柿澤さん本人も仰ってますが、「次」があるとしたらぜひぜひリューク役で登板してほしい!!!

2018/1/13(土)に再演のWOWOW放送がありますので皆さん観て!!お願いします!!

 

 

●「ノートルダムの鐘」

デスノートの大阪公演遠征時に京都まで足を延ばして観劇してきました。 ラストの場面が衝撃的でした…。2018年にKAATで上演されるので、タイミングが合えば観に行こうかな。(財布と相談)

 

●「ビリー・エリオット

泣いた。力ビリー回を観劇。彼は”ビリーそのもの”でした。踊ることへの衝動が溢れ出ていた。それを取り巻く大人たちもすごく良かった…。ほかのビリー役の子の回も観に行きたかったけど、タイミングが合わず…残念。

 

●「百鬼オペラ 羅生門

舞台なのに美しい情景が広がっていた。満島ひかりさんは美しかったです。吉沢君も美しかったです。こちらは2017年12月にWOWOW放送があったので、いつか再放送あるかも?

 

月組「ALL for ONE」

楽しかったーーー!!!!イケコ!!!!(握手) ちゃぴさんの男役と娘役の両方が堪能できる良き演目でした。宝塚初心者もめちゃくちゃ楽しめた。満足度高し。

 

●「人間風車」(3)

いやぁ怖かった。初めて舞台最前が人間風車って何事。視界に入れるのが辛い場面もあれやこれやと見えてしまいました。成河さんの語る能力はやっぱり凄い。

 

●「レディ・ベス」(7)

話の内容はムムムなところがありましたが、豪華なミュージカルでした。もっと組み合わせを考えてチケット取るべきだったーーーーと後悔。

 

●「HEDWIG AND THE ANGRY INCH special show」

本当にヘドウィグの演目が好きな方には不満・要望が多々あったかと思うんですけど(スタッフの「公開ゲネプロ」発言には私もイラっとしたけど)、ジョン・キャメロン・ミッチェルのヘドウィグをこの目で観ることができてただただ感動した。「Origin of LOVE」はぽろぽろ涙が出てきた。中村中さんがイツァーク役とヘドウィグのパペットとして台詞や物語の進行をしていたので、JCMは基本的に歌のみ。事前に映画を観ていたので話の流れは理解できたけど、まっさらの状態で観に来た人は「???」になっちゃったんじゃないだろうか。字幕が字幕をなしていなかった。

 

●「髑髏城の七人 season風」

松ケンの捨と天の1人2役。 生瀬さんがかっこよくて痺れた。こちらもちゃんと感想書きたいな。

 

●「リチャード三世」

佐々木蔵之介さん主演、プルカレーテ演出のシェイクスピア。蔵之介さんって裸が似合うよね(語弊)。「この世の思いを絶って死ね!!」が頭にこびりつく。2018/1/15(月)BSのプレミアムステージで放送されるので興味ある方はぜひ!木下順二訳の本も買ったので、放送を観てちゃんと感想書きたい。

www4.nhk.or.jp

 

 

●「アダムス・ファミリー

ラテン!タンゴ!橋本さとしさんのゴメスがイケおじ。 モーティシア壮さん美。

 

●「ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ」

今を時めく菅田くんと斗真さんの舞台。不条理劇だけど、ロズとギルに悲しさよりも愛しさを感じた。

 

●「アテネのタイモン」(4)

面白かった!柿澤さんのアルシバイアディーズが美味しい役どころで関係各所に謝意を表したい。がっつりストプレだったけど満足度が高くて!!!感想書く!!

 

●「屋根の上のヴァイオリン弾き

市村さんは流石なエンターテイナーだなぁと改めて思った。家族愛の話なんだけど、「土地を追われる者・追う者」という社会的な面もあって、見応えがあった。こちらも感想書きたい。

 

数えるかどうか悩んだけど、現実を知ろうと数えてみました。

舞台:84回(31作品)、コンサート:1回、その他:2回

なかなかですね!!自分で数えて引きました。去年より仕事忙しくなってるんだけどなぁ…。上期は特に仕事が忙しすぎて泣く泣く手放したチケットが何枚もあるんですよね。その中でも「パレード」は評判も良くて観たかったのですが…無念。なお、心の平穏のためにチケ代は計算しません。

 

演出・演者・楽曲・舞台セット衣装などなど総合的に考えて、2017年でベスト3作品を選ぶとしたら、「フランケンシュタイン」「紳士のための愛と殺人の手引き」「俺節」かな。「俺節」は再演難しいと思うけど、フランケンと紳士は再演してくれるって信じてるから!!東宝さま!!ホリプロさま!!どうぞよろしくお願いします!!!

 

2018年はもう6月ごろまでのチケット取っていて楽しみな演目がいっぱいあるのですが、何と言っても「スリル・ミー」の再演ありがとうございますうううう!!!!!自分の目で柿澤さんの「彼」を観ることはできないんだろうなぁと思っていたので、本当に本当に嬉しくてタイモン観劇前に興奮しまくりました。柿澤×松下、福士×成河の組み合わせとか本当に感謝しかない。しかしシアターウエスト…争奪戦ですよね…ゴクリ。徳を積むために精進します。

 

今年も素敵な舞台作品に出会えますように!!

「ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ」@世田谷パブリックシアター 2017/11/12

この舞台が発表された時に「こりゃチケット争奪戦になるね…」と思い、取れたらラッキーくらいで先行抽選申し込んだら、運良く取れたので行ってきました。3階席だったのですが、1階と3階に立ち見のお客さんもぎっしりいて彼らの人気ぶりを目の当たりにした。生の斗真さんは震災後の渋谷(原宿?)の募金の時にステージにいたなぁと懐かしく思い出してたんだけど、最近どっかで見た気がすると思い返したら「デスノート」の大千穐楽公演にワイルドホーン夫妻と観劇してたのを見かけたんだった。めっちゃ最近。(話は変わるけど、世田パブの3階がめちゃめちゃ寒くて辛かった…11月なのになぜ送風があんなに…)

 

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作:トム・ストッパード

翻訳・演出:小川絵里子

ローゼンクランツ:生田斗真、ギルデンスターン:菅田将暉

ハムレット林遣都、座長:半海一晃、オフィーリア/ホレーシオ:安西慎太郎、

ポローニアス:松澤一之、ガートルード:立石涼子、クローディアス:小野武彦

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www.siscompany.com

 

演出の小川さんは今年シアターコクーンで上演された「令嬢ジュリー」を観劇したのですが、この演目は感想を述べるのがまぁ難しくて、古典というか戯曲は予習した方がいいなと学びました。今回話の筋である「ハムレット」は中学生ごろに読んだ覚えがあるけどなんとなくしか記憶に残っていなかったので、以前NHK BSで放送していたジョン・ケアード演出、内野聖陽さん主演の舞台「ハムレット」を観たのですが、「観といて良かった!!」と心底思いました(ジョン・ケアード版「ハムレット」面白かった) 

 

シェイクスピアの悲劇「ハムレット」の最後の最後で、「ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ・・・」の一行だけで片付けられてしまった、憐れな2人組「ローゼンクランツ」と「ギルデンスターン」。 本家ハムレットでは、どうあがいても日の目を見ることのない影の薄い2人組を、堂々の主人公にクローズアップした、いわば『ハムレット』のスピンオフ戯曲が本作です。(SIS conpanyサイトより) 

 

ハムレットのスピンオフ戯曲ということで少し構えていたけど、ロズとギルのかけあいが可愛くて面白かった~~まさにチラシの写真通り。起きたことに対して疑問も持たずに素直に受け入れるロズとなぜそうなったのかと理詰めで考えるギル。テンポの良い会話劇。かなりの台詞量を淀みなく話す姿に「菅田くん凄いな…」と唸った。インタビューで演出の小川さんが語っておりましたが、ロズギルの背後で「ハムレット」の内容が粛々と進み、彼らの行く末が不穏になっていくけれども斗真さんのロズの素直さだったり可愛さが物語を悲劇にさせない「救い」になっていた。

 

不条理。時代の大きなうねりに抗うこともできず、むしろ自分達が巻き込まれていることにも気づかぬまま、突然目の前に死が訪れていた二人。ハムレットが書き換えた手紙を読んだとき、彼らは「どうして?どこで誤った?」と考え、城の使いが自分達を訪ねたときに断れなかったときだと行き着く。でも分岐点はそこだけじゃなくて、遡ればハムレットと学友にならなかったら、親しくなっていなかったら、同じ学校に入っていなかったら、クローディアスが自分達のことを覚えていなかったら…いくらでも考えられる。のほほんとしたロズだけじゃなく、理論的に考えようとするギルでさえも死を避けることのできなかったというのが凄くリアルだなぁと思った。どうにもならない運命。

 

私にしては珍しく開演20分前から席に着いていたのだけど、入ったとき「わたし劇場間違えた?」と一瞬ヒヤッとした。舞台上に脚立やらパイロンやらが置かれているし、照明も下がっていて、なんなら袖からドリルやトンカチの音が聞こえていた。別の公演の舞台セット設営中なのかと思って、凄くそわそわした。これも演出の一部なのかなとじっくり見ていたのだけど、階段のところに無造作に2枚の白い布が落ちていたんですよね。それが凄く怖かった。行き倒れて亡くなった人に布をかけた、そんな感じ。10分くらい前からスタッフ(?)の人たちがモップかけたり、照明のフィルター替えたり、舞台上にあるものを片付け始めたんだけど、その2枚の布をてきぱきと畳んでいるのを見て、ロズギル二人の死が淡々と作業的に片付けられたように感じて、まだ始まってもないのに悲しくなった。

そして舞台袖からスタッフによって板が運び込まれたと思ったらその後ろにロズギルがいて、舞台が始まった。「どこから始まったのか」、ロズギルの運命だけでなく、舞台そのものもこの問いを投げ掛けられてるようで面白い。

 

ハムレット役の林くんが凄く良かった!ハムレットって苦悩や怒りに溢れている役柄だと思うんですが、林くんのハムレットは冷徹で新鮮だった。ポローニアスを殺してしまった後も、淡々とその死体を運んで、その場面にロズギルに遭遇しても何事もなく引き返す姿に笑ってしまったけど、イギリスに向かう船上で、手紙を書き換えた後にパラソル立ててサングラスかけて寛ぐ姿はとても気味が悪かった。

座長役の半海さんはときどき狂言回しとして語るんですが、それがまたヒュッと背中が寒くなるような怖さがあった。

 

舞台のラストは「ハムレット」と同じ。ロズギルの最期の描写はなく、ホレーシオのみが生き残り、イギリス大使から「ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ」と報告を受ける。その言葉を聞いたときに、「ハムレット」を観たときには感じなかった悲しみと愛しさが湧いてきた。

ハムレットを観るたびに、わたしはこのロズギルの2人を思い出すんだろうなぁ。

 

翻訳本買おうか迷ったけど、タイモンとリチャード三世が待機していたので一旦保留。タイミングを見て読みたい!