ただの備忘録

未来の自分に贈る、舞台の記憶と感想

「ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ」@世田谷パブリックシアター 2017/11/12

この舞台が発表された時に「こりゃチケット争奪戦になるね…」と思い、取れたらラッキーくらいで先行抽選申し込んだら、運良く取れたので行ってきました。3階席だったのですが、1階と3階に立ち見のお客さんもぎっしりいて彼らの人気ぶりを目の当たりにした。生の斗真さんは震災後の渋谷(原宿?)の募金の時にステージにいたなぁと懐かしく思い出してたんだけど、最近どっかで見た気がすると思い返したら「デスノート」の大千穐楽公演にワイルドホーン夫妻と観劇してたのを見かけたんだった。めっちゃ最近。(話は変わるけど、世田パブの3階がめちゃめちゃ寒くて辛かった…11月なのになぜ送風があんなに…)

 

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作:トム・ストッパード

翻訳・演出:小川絵里子

ローゼンクランツ:生田斗真、ギルデンスターン:菅田将暉

ハムレット林遣都、座長:半海一晃、オフィーリア/ホレーシオ:安西慎太郎、

ポローニアス:松澤一之、ガートルード:立石涼子、クローディアス:小野武彦

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www.siscompany.com

 

演出の小川さんは今年シアターコクーンで上演された「令嬢ジュリー」を観劇したのですが、この演目は感想を述べるのがまぁ難しくて、古典というか戯曲は予習した方がいいなと学びました。今回話の筋である「ハムレット」は中学生ごろに読んだ覚えがあるけどなんとなくしか記憶に残っていなかったので、以前NHK BSで放送していたジョン・ケアード演出、内野聖陽さん主演の舞台「ハムレット」を観たのですが、「観といて良かった!!」と心底思いました(ジョン・ケアード版「ハムレット」面白かった) 

 

シェイクスピアの悲劇「ハムレット」の最後の最後で、「ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ・・・」の一行だけで片付けられてしまった、憐れな2人組「ローゼンクランツ」と「ギルデンスターン」。 本家ハムレットでは、どうあがいても日の目を見ることのない影の薄い2人組を、堂々の主人公にクローズアップした、いわば『ハムレット』のスピンオフ戯曲が本作です。(SIS conpanyサイトより) 

 

ハムレットのスピンオフ戯曲ということで少し構えていたけど、ロズとギルのかけあいが可愛くて面白かった~~まさにチラシの写真通り。起きたことに対して疑問も持たずに素直に受け入れるロズとなぜそうなったのかと理詰めで考えるギル。テンポの良い会話劇。かなりの台詞量を淀みなく話す姿に「菅田くん凄いな…」と唸った。インタビューで演出の小川さんが語っておりましたが、ロズギルの背後で「ハムレット」の内容が粛々と進み、彼らの行く末が不穏になっていくけれども斗真さんのロズの素直さだったり可愛さが物語を悲劇にさせない「救い」になっていた。

 

不条理。時代の大きなうねりに抗うこともできず、むしろ自分達が巻き込まれていることにも気づかぬまま、突然目の前に死が訪れていた二人。ハムレットが書き換えた手紙を読んだとき、彼らは「どうして?どこで誤った?」と考え、城の使いが自分達を訪ねたときに断れなかったときだと行き着く。でも分岐点はそこだけじゃなくて、遡ればハムレットと学友にならなかったら、親しくなっていなかったら、同じ学校に入っていなかったら、クローディアスが自分達のことを覚えていなかったら…いくらでも考えられる。のほほんとしたロズだけじゃなく、理論的に考えようとするギルでさえも死を避けることのできなかったというのが凄くリアルだなぁと思った。どうにもならない運命。

 

私にしては珍しく開演20分前から席に着いていたのだけど、入ったとき「わたし劇場間違えた?」と一瞬ヒヤッとした。舞台上に脚立やらパイロンやらが置かれているし、照明も下がっていて、なんなら袖からドリルやトンカチの音が聞こえていた。別の公演の舞台セット設営中なのかと思って、凄くそわそわした。これも演出の一部なのかなとじっくり見ていたのだけど、階段のところに無造作に2枚の白い布が落ちていたんですよね。それが凄く怖かった。行き倒れて亡くなった人に布をかけた、そんな感じ。10分くらい前からスタッフ(?)の人たちがモップかけたり、照明のフィルター替えたり、舞台上にあるものを片付け始めたんだけど、その2枚の布をてきぱきと畳んでいるのを見て、ロズギル二人の死が淡々と作業的に片付けられたように感じて、まだ始まってもないのに悲しくなった。

そして舞台袖からスタッフによって板が運び込まれたと思ったらその後ろにロズギルがいて、舞台が始まった。「どこから始まったのか」、ロズギルの運命だけでなく、舞台そのものもこの問いを投げ掛けられてるようで面白い。

 

ハムレット役の林くんが凄く良かった!ハムレットって苦悩や怒りに溢れている役柄だと思うんですが、林くんのハムレットは冷徹で新鮮だった。ポローニアスを殺してしまった後も、淡々とその死体を運んで、その場面にロズギルに遭遇しても何事もなく引き返す姿に笑ってしまったけど、イギリスに向かう船上で、手紙を書き換えた後にパラソル立ててサングラスかけて寛ぐ姿はとても気味が悪かった。

座長役の半海さんはときどき狂言回しとして語るんですが、それがまたヒュッと背中が寒くなるような怖さがあった。

 

舞台のラストは「ハムレット」と同じ。ロズギルの最期の描写はなく、ホレーシオのみが生き残り、イギリス大使から「ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ」と報告を受ける。その言葉を聞いたときに、「ハムレット」を観たときには感じなかった悲しみと愛しさが湧いてきた。

ハムレットを観るたびに、わたしはこのロズギルの2人を思い出すんだろうなぁ。

 

翻訳本買おうか迷ったけど、タイモンとリチャード三世が待機していたので一旦保留。タイミングを見て読みたい!

「レディ・ベス」@帝国劇場 2017/11/4、11/5マチネ、11/11マチネ

東京千穐楽よりも1週間ほど早くベスmy楽を迎えました~

 

11/4:花總、山崎、未来、古川

11/5マチネ:平野、加藤、吉沢、古川

11/11マチネ:花總、山崎、未来、平方

 

お花様のベスは10/16ソワレぶりなので約3週間ぶり?だったのですが、そのときとは全く違う「ベス」でめちゃめちゃ良くて痺れた…。個人的に「レディ・ベス」でもやもやしてた箇所をお花様が芝居で埋めてくれた。「そういう話だったのか!!!」と観劇後に興奮冷めやらなかった。

ちなみに10月分の感想↓  

ta-ma27.hatenablog.com

 

「シシィ*1みたいだなぁ」と思っていた花ベス。幼さが感じられて、パパ大好き!という気持ちが強く出ていたんだけど、それが王女としての自覚がある「19歳のレディ」に変わっていた。それもあって、前は姑にいびられる嫁のように見えていた未来メアリーとの場面も、年の離れた姉妹に見えた。

わたしが「レディ・ベス」という話にムムムってなった個所は10月分の感想にも書いているのですが、ベスが女王になることに受け身の姿勢が感じられたところ。それが久しぶりに観劇した花ベスではメアリーとの和解の場面で、自分が女王になることを決意したように見えた。「自分の心の導くままに」と口にしたそのときに。そのあとアスカム先生に「一人の女性としての幸せを生きる道」があるかを聞いているのは、ベス自身もすでにわかってはいるけど自分の選ぶ道の最後の一押しをしてもらうためのような気がした。ベスはガーディナーやメアリー、権力を持った人たちによって壮絶な人生を歩まされたからこそ、これから訪れる女王としての人生で苦しくて辛い局面に遭遇したときに「あのときロビンと結婚していれば良かった」という逃げ道を作らないため、自分の決断が揺るがないように。だからそのあとロビンに会うのも「女王として生きること」を伝えるためで、「あなたを愛しているけど女王として生きる決断をしたことをどうやって伝えれば」と葛藤する花ベスが泣ける…。それが「黄金のカゴ」という表現になるのかなと。これまで「傷ついた翼」の歌詞がネガティブというか、女王になるのがすごく受け身だなぁともやっとしていたんだけど、花ベスの覚悟を感じて聞くと全く印象が変わる。なんというか、ロビンへの愛を感じたというか(以前は「嘆き」を強く感じた)。戴冠式で玉座の前まで登って振り返ったとき、花ベスは未来を見つめていて、その姿は完璧に「女王」だった。

平野ベスは19歳女の子、という感じかな。彼女はロビンの手紙を受け取ったときも、とても迷っているように見えた。アスカム先生にも本気で聞いているような。だから「傷ついた翼」もロビンと離れることが辛くて堪らない。戴冠式で振り返ったあとも、平野ベスは視線が真っすぐで少し不安げに未来を見つめているように感じた(花ベスはきりっとした表情で視線が上を向いていた)。そこが平野ベスから感じる等身大の女性らしさというか、瑞々しさなのかなぁ。

 

取ったチケットが花總×山崎、平野×加藤の固定ペアだったのが悔やまれる。多分、花總×加藤、平野×山崎の組み合わせのほうが個人的にはしっくりきたと思う。いくさぶって愛の化身じゃないですか?(イメージ)。だから愛と自由を得ようと説得するところからベスの女王となる選択を受け入れるのが「いくさぶロビン、急に聞き分け良くなったね??」っていう思いがぬぐいきれなかった。それに対して加藤くんって相手の考えを優先して身を引くのが得意じゃないですか(お前。だから「傷ついた翼」で決意をもって歌う花ベスとその決意を受け入れる和樹ロビンは相性が良さそう。逆に平野ベスはいくさぶロビンのほうが「愛し合っていた2人」、というのが前面に出そう。(※どちらも観れていませんので、完全にイメージです)

 

最初で最後の平方フェリペは最高でした!!健康的な色気!!男!!!って感じが堪らない。「クールヘッド」で「一発命中よ~」のところのお顔がちょっと飽きてる感じが出ててゾクゾクしたし、頭を指でトントンってするときに、左目がウインクっぽくなるの可愛いかっこいいー!!大興奮。古川フェリペは「美」、美しい体躯を拝ませていただいている感じなんだけど、平方フェリペはまさに「色気」。おかわりしたい気持ち(チケット買い足し)を抑えるのが大変だった。そしてWキャストで全然役作りが違う~~結婚式では古川フェリペは恭しくメアリーの手を取りつつ周囲を用心深く観察しているけど、平方フェリペはメアリーの手を取っているのに見えないところですごい嫌な顔をしているww遠慮がないww あと、毒杯のところも古川フェリペは何か察している雰囲気があって、ガーディナーを殺すつもりだった…?と余韻を残すんだけど、平方フェリペは全く知らないね!素直に驚いているね!そこもまた良い。

 

個人的に圧を感じる歌が好きなので、メアリーは未来メアリーがめちゃめちゃ好きだった。未来メアリーは「女王になったからにはカトリックに何としても戻す!!」というアグレッシブさが気持ちいい。吉沢メアリーは「悪魔と踊らないで」を地声で歌えるのが凄い。そして未来メアリーよりも、「1人で」生き抜いてきた孤独さを感じた。その反面、フェリペ王子の肖像画を見たときの少女のようなときめきや恥じらいがすごく可愛かった。

ただ和解の場面での「あなたが女王になっても、カトリックを」というメアリーの願いに対して、ベスの「自分の心の導くままに」とのやり取り。メアリーがそれをどう受け取ったか考える度に、メアリーのアイデンティティーのひとつでもある「カトリック」が崩されたようで苦しくなる。ベスと「姉妹」としての和解はできたけど、「女王になる人」としての和解はできていないような。父親のヘンリー8世肖像画に手を伸ばす姿が痛々しい…。だからこそ、ベスが女王になったときに「自分の心の導くままに従った結果どうなったか」を明示してくれないと、メアリーが報われないのではと思ってしまう…わたし未来メアリーと吉沢メアリーが好きだから余計に。そこだけはイケコにどうにかしてほしかった。

イケコ的にはベスが「何者なの?」という問いに対し「プリンセス!」→「アン・ブーリンの娘」→「一人の女性」ときてからの、最後に「闇を恐れずに」での「クイーンエリザベス」で綺麗に終わりたかったのかなぁ。その後、ベスに台詞や歌がなくて初見のとき驚いた。

 

そうそう、和音さん演じるアン・ブーリンが肖像画から出てきたんじゃないかと思うくらいの美しさでびっくりした。アンの歌は基本的にエコーがかかっていて亡霊感が出るんだけど、B席端のほうで観劇したときにスピーカーの近くだからかエコーの方が強くて聴きづらかったのが残念だった…。

劇中ではアンの立ち位置が変わっていくのが面白かった。最初は母親であり、権威によって処刑された"憎しみと恐怖"の存在(首切り役人とセット)。それが「愛のため全て」ではアンが「一人の女性としての幸せを歩む道」を歌い、アスカム先生が「女王として生きる道」を説いて、ベスの葛藤を表しているんだけど、アンがロビンとの愛を喜ぶ"母親"であり、"ベス自身"でもあるように思えた。「愛される価値はあったの」の歌詞がベスの想いでもあるように感じたから。この曲が一番「母娘」を感じた。

 

余談ですが、オケピへの小道具ダイブを2回目撃したので記しておく←

・結婚式の場面で古川フェリペが聖書を床に投げるところ。高い放物線を描いているなぁと思ったら、バウンドしてオケピへインww 通常ならそのあとのガーディナーの部下が聖書を拾って捌けるんだけど、オケピに落ちちゃったものだから禅さんがオケピを指差して部下に「拾って持ってこい!」みたいなジェスチャーしてたw ちなみに翌日の公演では高く放り投げるのはやめて、めっちゃ低く投げてて笑ったw

・いくさぶロビンが輪っかのジャグリングをしたときにキャッチしそこねて、そのままオケピへイン。「川に落としちゃった」ってしきりにオケピ覗いてたw加藤(潤一)くんかな?一旦馬車を助けるために捌けるときに「ちゃんと拾っとけよー!」って言い捨ててすごい笑ったwwww

 

11月は2階席でも観劇したのですが、やっぱり盆の美しさは2階からの方が楽しめる!!1階後列でも見えてると思ったけど、見えてなかった← これから観られる方はぜひ一度は2階席に~ 

もしまた再演があるときはぜひ内容をブラッシュアップして欲しいなぁ。イケコ、ご検討くださいませ!

 

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*1:ミュージカル「エリザベート

「アダムス・ファミリー」@KAAT神奈川芸術劇場 2017/11/4ソワレ

マチネに帝劇でベスを観てから、はるばる横浜に移動してアダムスファミリーを観てきました!乗り換え時間ほぼゼロだったのもあって、16時過ぎに帝劇出→17時過ぎに最寄り駅に到着できた。意外に遠くなかった。

 

イメージ的にゴシック系の曲なのかなと思ったら、

ラテン!タンゴ!!踊る踊るアダムスファミリー~~~!

と楽しいミュージカルでした。

 

アダムスファミリーって1991年と1993年に本国で映画が公開されているんですが、その頃に小学生くらいの世代ってホームアローンと同じくらいみんな好きだったんじゃなかろうか。わたしは好きだった。

で、このビジュアルを観たときに再現度の高さに驚いたのと、懐かしさにやられてチケット買ってました。

www.parco-play.com

凄くない??まんまじゃない??昆ちゃんウェンズデーまんまじゃない???あとパグズリー役の庄司さんは高校1年生の女の子ですって。めっちゃ驚いた。

 

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演出:白井晃

出演:橋本さとし真琴つばさ壮一帆(Wキャスト)、昆夏美村井良大樹里咲穂、戸井勝海、澤魁士、庄司ゆらの、梅沢昌代、今井清隆

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観劇後、どうしても映画が観たくなってTSUTAYAに寄って借りて帰ったw思い返すと20年以上ぶり…?え…??最後に観たのは多分小学生のときだもんなぁ。映画を観て思ったのは、映画でもちゃんと踊ってた。ゴメスとモーティシア、踊ってた。ミュージカル改変じゃなかったよ!!

 

まず幕開けにハンドが現れて(?)、「ハンド~~~~~!!!!( ;∀;)」と懐かしさでいっぱいになった。頭からハンドのことなんかすっかり抜けてたけど、現れた(?)瞬間、一気に記憶がよみがえってきた。それに初っぱなからあの有名な「ダラララン♪ダラララン♪ダラララ♪ダラララ♪ダラララン♪」が奏でられてテンションが上がる。リピーターも多いのか、「パンパンッ」って間に手拍子している方もいた。

 

昆ちゃんウェンズデー、歌が突き抜けてて気持ちいい。映画のウェンズデーは無表情で淡々と毒づいている感じだけど、ミュージカルのウェンズデーは恋真っ盛りの女の子だからか感情の起伏が激しめ。私が観劇したのは壮さんモーティシア。あ~~~ほんっとに美しい。あの黒い細身のドレスを美しく着こなしてて眼福だった。宝塚の男役の方って長身スラッと体型だから、ほんと似合う。美。黒髪ロングもほんっと美しかった~~~。こちらも映画と比べると感情が表に出ていたかな?プリプリ怒っているモーティシアが怖くて可愛い。そして踊る。

橋本さんのゴメス、これは惚れるやつ。モーティシアを愛して愛してぞっこんのラテン男。ウェンズデーとモーティシアの板挟みにあって悩む姿は良きパパ。悩んでる姿も愛の言葉を捧げる姿も落ち込んでる姿も、全部面白くて可愛いんだよなぁ。そしてなんと言ってもめちゃめちゃ良い声。歌うま。「パリの下水道」っていう台詞は元々なのかな?「バ、バルジャン…?」と一人ざわざわしてたw

ウェンズデーもモーティシアも映画と比べると感情がすごく表に出ていたので、映画のイメージが強いと、「あれっ?」って思ってしまうかも(わたしは最初そうなった)。でも映画のまんまのキャラだと歌えないよなw、と思いなおしたら素直に楽しめた!

 

今井さんがフェスター役なんだけど、「い、今井さん…??」と何度見ても驚くwwフェスターってほんとにピュアなんだよぁとほのぼのしてしまった。

ラーチ役の澤さんがあまりにもラーチだった。これは本家の映画に出てても遜色ない…

 

人間役としてのルーカス一家は村井くん、樹里さん、戸井さんのお三方。村井くんはちょっと頼りないけどすごく良い人という雰囲気が滲み出すぎてた。なかなかこういうタイプの役者さんっていない気がする(チャーリーブラウン観たかった…!)。一番驚いたのが、アリスを演じた樹里さん。夫に不満を言えずに「良い妻」を演じていたところから、(パグズリーの薬の力で)自分の本心を解放した1幕ラストの歌が凄かった。圧倒された。歌がうまい。そこから夫婦2人が残って「休憩だって」と言って捌ける流れが面白かったww

 

アダムスファミリーって家族のなかで拷問したり、薬飲まそうとしたり、たまに殺そうとしたりとブラックネタ満載だけど、家族愛が凄くあるんですよね。というか「愛」を表現するために、ブラックなことをするというかw 子供のときに見た映画の記憶がもっとえげつないブラックネタを入れているって印象だったから、「もっと攻めていこうよ~!」と思ってしまったけど、映画見直したらそんなでもなかった。子供のときの印象が強烈だったよう('ω') あと、人間とお化けが結婚となると、「お化け側」へ行かなきゃいけなかったんじゃなかったっけ?と最後のエンドロールを観てもやっとしたんだけど、全然記憶違いだった。2のほうでフェスターの彼女が最後にお化けになってたと思い込んでたけど、その彼女は死んで、別の乳母が現れてただけだった。ルーカスはマーガレットと同じ立場と考えたら、あのラストは大正解だった!そうそう、アンサンブルさんが先祖のお化けという役で出ているんだけど、一場面だけカズン・イットが出てきてて、「あーーーー!お前はーーーー!」と懐かしさが爆発した。

 

ラストのゴメスとモーティシアのダンスが美しかった!壮さんのふくらはぎ!太腿!!!眼福!!

 

 

www.youtube.com

 

ゲネが真琴さんのやつしかなかったけど、雰囲気感じてもらえれば。

 

横浜公演は明日まで、地方もあるみたいなので懐かしさで溺れたい人はぜひ~。映画も見ておくとより楽しめるよ~見なくても楽しめるよ~~

1度しか聞いてないのに「我らアダムス♪」が頭の中で流れるキャッチーな曲!!

「レディ・ベス」@帝国劇場 2017/10/9、10/16マチネ・ソワレ、10/28ソワレ

キャストほぼ続投で3年ぶりの再演。初演は見ていないので、再演のみの感想です~!ネタバレあるよ!

 

10/9(初日):平野、加藤、吉沢、古川

10/16マチネ:平野、加藤、吉沢、古川

10/16ソワレ:花總、山崎、未来、古川

10/28ソワレ:平野、加藤、未来、古川

 

まず劇場に入ってすぐ、盆の美しさに目を奪われる!これが噂の役者を苦しめている盆か…!!見ている以上に傾斜かなりきつそう。10月は1階席の前方・後方と入りましたが、前方席はセンブロじゃないと盆の傾きによってちょっと見づらいかも(サイドだとしたら上手より下手のほうが見えやすそう)。A席センブロは盆の上の照明も綺麗に見えたので、照明も楽しみたい方は後方か2階席のほうが良いかも。11月は2階席にも入るのでそのあたりも楽しみたい。

 

チケットを取るときに、とりあえず古川くんが観れればいっか、という感じで取ったのでキャストにだいぶ偏りができてしまった。ベス・ロビン・メアリーの組み合わせ、もうちょっと考えればよかったと観た後に後悔するパターン。

 

平野さんはお初でしたが、歌お上手ですね!!自分が王女である自覚を持った20歳の女性で、父親を心から尊敬しているベス。(話変わるけど、平野さんってめちゃめちゃお顔が小さい!!かなり前方で座ったときに、あまりの顔の小ささにビビった。そして肌綺麗。つるっつる。) お花様はまだ"少女"という印象。父親も尊敬しているけど、それよりも「大好き!」っていう気持ちが前面に出ている。ときおりシシィと被る。(なんなら座組のエリザ感強くて、大谷さんとの場面は「父娘…!」ってなる) "レディ"のときの役作りは違うけど、"クイーン"になったときはお二方とも同じ雰囲気を纏っていた。でもお花様は「女王、何年やってます?」っていうオーラ。風格が凄い。平野さんはまさに「これから女王になると決意した女性」っていうイメージかな。個人的には平野さんの溌剌として聡明なベスが好み。

 

加藤くんは観る度に歌がうまくなってる気がする。そしてやはり彼は報われない役どころがまぁ似合いますね!!!ロビンが死んじゃう役じゃなくて良かった←   加藤ロビンは真面目。「歌って忘れよう」のときの、お前らちゃんと練習しろよの空気が部長。すごく真面目。居着く土地がないから流れ者として生きている。対するいくさぶロビンは全体的にチャラい、けど華やか。いくさぶ成分(?)多め。飽きたから次の土地に、とまさに「流れ者」。最後にイモーテルをベスに向けるとき、加藤ロビンはベスと共に生きる未来は消えたけど、女王としての彼女を讃えて送り出している表情がとっっっっても良かった。いくさぶロビンはなぜそんな笑顔…??いや、笑顔なのはいいんだけど、ロビンの報われなかった愛のくすぶりを感じられなくて、そんな吹っ切れるもんなのか??と「?」がたくさん出てしまった。

 

古川フェリペ。観るたびに思うけど、ほんっとに美しいなこの方は。びっくりする。小麦肌は初日だけ拝めました。「COOL HEAD」のイントロが流れた瞬間、それまでの曲調と明らかに違って「フラメンコ始まります??」って感じで初見のとき噴き出しそうになったww 初演のときの動画で見てはいたけど、スペイン王子の乱れたお姿最高です~~!!!双眼鏡でガン見ですよね。女性もののコルセットドレスを纏うとか好きに決まってる~~~!!

www.youtube.com

↑初演の時のPVだけど、1:51らへん。女性との絡み堪んない。

道行く人のときのロビン一行とのやり取りで王子の身分を隠そうとするフェリペ可愛いかな。フェリペがこんな面白キャラだとは知らなかったよw でも腹に一物ある演技は凄く良い。特に毒の場面でガーディナーに杯を勧めるところ。

 

吉沢メアリーはクールビューティー、未来メアリーは圧って感じかな。吉沢さんとお花様の組み合わせの観劇予定がないのが残念~。未来メアリーは平野ベスとのほうが相性良い気がする。お花様とだと、ベスがメアリーに謁見する場面とか姉妹ではなくて嫁姑の関係に見えて、お花様ベスもボロボロにやられてて。最後に和解するところも同じ境遇だった姉妹という感じじゃなく見えたんだよなぁ。でも平野ベスはすでに芯があるというか、やられても「何で私が!!??」っていう反発心が見えて、対等にやりあっている感じがする。吉沢メアリーはどちらとでも相性良さそうなイメージ。平野ベスとだと、より姉妹感が出る。

 

禅さんガーディナーと圭吾さんルナール。はい、好きー。好きに決まってる。ガーディナーは徹底して悪役なのが良い。「ベスを消せ」の台詞を交えながらの歌とか好きに決まってる。↑のPV動画の2:16ごろの曲。私の好みどんぴしゃ~。禅さんガーディナーの「レディ」の言い方がねちっこくて最高です。

 

それにしても衣装がほんとに美しい。かなり前方に入ったとき、間近で衣装観たんだけど、すっごいキラキラしてる。お金掛かってる~。メアリーの結婚式のときとかベスの戴冠式の衣装の煌めき凄い。あと、結婚式の時のアンサンブルさんの衣装が!!すごく!!好きです!!!赤×黒×ゴールドとかみんな好きなやつ!!え、皆好きだよね??プリント柄が綺麗だなぁと双眼鏡でガン見したら、何かの有名な絵画?オリジナルなのかなぁ。気になる。(皆大好きな衣装は↑動画の3:30のところ)

衣装の生澤さんの記事↓

http://community.pia.jp/stage_pia/2014/04/LadyBess09.html

ついでの舞台美術の二村さんの記事↓

http://community.pia.jp/stage_pia/2014/04/LadyBess08.html

 

 

全体的な感想としては、演者はいいんだけどなあ~というところでしょうか。歌うまな人たちが出ているので耳は幸せだし、見えるものも美しい。ただ曲の印象が薄いんだよなぁ。フェリペ、メアリーとスペイン側とカトリック側の皆様の歌は結構耳に残るんだけど、メインのベスとロビンの曲がいまいち耳に残らない。聴いているときは心地よいんだけど。こないだまでワイルドホーンの強めの曲たちを聴いていたからかな…?私は強めの曲が好みなのでそれもあるかもですが。ちなみに私の中で1,2位を争う好きな曲はメアリーの「悪魔と踊らないで」とガーディナー・ルナールの「ベスを消せ」。

「悪魔と踊らないで」の"悪魔"はプロテスタントであるベスのことを指しているっていうことでいいのかな?「良い種 悪い種」の歌詞はマタイの福音書13章から引っ張ってきているみたいですね。「悪い種」も「悪い実」もプロテスタントであるって考えると、毒麦を集めて燃やす=プロテスタントを火刑に処した、ってところを掛けているのかな。結婚式でも「ベスを火刑に処しましょう」って言っているし。ただ「七人の騎士」が分からないんだよなぁ。「騎士」で調べても「四人の騎士」しか出てこない。3人どこで増えた。

 

メアリーは時間を巻き戻そうとカトリックを強制して、プロテスタント(イギリス国教会)のベスを排除しようとしていたけど、最後は同じ境遇であったベスと和解する。までは話の流れとしていいんだけど、メアリーの「ベスが女王になってもカトリックを」と願うのに対して、ベスの「この心の導くままに行動する」との答え。この「心の導くまま」のアンサーがないまま終わってるのがどうもスッキリしなくて…。アスカム先生との「王国が現れる」の曲中で「全ての思想は自由と認めて 異なる意見許す 聞きましょう」と歌っているけど、このときは「レディ」の立場であって、「クイーン」の立場ではその考えを言っていないんですよ。女王の立場で語ってこそ本物だと思うんですけど(言葉の重みが違う)、それがないのがなぁ…。家に帰って調べてね!のスタイルなのか、イケコ…。父親ヘンリー8世の帽子を抱きしめるメアリーの胸中を想うと辛い。

あとちょっと気になるのがベスがロビンと歩む人生ではなく、女王として生きることを決める「傷ついた翼」~「闇を恐れずに」。ベスが「国民のために!」というポジティブな気持ちで女王になるのではなく、「自由な人生など歩めない王女だから、その人生を受け入れる」という感じなんですよね。王族に生まれた人はめちゃくちゃ共感できるんだろうなぁ~。個人的にはポジティブ要素も盛り込んでほしかったけど、とてもリアルな感情ではあるよなぁと感じた。

 

最後に一つだけ。なぜターザン!?!?!?なぜそれを選んだ…!?!?イケコ!!!ベスが幽閉されている建物に登ろうとするときもターザン。そして最終的に壁をよじ登ってて、「ターザンの意味!!!??」と心の中で盛大に突っ込んでしまった。

 

とまぁ色々書きましたが、11月もしっかり観に行きますよ~~。平方フェリペ楽しみじゃ~~。

「髑髏城の七人 season鳥」@IHIステージアラウンド 2017/7/2マチネ、7/29

なにあの殺陣は。

一蘭兵衛と未來天魔王の殺陣がやばい。えげつない殺陣を生で見たい人は今すぐチケット取って…!早く!!

って下書きで温めていたら、千穐楽迎えてた~むしろ風髑髏始まってる~~観れなかった人は後悔しとき♥

 

もう衝撃でしたよ。ワカドクロ(映像)を観たときからこの人たちやばいと思ってましたけど、生で観る殺陣は予想の何倍も凄かった。

 

そんな鳥髑髏、2回観劇してきました。初回は幕が開いてから一週間も経っていない7/2で、2回目は約1か月後の7/29。2回目のほうが断然面白くなっていたし、サダヲ捨も生き生きしてた!(髑髏城あるあるだと思うけど7/2はみんな探り探りな感じがしたよ←)

 

阿部サダヲ 森山未來 早乙女太一  松雪泰子 
粟根まこと 福田転球 少路勇介 清水葉月 梶原善 池田成志

 

 

花髑髏よりも捨・天・蘭3者の背景などが追加されていて、話の流れがわかりやすくなっていた。鳥髑髏はショーアップする、ということでMKIKO先生による振り付けがあったりしましたが、うまく馴染んでいたかと。特に2幕の天蘭の口説きのやり取り。台詞で背景の説明をすると冗長に感じてしまうところを、メロディーに乗せて歌ってくれると盛り上がるし楽しい。歌の力だなぁと感じた。

皆言ってるし、冒頭でも言いましたけど、太一蘭の殺陣が速すぎるし美しすぎるしで、たまげました。(全然話変わりますが、たまげるって「魂消る」っていう漢字なんですね。うん、心持っていかれすぎて魂消えたわ) 人殺せる。あれは人を殺せる太刀捌き。なんだろう腕も刀だった。

太一くんの殺陣が異次元すぎるんですけど、それを受ける未来くんも相当凄かった。やっぱり殺陣って一人が凄くても成り立たないと思うんですよ。相手がいてなんぼ。太一くんのあの速い太刀を受けることができる未来くんの殺陣の技術があってこその天蘭。最高すぎる。わたし、この2人の殺陣だけで13000円払える。

 

花では「夢見酒」としていましたが、鳥では「信長公の血」になってましたね。個人的には公の血のほうが話の流れとして好き。口移しのあとの太一蘭の姿が恐いほど美しかった…。白い着物に赤い彼岸花の柄とか美しすぎるだろ。

 

未來くんの天魔王、新たな天魔王だった。これまでの天魔王って怖くて恐ろしい存在だと思うんですけど(主観)、「面白い」っていう新境地。7/2マチネのとき、地図を指しながらラップしたり、地球儀ぐるぐる回したりしてて、面白いんだけど笑っていいのかな??っていう躊躇いが生じてしまったwだって天魔王が笑かしてくるんだよ?('ω')

7/29はみんな伸び伸びして芝居も振り切っていたから、わたしも普通に楽しんで笑いながら観てましたww

Exactly!!

Exactly!!!

Exactly!!!!

Buuuuuuut!!!!

めちゃめちゃ笑ったwww

 

 

サダヲ捨は着流しではなく忍びの恰好。「地」の男、というのが前面に出ていた。冒頭の場面、捨が呆けた人で「どうなるん…?」と戸惑っていたら、そういうことね!あと金太郎スタイルで歌い踊る姿は別の意味でこれまでの捨像と一線を画してましたねw サダヲ捨だから成立する演出ww

 

いい意味でふんだんに「遊び」を入れていた鳥髑髏。

贋鉄斎の場面とかさ!枠に囚われなさすぎでしょwwww「ここはシモキタじゃねぇーんだよ!」秀吉の時代から一気に現代にタイムスリップ\(^o^)/

 

斬鎧剣はそう使うのかー!と興奮した。地の男、忍のサダヲ捨だからこそ、最後は短刀でというのが最高。その手段を選んだ理由に、信長公は捨のことを信用していたんだなぁとグッときた。

  

そういえば無界屋のセットに赤い風車があったんだけど、ムーラン・ルージュみたいだなぁと思った。(なにか風車使った演出があるのかと思ったけど、なんもなくてズコーってなったw)

  

天魔王でさえ遊びをいれているんだけど、蘭はひたすらに蘭兵衛だったから物語にブレがなかった。天蘭に大満足。

 

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花髑髏に比べてプレス動画が全然なかった…悲しい…

「デスノート THE MUSICAL」@新国立劇場中劇場 2017/9/23マチネ・ソワレ、9/24大千穐楽

あっという間に千穐楽…から1か月経ってた。梅芸ってついこないだだったよね?あれ??わたしタイムリープしちゃった??

 

9/23マチネ:柿澤

9/23ソワレ:浦井(千穐楽)

9/24マチネ:柿澤(大千穐楽)

 

先に日替わり部分について、個々の場面については最後にまとめて。

【9/23マチネ:柿澤】

この回のてぺLがものっすごく鋭くてナイフみたいに怖かった。刑事たちと話すときの声がいやに冷たい。いつも感じていた、"ちょっととぼけたような抑揚"というのが一切なくて、怖かった。だからこそ、「ヤツの中へ」の後の「いやぁ~本当に楽しかったなぁ」の嬉しそうな声が一層際立っていた。

というか!!切望していた柿澤さんのラストの上ハモ復活してるうううう!!!!たまんねぇ!!!たまんねぇよ!!!ほんと最っっ高でした!!!( ;∀;)

 

 ●ばっきゅーん

 リ「I'mりんご~I'mりんご~?親父はりんご好っき?」→柿「好き……好きかな…」(ウイスパー)→リ「? 好き?」→コクコク小さく頷く柿澤さんw→うっかりべっしーパパと目が合うカズリューク→リ「ばっきゅーん♥」(パパに向かって)

この一連の流れにPCに突っ伏して笑っちゃう柿澤さんwww

別「何が好きなんだ?」→(ドアのところに立ちながら)柿「独り言w独り言かなww」「父さんこそw大丈夫なのww」→別「何がそんなに楽しいんだ?」→柿「思い出しwww思い出し笑いだよww」→別「勉強のし過ぎで疲れてるんじゃないか?」

 

ずっとムフムフ笑い堪えながらしゃべってて、こっちもめちゃめちゃ笑った。柿澤さん、どうにもこうにも笑いが収まらなかったようで、べっしーパパが「一線を越えるな」を歌ってる最中も目が笑ってるし、口元もムニムニしてた。おい!パパがお前を想って歌ってくれてるんだぞ!!!( 'д'⊂彡☆))Д´) パーン さすがに自分が歌いだす直前には目の色変わってしっかり歌ってたけども。柿澤さんってほんと良くも悪くもゲラだよなぁ。(まぁ可愛かったけど←)

 

●禁断症状

リ「ライトー。ライトくーん。ライちゃーん」と呼びかけ→禁断症状→柿「今忙しいんだよ。わからないかなー、リューちゃん」

ライちゃん、リューちゃん呼びがめっちゃ可愛かった。

 

●りんごわちゃわちゃ

柿ライトがりんごを左、右と移動させたのち、ペンでりんごになんか書こうとしてたwwあの場面で上手側を双眼鏡で見ているのはみんな仲間と感じながら自分もがっつり構えている。

 

てぺLが最後までナイフのような鋭さだったから、「最期の時」でリュークと目を合わせて柿ライトに向ける眼差しも今までに見ないくらい厳しかった。

 

●マイク芸

カテコで捌けるときに、刑事たちがLとの会話で使用するマイクを使って挨拶。「右手に見えますのは~小池徹平小池徹平~」「ありがとうございました~。」(車掌風)

 

【9/23ソワレ:浦井】

初めての2階席!上からの景色が新鮮だった。盆が回るのを上から見ると、ほんとに「時計」のように感じた。あとはオケピもけっこう見えるから、ミサミサのコンサートの時のオケの人たちの盛り上がりが物凄くて笑ったwwwミサミサ観ようとすると手拍子する指揮者と弦楽器の人たちが視界にがっつり入りこんでくる。1階に座ってても指揮者の人がめっちゃ手拍子してるなぁとは思ってたんだけど、オケ全体でこんなに盛り上がってるとは思わなかったw

 

 

 【9/24:柿澤】

 どの場面、どの瞬間を切り取ってもすべてが最高で素晴らしかった。

「ヤツの中へ」のラストの上ハモもやってくれたああああ!!!!最高に興奮した!!!!しかし一番の爆弾は、テニスを終えたあとのてぺLの「あ~本当に"すごく"楽しかったなぁ」。ちょっと待って…感情追いつかない…

 ●ばっきゅーん

リ「りーんご りーんご りんごは好きか」(「キラ」のメロディに乗せて)→柿「(いるから いるから)」(父親を指しながら口パクで答える)→リ「りんご好きか?……ばななか…?」→ニヤつく柿澤さんに向かって、リ「ばっきゅーん♥」→笑い堪える柿澤さん→リ「ばっきゅーん♥」→突っ伏してわらう柿澤さんwww→ドアを閉めるときに大きなため息をつきながら、柿「父さんw大丈夫なの?w」→別「お前こそため息して大丈夫か?」→柿「勉強疲れかな」(めっちゃ笑顔w)→別「たまには外に出るんだぞ」

 

●禁断症状

柿「ごめんノートに集中して全然聞いてなかった。もう一回やって」→リ「聞いてたよね?」→柿「今忙しんだよ。わからないかなー^^」

 

●りんごわちゃわちゃ

この日もペンでりんごに何かを書いていたww

 

以下、千穐楽も踏まえての全体の感想。

 

ミサミサのコンサート、大千穐楽の日は間奏のところで「みんな~!盛り上がっていこう~~!!」って台詞が入ってて、ツアーオーラス感が出てたw 「ウェーーイ!」ってレスポンスしたい気持ちもあったけど、大人しく手拍子だけしといた(そういえばキンキーは客席も盛り上がってたな、とふと思い出す)

 

2幕が始まるときに、手前に女の子が座っている影が映って、その子を囲むように大きな影がいくつも現れて消えていく。一番初めに見たとき「ミサだ」と思ったから、幕が開いたときにアンサンブルの女性ですごい驚いた。何度見ても「ミサがいる」って感じてしまう。ミサの両親が殺された詳しい経緯は述べられていないけど、「逮捕されたけど証拠が足りないからすぐに釈放された」って言ってたから、ミサがアイドルになってから事件が起こったんだろうと推測している。ミサが両親を殺されてどん底に突き落とされたとき、ミサの周りに一時は人が寄ってきたけどすぐに離れていって、誰もミサを救うことができなかった。あの影はそんなミサの孤独を表しているように思えた。だからライトが犯人を殺してくれたのが唯一のミサの救いになってしまって、ライトへ無防備な愛を捧げてしまうのも納得してしまった。

 

レムとミサが出会う場面。公演期間中にもWOWOWを何度か観てたんだけど、ふうかちゃんの目の力が初演よりもずっと強くなっててびっくりした。パンフでも語っていたけど「闇」の部分がより増していた。何度もデスノの感想に書いてるけど、デスノにおける盆は死へのカウントダウンを示す時計の役割をしていると思っていて。ライトの死については後述するけど、"その盆に乗ってしまったら行き着く先は死"なんですよね。で、「残酷な夢」の中でレムとミサが2人で両手を広げて時計回りで回る場面があるんですけど、2人は盆には乗らずに自分たちで回ってるのが対照的だなぁと感じていて。レムは最後にはライトの図りによって砂になってしまうし、ミサは結局はデスノートにまつわる記憶を失うんだけど、愛を貫いた2人は「デスノートによる死」ではなく自らが結末を選んでいる。それが自分たちで回る、ということに現れているように感じた。

 

公演期間中で一番印象が変わったのがはまめぐさん演じるレム。梅芸は話し方がもっと片言のようで、"違う世界からやってきた"という印象が強かった。それが東京公演の中盤以降、ぐっと人間味が出てきた。「人間味」って何だろうと考えたけど、やっぱり「愛」なのかなぁ。ミサが拘束されてデスノートの所有権を放棄するかと尋ねる場面でのレムが語る「デスノートという糸がなければ一方通行の愛」。これはミサとライトの関係だけでなくミサとレムの関係にも言えることで、レム自身もそれを理解しているから覚悟をもって伝えていた。その後の「よーく考えて」。梅芸の時は自分の感情がミサに伝わらないようにしたのか、抑揚のない語りをしていた。それが東京公演中盤以降はレムの引き裂かれそうな心情が漏れ出していて、胸を突いた。その問いに対するミサの「Yes」という答え。ミサはレムのことなど考えが及んでいなくて、ライトへの愛を守り通すための決断だった。そしてそれを静かに受け入れるレム。「愚かな愛」はとてもとても美しいレムの愛だった。「澄んだ空のように 今は不思議と胸が静かだ」と歌うはまめぐレムの顔は本当に美しかった。

 

べっしーパパは優しいパパだったなぁ。刑事局長という立場よりも、父親としての想いが勝っていた。ライトが最期を迎えた場所に立ち入ったときの佇まいが、息子を亡くして悲嘆にくれる「父親」だった。WOWOWの初演を見返してたら、鹿賀パパは「刑事」としてライトの亡骸を見つめているんですよね。

粧裕役のかりんちゃんは澄んだ声がとっても綺麗だった~!皆言ってるけど、「わたしのヒーロー」の曲中に突然出てくる「兄貴のように」が一向に受け入れられません!!いや、音が足りないのはわかるんだけど、ずっと「お兄ちゃん」って呼んでたやん…「お兄」くらいならまだ納得なんだけど…と再演の時にはぜひ再考していただきたい。

 

てぺLがM字開脚で登場する(by柿澤さん)「ゲームの始まり」。てぺL以外に誰がLをできるの?って思うほどL。Lそのまんま。WOWOW初演と見比べてもものすごく歌がうまくなってる。あのくいっと方向転換する動きが好き。しかしこの曲の歌詞も凄いよね。「目障りだから遊んでやろうか」「地獄を見せてやろう」「これはゲームだ賽は投げられた」。この時のLにとってキラはゲームの相手としか思ってない。Lは警察の側についているから身が保証されているけれど、「犯人を捕まえるために手段は問わない(グレーゾーンぎりぎり)」という考えはライトの「罪を犯した者には罰を」という考えと表裏一体の関係だよなぁと思う。

「ヤツの中へ」でも歌っていますが、

受け止めて 打ち返す

気が付けば お前の意識の中 皮膚の下 潜り込み

同じ目でモノを見る

混ざり合い 絡み合い 叫び出した意識が

求めてる 狂おしく お前だけを強く

止めてやる この手で 息の根を

歌詞だけ見ると何か凄いけどw、テニスをしながらお互いを探りあっている状況で「相手が何を考えているか」「自分が(相手)だったら」と相手の思考回路を廻って自分の思考回路と混ざりあってとか…なんかもう最高の心理戦じゃないですか!!?(語彙力こい)

千秋楽のてぺL、「待て自分取り戻せ 有り得ない これは私じゃない」のところがさ、本当にハッと気づいてそんな自分に驚いているように見えて、もしかしたら月とLが友達になれた世界線を想像させる。それにテニスが終わったときに「本当に"すごく"楽しかったなぁ」の台詞ですよ。L…!!てぺL…!!!!( ;∀;) 全身の毛穴が開いた。

そういえばテニスの休憩中(?)、女の子達がライトとLそれぞれにボトルやタオルを渡しているんだけど、浦イトが女の子の扱いに手慣れすぎてて驚いた。人たらし。でも飲んだ水をブッと噴き出しているときもあって最高だった。柿ライトは普通に受け取っていて人たらし感はなかったんだけど、ハチ公前でミサに刑事の名前を教えるように言ったとき、隣に座っているミサの足に手を乗せて「まだ始まってもないのに」って口説いてたのが最高だった。お前いつの間に女の子の扱いを覚えたんだ。しかも人気アイドルだぞ。これ毎回やってたのかな?千秋楽で気がついた。そしてふうかミサが柿ライトが触れた箇所を愛しそうに自分で撫でてて、「ミサーーーー!」って悶えてたわたし。

 

浦イトは自分に与えられた才能を理解して、周りの人とも折り合いをつけて生きてきたんだなぁと思った。折り合いをつけてる、というのはちょっと違うか。自分は崇高な存在だから、凡人の他者に合わせてあげている、という感じ。やっぱり冒頭の教室での場面、クラスメイトとちゃんとコミュニケーションを取っているのが、柿ライトを観続けた身としては衝撃的で。クラスの中心にいる浦イトが問題を提起することで、友人たちも「正義とは何か」を考え、それを面白そうに見る浦イト。柿ライトはさ、頭もいいし運動もできるけど、クラスから敬遠されている印象。クラスメイトが意見を言っていても、興味がなさそうなんだよなぁ。というかクラスメイトが柿ライトを面白がっている印象(柿ライトが教室出た瞬間、「正義ってwwwどうしたのあいつwww」って言われてそう)

 

デスノート」も人間性の違いが明確で。浦イトが父親に向かって歌う「心の正しき人々のために すべての悪を裁こう」。この時点ですでに浦イトは父親と対立することを予測していそう。柿ライトは父親のことは見えてなくて、デスノートという力を手に入れたことへの歓喜と陶酔。浦イトは喜びというよりも、言葉そのまま「使命」を全うすると決意している。

 

リュークとの関係性も2人で全然違ってた。柿ライトは「友達」と思って付き合っていた。所々にあるアドリブもそうだけど、「リュークが初めての友達かな…?」って思うくらい本音を言えて楽しんでる。「キラ」を歌うリュークを愉快そうに見てた。(そうそう、途中「ウアアアアア"""」ってリュークが驚かすところもカフェラテ(推測*)を噴き出して、日によってはカーディガンの袖でテーブルを拭いてたりしてたw お前ww袖で拭くなよwwwってこっちが噴き出しそうになったこともあったよ!(*コーヒーかなと思ってた時期もあったけど、カップを回す仕草をしてるからカフェラテだと思う←)

対して浦イトは「ノートの持ち主」と「現在の所有者」。けっこうドライな関係。「キラ」のときも、じっとリュークの言動を観察していた。リュークが驚かすところも首が絞められたような動きをしていてびっくりした。あれは死神の力を表現していたのかな。この関係性は「キラ」の場面だけでなく、「秘密と嘘」の死神の目の話のところの「何で!!!」という言い方や、大黒ふ頭の場面の「黙って」の台詞にも現れていた。柿ライトは友達に対する言い方なんだよなぁ。「黙って」の言い方とかシリアスな場面なのに笑い起きちゃうし。浦イトは「何で!!!!!」ってめっちゃ語気強いし、「黙って」は静かに圧してる。

 

「キラ」の最後の歌詞がこの「デスノート THE MUSICAL」の神髄ですよね。

 

自分が世界を変えたと思うか 教えてやるぜ

変わったのは名前だけだ そうだろ キラ キラ

救世主はお前じゃない キラ キラ 人間たちが作り上げた   

 

「キラ」は人々が作り上げた仮面。それが色濃く出ているのは柿ライト。人々がキラのことを非難していたら、多分柿ライトはデスノートを放棄していたんじゃないかと思う。だけど人々が称賛し、盛り上がったからこそ、「キラ」として生きることになった。浦イトはね~人々がどんなリアクションを取ろうと自らの道を進んでそう~。自分の正義を確立するために、非難されても実行に移し続けて、ある種の恐怖政治的なこともしそうと勝手に想像している。

 

そういえば大黒ふ頭でLに撃たれる箇所が柿ライトは大腿で浦イトは腹部と違っていた。腹部を撃たれている浦イトを観るたびに、「腹部は内臓あるから死んじゃうよ…!防弾チョッキ仕込んでるの!?」と思っていたよ←

 

「最期の時」の死に様も本当に対照的で。浦イトも回りだす盆に乗るときにちょこちょこと足を動かして乗らまいとしていたけど、盆に乗っているときも自分がキラであることを疑わないし、そんな自分が死ぬことも有り得ないと思ったまま死ぬ。柿ライトは足掻いている。片足が盆に乗って回り始めても、もう片方の足を必死に乗せまいと堪えている。「死にたくない」。死への恐怖に怯える、愚かな高校生。

カズさんのリュークは不気味だったなぁ。おどけているときもあるし、ライトとわちゃわちゃ楽しんでいるときもあるんだけど、どこか一線は引いている感じがした。Lをレムを使って死なせる企てを話した後、レムが横になっているリュークを静かに見つめるんですよね。このときにリュークはライトの名前を書こうと思ったのでは、という感想も観たんだけど、カズリュークはそんな優しさ備わっていないような気がして。大黒ふ頭でLとライトの対決の時も純粋に楽しんでいると思うんですよね。だけどライトがLを始末したことによって、この先はライトがノートに名前を書いて殺して書いて殺して…の退屈な日々が続くことが嫌だった、という単純な考えだったのではないかと。「飽きた」の一言に尽きる。あんなに大好きだったりんごも、ライトの懐から取ったりんご(心臓のように見える)は「何の味もしねぇ」。リュークはライトの美味しいところを食べ尽したように感じた。 

 

「レクイエム」でミサの手のひらからこぼれ落ちる砂。デスノートの記憶がなくなっても、この砂がただの砂ではないことをわかっているミサに、レムとミサの愛に少し希望を感じられた。

 

allabout.co.jp

良記事すぎて泣く。

 

<カテコ挨拶覚書>

(※いつもの通り記憶を頼りに書きだしているのであくまでもニュアンスです)

・柿澤さん:本日はデスノート千穐楽にお越しいただきありがとうございました。富山から始まり、初の海外で台湾 台中公演、大阪ときて東京公演千穐楽、大千穐楽となります。

初日に栗山さんからこれは10年に一度の作品だと言われ、それを胸にやってきました。そして3日前にも来られた際、「こないだの10年に一度は言い過ぎだった」と言われました。「これは15年に一度の作品だ」と。仰ってくれました。15年に一度の作品となると、次に僕が同じような作品にに出会えるのは44歳ってことになるので、それまでどんなモチベーションでやればいいのか、このあとの打ち上げで栗山さんに聞きたいと思います。

(めっちゃ笑うカズさん)

初演のあと、栗山さん演出のもと韓国でも上演され、またこのカンパニーで台湾でも公演を行い、この作品はアジアを始め世界でも認められる作品だと思っています。東京公演中も各国のプロデューサーがいらして、ぜひやりたいというお話もあったようです。ホリプロの社長である堀やすたか、たかやす、あれ…?(ゴニョゴニョ相談)クビになっちゃう(笑)。堀義貴社長もこの作品は世界でまた日本でも受け継がれていく作品と仰っていました。再演があった際は、ぜひまたやりたいと思っています。ただ、皆さんご覧になったように一幕の冒頭、制服姿なんですよね。それがまだ着れるか…頑張ります(笑)

デスノートのカンパニーは明日からまたそれぞれ別の道を歩みますが、デスノートという作品、またカンパニーそれぞれを愛して応援していただければと思います。本日は誠にありがとうございました。

 

もう一人の夜神月役の浦井健二くんが袖にいるんですが、呼ぶかどうかは皆さん次第です。(会場拍手)呼びたいですかー(拍手) 浦井健治くんです!

マイクないから柿澤さんのマイクでということで放った言葉「カッキー大好き!」

 

大阪公演でリューク役を勤めた俵和也くんが、一言挨拶をしたいと。吉田鋼太郎さん、石井一孝さんとそうそうたる人が一ヶ月半かけて作ったものを、彼はなんと一週間で作り上げました!彼がいなければ大阪公演を行うことはできませんでした。

 

・俵さん:(自分なんかいいですとめちゃめちゃ断ってたけど、周りに押されて挨拶)

大阪公演で石井一孝さんの代わりでリューク役を努めました。僕ができたのは、栗山さん、スタッフのみなさん、オケのみなさん、キャストのみなさんのお陰です。僕は一週間で作り上げることができました。(全員笑う)そして観に来てくださる皆様のお陰です。本当にありがとうございました!

 

・小池さん:全身ばっきばきです。シングルで頑張ったみなさんにも拍手を。



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WOWOWでの放送ありがとうございますうううう!!!!!再演のスポンサーにWOWOWの文字がなかったから、今回はないものだと思ってたよ~。

ホリプロさん、放送したとしてもDVD発売してくれていいんですよ?買うよ??再演版のCDも発売してくれていいんですよ??買うよ???(言霊)

 

カンパニーの皆様、本当にお疲れさまでした!!!楽しい日々をありがとうございました!!

謝謝!!!!

「人間風車」@東京芸術劇場プレイハウス 2017/10/1、10/7マチネ、10/9千穐楽

凄まじかった。

2時間25分休憩なしのぶっ通し。観客に休むことを許さない、引きずり込まれるような展開。前半、平川が作った童話を劇中劇のように再現しているときはクスクス笑える内容だったのに、後半からの急転直下。内蔵をギュッと掴まれてヒュッと冷えていく恐怖。

気持ちよく劇場を出ることなんてできないからな…!

 

計3回観劇しましたが、2階席・1階最前列・1階後列と席が様々で、個人的には1階後列が丁度良かったかなぁと。恐怖をある程度避けながら観ることができたので(成河さんの仰る「密度」から遠ざかる見方ですが…)。

 

 

以下、がっつりネタバレです。未見の方で観劇予定の方は観劇後にご覧ください(成河さんも前情報なしに、と仰ってたので!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人生初めての舞台最前が人間風車って、凄まじくヘビーでした。逃げられない。逃がしてくれない。後半ずっとボディブローくらってました。でも初回が2階席だったのはありがたかった。初回で最前だったら恐怖で泣いてたわ、これは。

 

成河さん演じるのは売れない童話作家。自分で作った話を公園で子供たちに聞かせる青年。平川という役は「語れる」役者じゃないと成り立たない。成河さん凄いわ…。童話を語るときの平川がすごく好きだ。劇中劇もあるんだけど、成河さんの語りだけでも十分童話の内容を想像することができる。ワフー(狼酋長)のときの女性、老人、男衆の声の使い分けは成河さんの声を存分に堪能できる。子供たちは平川の話ではなく語りを聞きに来ているのでは?と思ってしまった。わたしも参加したい。

劇中劇はそれはそれで面白いんですけどね!特に小松さん・今野さん・堀部さんの面白さが絶妙。小松さんと堀部さんの姫はパッと見わかんなくて、双眼鏡で確認して噴き出したよww個人的にはオロの話で王に仕える小松さんが踏まれている足の痛みに耐える姿がおかしくてしょうがなかったww痛みで失神しそうになるあの感じ、見事だった!!星野かがやき先生が日替わりって知らなくて、完全に自分のスケジュールでチケット取ったら全部小松さんだった。1回くらい今野さん観たかったなぁ~。だけどフリスクとロウソクは毎回笑ってしまったww

 

矢崎くんはロミジュリ2017のベンヴォーリオ以来。あの可愛くて優しいベンヴォーリオはどこに行ったの???RJ大千穐楽のときに私服で登壇してわたしの目が奪われた、あのぱっつん前髪の可愛い矢崎くんはどこ????って悲嘆に暮れるくらい嫌なやつでした、小杉。TVディレクターというのが納得のチャラさと横暴さ。赤い長財布とか「ですよね!!」って思った。ベンからの小杉は振り幅大きすぎた。でもあれですね、ベンのときはだぼっとした服装だったので気づかなかったんですが、めちゃめちゃスタイル良いっすね…足長くてびっくりした。

 

良知くんはお名前は見かけたことはあるんですが初めましてでした。初っ端のケリーで出てきたとき、綺麗な顔だなぁとまじまじと見てしまった。

ミムラさん、むきたてゆで卵みたいにつるつるぴかぴかしてた!嫌悪感を抱かせないあの女子感!!「アキラ、子供になる~~o(^o^)o」をこんなに清々しい気持ちで観れるなんてと妙に感動してしまったw

そしてサム役の加藤諒くん。「大人だけど子供」を見事に演じてた。これメンタルごりっごりにやられてしまいそう…最後まで頑張って…!

 

みんな言っていますけど、中盤までは笑いながら観れるんですよ。でも平川がサムのことを面白おかしくアキラに語るところから内蔵がヒュッと冷たくなっていく。最初は弟のことをバカにされたことに怒っているのかなと思ったんだけど、2回目のときに「アキラは“業”を背負って生きているからだ」とストンと腑に落ちた。幼い頃に自分のせいで弟サムに障害を負わせてしまった“業”。アキラは30年以上その業を背負って生きてきたし、これからも背負わなければならない(サムと二人暮らしって言っていたから誰にも頼ることができない)。山際の言う「死ぬまで生きる」ことが求められる人生。「大人にならなきゃ。31歳だもん」という言葉には、サムを想う気持ちももちろんあるけれど、「大人になってもらわなきゃ自由になれない」「背負っているものを軽くしたい」という気持ちもあるんじゃないかな。必死に背負ってきた業を「おかしいでしょ?ww」って言われたら、しかもサムのことを話せる人と思った平川から言われたら、平川に対する怒りとともに自分への怒りが激しく沸いてきたのかなと感じた。平川は弟をバカにしちゃったから怒らせてしまった、くらいにしか感じてないだろうなぁ。"業"というものをこの時点で平川は知らない。

 

その後の平川の呪詛のような恐ろしい物語。もうさ、成河さんの語りって凄いじゃん?表現力やばいじゃん?その語りであんなに詳細に恐ろしい話をされたら、脳内でその光景がありありと再生される。その物語を聞かされているサムが「アアアアアアアアアアアアアアア」って叫んでいるんだけど、この「本能的な拒否感」が自分とリンクしてすごく苦しかった。トークショーでも成河さんが仰っていましたが、平川をどのくらい「天然」にするか悩んだと。ただ性善説で生きている"いわゆる天然ちゃん"であれば、こんな恐ろしい物語は作りださない。人を信じてきたからこそ、平川の世界が崩壊していく様がこちらも絶望的な気持ちになる。

 

最前で見るビル(サム)の行いは視覚的にキツかった。想像していた光景が目の前で行われるというのは止めを刺される感じ。公園で蒲田が則明の目を潰すとき、「プシュッ」という音とともに血液なのか組織液なのか液体が噴き出してたんですよ。初回のときはそんなの見えなかったから、衝撃が強すぎて「ヒッ」って声を出しそうになった。国尾の場面もゴキブリを手につかんで口に押し込めていたし、壁に押し付けたとき上から無数のゴキブリが落ちてきたのも……はぁ。極めつけはアキラの場面。額にカッターを刺して後頭部まで一気に切って溢れ出す血。もうね、ホラーですよね!!すいません!!目の前に起こったことが衝撃的すぎて書かずにはいられないんです!すいません!!そのあとにアキラの髪の毛(頭皮付)を平川に投げつけて、平川がうわって投げ返すんだけど、その髪の毛の塊がわたしの!目の前に!落ちてきたんですけど!!!髪の毛が役者の誰よりも近かった客の気持ちも考えてください!!!ダンダンッ ビルがサッと回収してくれたときはまじで感謝した。ありがとう、ビル。でもねーそのビルが持っているカッターの刃に血がこびりついててさー、ディティールの細かさにクラクラしたよー。

ダニーの話はとても美しい話だけれど、平川が「サムを死なせること」を意識して語っていることを考えるととても恐ろしい。「見届ける」と言っていたけど、平川はどこか直視するのを避けているように見えたんだよなぁ。まだ業を背負う覚悟ができていないというか。

最期の場面、PARCO版とは結末が異なるようですね。過去のはどんな結末だったのかを調べたら、公園で童話を読み聞かせをしている感じなのかな?あとアキラも殺されてない感じ?(DVDを買って見ればいいんだけど、家で見る勇気がない←) 今回は「許されない」結末。平川は童話を書くことを辞め、惨劇が起こった公園から去ろうとした。だけどそこに「魔王」からの電話。ビルと契りを交わした魔王の話の続きを作れと言う。自分の罪と死ぬまで向き合い続けるために童話を書き続けろということ。

山際もアキラも自分たちの業から逃げずに生き続けてきた。平川はその「業」の重さに、この先の未来でようやく気付くのかなと感じた。

 

観終わった後、ぐったりする。これを小劇場でやられたら、ほんっとに密度が濃すぎて逃げられない。劇場でDVDの予約もあったんだけど、家で見る勇気がありません…!(2回目) 則明の目が潰されるときの「プシュ」っていう音と光景が数日間頭から離れなくて、つらかった。

 

旅公演はまだまだ続いていますね。大千穐楽まで無事に駆け抜けられますように!

 

10/1の公演後に成河さんの1人会改めトークイベントに参加してきました。その時の内容はオケピの方がまとめてあげてくれてます↓ 

okepi.net

1時間くらいかな?成河さんって聡明でユニークな方だなぁと改めて好きになりました。落ちてたフリスク食べたときはびっくりしたよ…!!w