ただの備忘録

未来の自分に贈る、舞台の記憶と感想

「髑髏城の七人 season花」@IHIステージアラウンド東京 2017/4/8ソワレ、5/6、6/4

噂のぐるぐる劇場行ってきました。事前番組や先行して観劇した方の感想を見てはいましたが、やはり実際に体感しないとわからないものですね。

この記事を書き始めたのは幕が開いて早々だったんですが、気付いたら1か月過ぎ…そしてあっという間に千秋楽を迎え、何なら鳥が始まっている…下書き置いているうちに文章が熟成すればいいのに。

ほぼ一ヶ月スパンで計3回観劇しました!(狙って取れた~vv)

演目の内容的に殺陣がふんだんにあるのですが、回を重ねるごとにスピードも迫力も増していた印象。観劇後には「ソンハーーーーーーー!!!!」と叫びたくなる。声に出して叫べないから毎回ツイッターで叫んでる←

 

まずは劇場について(色んな人が書いているけど自分メモ的に)

・周りに何もない!まさに関東荒野…!私はゆりかもめの市場前駅で降りたのですが、自販機すらない。ゆりかもめ豊洲駅の改札前にセブンがあったので、豊洲駅から移動されるかたはそこをご利用になられたら良いかと思います。駅を挟んでステアラの反対側にはこれまた話題の豊洲市場がガランと佇んでおりました。豊洲市場に移設されてたら、ここらへんももうちょっと栄えてたのかなとか思ったり。

・市場前駅から2~3分で劇場に到着します。が、外観は劇場というより、圧倒的倉庫感。客席がある棟はでっかい倉庫、ロビーがある棟は併設された小屋…。おいおい、新劇場なのにこれかよと思ってたんだけど、どうやら2020年には取り壊しが決まってるんですね。納得。

・入らなくてもわかる、ロビーの狭さ。入り口左手にカフェ、奥に物販スペース、2階にトイレ。残りのスペースにわらわらいる人々。ACTはまだ赤坂っていう土地柄、スペースが狭くなるのは理解できるんだけど、こんなに土地があるのになぜ…と思いますよね。でもこれも取り壊し前提ならしょうがないのか。

・客席は傾斜が緩やか。2列前くらいに体格のよい方が座るともう見えない。「回る客席」という構造上、客席の傾斜をつけるのは難しいのかなとは思うんだけど、舞台手前にいる役者が見えなくなるのはほんと辛い。どうにもならない悲しさ。

→2回目は25列目だったんだけど、通路後ろなので視界が遮られることもなく快適だった!!演目的に男性のお客さんも多いから、もし選べるのなら25列目はお勧め。前方で埋もれるなら25列目を選ぶ。

・客席暑い。上演し始めたら空調が効きだすんたけど、開演前はものすごく暑かった。上着は脱ぐべし。夏とか大丈夫なのかな…?とすでに鳥髑髏が心配。

・思ったよりぐるぐる回る。時計回り、半時計回りどちらにも動く。乗り物酔いはあんまりしない方なのですが、2幕中盤からなんかふわっとしてきてしまった。

 

髑髏城は以前WOWOW で放送していたワカドクロ(2011年)とアカドクロ(2004年)を見ていたので、ストーリーなどは把握していたのですが、やっぱり生は迫力が違うし、ちょこちょこ演出が違う。

 

捨之介:小栗 旬 / 蘭兵衛:山本耕史 / 天魔王:成河 /

極楽太夫:りょう/兵庫:青木崇高/沙霧:清野菜名

狸穴二郎衛門:近藤芳正 / 贋鉄斎:古田新太 

 

 以下、がっつりネタバレ。

 

 

成河天魔王、最高かよ…!!

視聴した2本では天魔王は冷徹で圧倒的な化物で、「これ、勝てなくない…?」っていう印象だったのですが(特にワカドクロの森山くん)、今回の花髑髏の成河天魔王は道化のような一面があり、狡猾で人々を見下していて。最高に狂ってる。無界屋を襲撃したときに、人を斬ったあとについた血を指で拭って、その指をペロペロ舐めるんですよ?そして返り血のついた甲冑の腕のところも爬虫類のように舐めていて。一通り人を殺した後に近くにあったおむすびを食べるんだけど、ブッって吐き出すんですよ。人の血は口に含めるけど、米は吐き出すの。最高に狂ってた。

山本蘭兵衛を「兄者!」と呼ぶときのあざとい感じとかも最高~~

それにしても冒頭の舞の美しさや(「髑髏城で待っている」の言い方堪んない)、殺陣の俊敏さとか、成河さんは何者なのさ…凄い。(真悟のときのコンテンポラリーでも感じた天才感) ただただ凄い。ぴょんぴょん跳ねる殺陣は成河天魔王だからこそだよなぁ。最後に落ちるとき、ちょっと半身傾けながら落ちる姿が美しくて見事。

 

信長公に対しての思い入れは、蘭兵衛>>>>>>>>>>>天魔王>>>捨之介のように感じた。天魔王は口では「信長さま」とは言っているけど、自分が「人」から「天」になるべき人間だと信じて疑わない。対して山本蘭兵衛は信長公を死なせてしまったという自責の念にずっと囚われてるようで。太夫と無界屋を営んでいたときでさえ、心のどこかでは信長公に果たせなかった忠義を果たすためには何ができたんだろう、とか考えていそう。夢見酒を飲んで"蘭丸"に戻ったけど、それはただのきっかけであって山本蘭兵衛はずっと"蘭丸"に戻りたかったのかなぁとか。だからずっと夢見酒にかかっていた。自らかかろうとしていたのではないかなと(捨之介は比較的すぐ目覚めたのは過去には戻りたくないと強く思っていたからとか)。効き目はどこかのタイミングで実は切れていた?そうするとどこかなぁ。無界屋襲撃の時は夢見酒にかかったままでいてほしい(願望)。夢見酒が切れてるのに襲撃したとしたらかなりえぐい。でも「縁を切るため」だとしたら、それは蘭丸になるための蘭兵衛の覚悟なのかな…あーえぐい。

だからこそ、最後の最後で「太夫、さあこい」と言って太夫に自分の止めを刺せたとき、蘭丸じゃなくて蘭兵衛の顔に見えて、とても…とても苦しかった。天魔王を庇ったことで、"蘭丸"を全うしたからこそ"蘭兵衛"の顔に戻れたのかな。恐らくだけど、このときが人生で一番曇りのない"蘭兵衛"の顔だったんだろうなぁと感じた。

太夫も無界屋の仲間を殺した「憎むべき蘭丸」を殺したのではなく、「人生を全うした蘭兵衛」を逝かせてあげたように思えて。泣いた。

白い彼岸花のなかに佇む山本蘭兵衛、美しかったなぁ…。

ただどうしても薄緑(薄水色?)の着物が膨張するように見えて、もっとどうにかならんのか…!と思ってしまった。蘭丸になってからの黒い衣装はとっても似合ってた。

 

古田さんが登場したときの客席が「キターーーー!」という感じ、もうね、ずるいwずっと笑ってたww

<ふるちんポイント>

・肉襦袢で「ミッチーーーー!!!マサコーーーー!!!」と叫んで自ら体を切る(お尻からは血が噴き出す)

・鼻歌うたいながら自転車

・火花散らすローラブレード(映像があるからこその効果!)

面白すぎるのに出オチにならないの凄い。

 

菜名ちゃんの飛び蹴り見事だった!事前番組で苦戦していた仰向けの状態でくるっと回って起き上がるのも、4月初めはちょっとぎこちなかったんだけど、2回目以降はとっても綺麗にできてた~良きかな良きかな。沙霧は髑髏の登場人物の中で、一番真っすぐな子で。それが菜名ちゃんにぴったりだったなぁ~。

りょう太夫の美しきこと!どすの効いた声も素敵だった。

青木さんの兵庫も憎めない、いい男。最後の最後に太夫に自分の気持ちを伝えるとき、なんだか尊くて涙が出てしまった。良かったな、兵庫…!

 

小栗捨之介。ワカドクロよりもずっとずっと良かった(ワカは映像だけでの印象だけど)。冒頭に舞台上で小栗捨が残って霧雨降らしたところに「髑髏城の七人」のタイトルバックが映されたとき、鳥肌がぶわぁーと出た…!座長…!飄々としているけど、男気溢れる捨之介でした。殺陣は流石というかなんというか。100人斬りはふるちんローラーブレードでちょっとした「間」ができるんだけど(それがまた面白い)、それでも迫力満点ですわ。一日二公演とかよくできるね…と毎回思う。

 

ステアラの「360度回る」という特徴を最大限に活かした演出だったか?と言われると、「うーん…?」と思ってしまうんだけど、セット転換が不要だから「セットを作り込める」という点については新感線凄かった。だって舞台の上に川が流れてるんだよ?水が流れてるんだよ??しかもけっこう川幅ある。髑髏城を脱出した後の川での殺陣、そして霧雨。スローモーションでの殺陣がまるで映画のようで、でも生の舞台で。あの場面はぶわぁぁぁっと鳥肌が立つ。

 

「回る」を一番見事に使いきったのはみんな言っているエンドロールw こういうセットの造りになってるのね!という発見と共に、キャストが各々のセットに配置されて客席がぐるっと一周するんだけど、山本蘭兵衛が腕を組んで白彼岸花の中に佇む姿とか、成河天魔王が正面を見据えた後にすっと天を仰ぐ姿がとてもとても美しかった。「天」になれなかった男…。

 

カテコ覚書

●5/6

成河さんは役が役だけにカテコでも笑ったりしないんだけど、最後捌けるときに旬くんが話しかけてるなぁと思ったらおもむろに成河さんと手を繋いで振りだすから変な声出た。そのあと近藤さんも反対側の手を繋ごうとしたら、成河さんに振り払われてたww 旬くんありがと~~~!!!

●6/4

この日は捌けるときに周りがノリノリな音楽に合わせて拳を突き上げてたんだけど、成河さんもそれに合わせて小さく挙げてたのがとても可愛かった。控えめ成河さんw カテコ2回目は出てくるときにりょう太夫の肩に手を乗せて話ながら出てきてた!捌けるときはみんなと同じように片手をしっかり突き上げてた~、みんな仲良しやね~とニコニコした。

 

 

プレスだからか殺陣の迫力がいまいちだけど動画↓ 本番は殺陣の迫力は何倍もございました!

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85公演お疲れさまでしたー!


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鳥を観に行ったときに花キャストのサインがあった!

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鳥の感想も書かねば… 

「上を下へのジレッタ」@シアターコクーン 2017/5/14ソワレ

「上を下へのジレッタ」と書こうと思っているのに、思わず「上を横へのジレッタ」と書きそうになる。お友達にお誘いいただいて観劇してきました!

横ちゃんも楽しみだったけど、ベンヴォーリオ担(@ロミジュリ2017)である私は馬場くんがどんな歌やお芝居を魅せてくれるかとっても楽しみにしていました。

面白かった~~~!

 

www.bunkamura.co.jp

 

ミュージカルではなく「妄想歌謡劇」。音楽によってジレッタが表現され、音楽によって話が展開される。下手したらいわゆる”ミュージカル”よりも歌っているのでは…?パンフレットには23曲分の歌詞が載っている親切設計(太っ腹!)。

※ちなみにジレッタというには漫画家である山辺の"妄想の世界"。人々はヘッドフォンをつけることで山辺が創り出す妄想の世界を体感することができる。

いやぁ~それにしてもアンサンブルさんたちの活躍が凄かった!皆さんがいるからこそジレッタの世界が見事に表現されていたと思う。"妄想歌謡劇"と銘打っているだけあって、曲がキャッチーで耳に残る。80年代アイドル・万博をテーマにしている曲は「まさに!」という感じ。冒頭でしょこたん演じるチエが空腹のあまり「I love you …たぬきそば」と歌ってしまうあたりとかクスッと笑えるところもあって楽しい。

 

横ちゃんは普段歌ってるイメージがないのだけど、頑張ってた~。この一年ミュージカルをたくさん観てきたこともあって「耳が幸せ…」という境地までいくかといったらそうではないんだけど(ごめんなさい)、門前は横ちゃんだからこそ演じられたんだなと。まずビジュアルがまんま手塚作品。チラシを見たときから思ってはいたけど、手塚治虫の絵のまんまの人間が存在するの?っていう。今回初めて生で横ちゃんを拝見したけど、何あの美しさ。肌の白さと黒い衣装がまた手塚作品濃度を上げてる。野心に溢れて、ジレッタを見つけた辺りからどんどん狂気をはらんでいく姿が似合う。プロデューサーたるもの横山さんには狂気を持った役を!と考えるのは性なの?(ドラマ「ザ・クイズショウ」(2009年)を思い出した。あれも白シャツに黒い衣装でしたよね?)

浜野さん演じる山辺もまた漫画の中から出てきたようなビジュアルで凄い。しょこたん演じるチエは絶食すると美人、食べた途端に肥満体型になってしまうという役どころをとってもアナログな方法だったけど、ちゃんと表現できてた。竹中さんはザ・竹中さんwww  

馬場くんはミュージカルスター役(笑)という、ある種の難しさがあったと思うんだけど、馬場くんの歌好きだなー。というかジミー役という前情報しかなかったから、初っぱなにピザ屋の配達の人で出てきたとき双眼鏡で二度見したwww 他にもパイロットや首相のお付きの人とかいろんな役やってたけど、どれも楽しそうに演じてて、ベンヴォーリオだからチャラい感じで楽しそうにやっているのかと思ったてたけど、どの役でも楽しそうにやっているのいいねいいね!

ジミーも「作られたスター」、チエと2人で歌う場面ではお互いが作られた者同士、心が通いあっているように見えて切なくなった。

 

野心溢れる門前だけど、ジレッタが政治に利用されるとなったらそれを食い止めようとするところは「ダークヒーロー」なのかな。でもそれは"正義"のためではなく、ジレッタは"エンターテイメント"として使われるべきであるという信念ゆえの行動というのが感じられた。それでも彼は誰もやったことのないエンターテイメントを実現させようと、"一線"を越えてしまった。「Ave DILLETA」~「上を下へのジレッタ」の流れが凄まじい。自らもジレッタに飲み込まれちゃうラスト、あの最後の門前の叫びは横山さんじゃないとできない。美しく狂気と絶望と懇願とがぐちゃぐちゃに混ざり合ったあの姿。そのあとの車のクラクションなどの地上の喧騒に対しての地下のシンとした静けさがたまらなく怖かった。

純粋に多くの人を驚かせたい、楽しませたいと新しいエンターテイメントを作ろうとした門前。でもそれが政治に利用される危険性、もっといえば戦争にも使われる危険性があるということを手塚治虫は漫画というエンターテイメントで伝えていたことに「凄い」という平凡な言葉でしか表すことしかできない。

 

あのジレッタの音楽をもう一度聞きたいと思って、ゲネの映像ないかと(公式のね)探したけどじゃにが絡むとなかなかないよねー。 

ってことで お写真多めの記事↓ (もちろん横ちゃんは写っていない)

natalie.mu

 

「グレート・ギャツビー」@日生劇場 2017/5/13ソワレ、5/21マチネ

男の美学、なのだろうか。

我らの(我ら?)イケコの肝いりで演出された「グレート・ギャツビー」。主役のJ.ギャツビーは芳雄さん。新進気鋭のリチャード・オベラッカーによる全曲書き下ろし。イケコ作品ではお馴染みの座組。こんなにも条件が揃っているのに、観劇後には

 芳雄さんギャツビー、歌うまー!

 万里生ニック、可愛いー!

 ねねちゃんデイジー、可愛いー!

 AKANEさんベイカー、美しいー!

 女性アンサンブルさんたちの衣装可愛いー!

 芳雄さん、トップスター様!階段降り!

 

 

…以上。

あれ?なぜだ?個々のキャストの方々は良かったのに、作品としての印象が心に残らない…。

 

2016年の観劇まとめには書いたのだけど、去年も「グレート・ギャツビー」観ているのです。内博貴くん主演で、今をときめく(?)相葉裕樹くんがニック。そのときも同じような感想だったんだよな。

 内くんカッコいいー

 相葉くんイケメンー

 せしるさん美しいー

 

もうこれは「グレート・ギャツビー」という話が私には合わないということなのかな…

 

イケコ版のギャツビーはいかに美しくギャツビーを描くか、というところに焦点を当てているように感じた。

ずっと追い求めていたデイジーと再会するために汚いことに手を染めるんだけど、そこらへんのギャツビー自身の良心の呵責とかが見えなくて…「すべてはデイジーのために!愛のために!」という感じに、"美しく"まとめられているなぁと。貧しい出自を隠して、森のなかでの「あなたはプリンス」「わたしはプリンセス」を信じて生きてきた、よく言えば”純粋な”、悪く言えば"愚かな"青年なのに、最後はデイジーを守るために自らが加害者だと名乗るというヒーロー的な結末にもにょもにょしてしまった(物語の結末はもともとがそうだからしょうがないんだけど!)。ギャツビーは美しく生きて、美しく死んでいくのが…うーんとなってしまう。

原作読んでいないので、この話にそこら辺を求めるなと言われれば、無い物ねだりでごめんなさいなんですが。

 

でもパンフレットを読み返していたら、芳雄さんも仰っていましたね。

原作に比べると、小池版はギャツビーがよりヒーローとして描かれているので。一人の女性を想い続けて、本当は手を出したくない仕事にも手を染める。すべてデイジーのためだというギャツビーは、小池先生の理想の男性像のようにも思います。 

どうやら私が感じたことは、イケコの意図するところだったようだ。 

 

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芳雄さん歌うまー!!

オケの方が舞台上にいるので、ギャツビー邸での場面とかは華やかさが一層際立つ。

わたしは両日B席での観劇だったのだけど、ギャツビーは1階席から見た方が楽しめると思う。セットが一部見切れちゃうのと、場面転換で奈落がとても使われているので、上からだとちょっと裏方的なものが見えちゃうw

 

21日マチネではシャツをばらまく場面で万里生ニックめがけて投げてて笑ったwwシャツってあんなに勢いよく投げられるのですねww

あと「真実の愛」で迫ってくるキャサリンから逃れようとする万里生ニックがめちゃめちゃ可愛かったー!!センターで歌ってる広瀬くんと蒼乃さんよりもニックを双眼鏡でめちゃめちゃ見てしまった。椅子に座りながらガタガタ逃げるニック可愛いかな~。

ちょっとこれはどうしても言いたいんだけど、冒頭のプールサイドでの場面、ガウンを脱いだ後の衣装は…どうにかならんかったのか!!!最初っから笑いそうになったよ。

 

ちなみに相葉くんのニック↓

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改めてみると全体的に若々しい。曲も衣装も。

イケコ版は"大人"の香りが充満してるね。

「紳士のための愛と殺人の手引き」@日生劇場 2017/4/29マチネ、4/30(前楽・千穐楽)

早いものであっという間に東京千穐楽。ウエンツくんのモンティも観たいなと思いつつ、柿モンティばかり通ってしまった。。。

 

モンティ:柿澤

 

あーーーもう楽しいーーーー!!って感じです。本当に。劇場を出るときの爽快な感覚。

 

演出とか展開については前にも書いたのだけど(下記参照)、前楽は前方開放席かつ千穐楽はかなり前列っていう贅沢すぎる空間だったので気づいた点をちらちらと書き連ねようかと。 がっつりネタバレしています。

ta-ma27.hatenablog.com

 

前列で観る柿モンティ、めっちゃ可愛いしめっちゃかっこいいしめっちゃ色っぽいしでずっとボディブローくらってる感じだった。「ウッ…」って呻き声出さなくてよかった。

 

「A Warning to the Audience」でアンサンブルさんが「特に前のほうは危険」と歌うときに、視線をくれる~!単純だから嬉しい。わたし、どの演目でもアンサンブルさんたちの歌が好きでして。"圧"を感じるというか"厚み"を感じるというか。特に今回の紳士のアンサンブルさんたちの歌、とても良い!バリトンからソプラノまでハーモニーが美しい。それとアンサンブルさんたちの衣装も素敵だったなぁ~。数分しか出演されないところでもきちんと1着用意されていたり、衣装へのこだわりが良かった。シベラの結婚の時のグレーの衣装と喪服の黒ドレスが特に素敵だった~~!

 

ミスシングルがモンティの部屋に訪ねてくる場面。前楽、千穐楽ともにミスシングルの食べたビスケットが柿モンティの口に入ったようになってたww

29日マチネ:口に入ったビスケットを取ろうとする柿モンティ「ビスケット…口に入っちゃった…」→ミスシングル「それはおめでとう」

30日:ビスケットが入って口から取ろうとする柿モンティ→笑う客席→ミスシングル「どうしたの?」→柿モンティ「いや…ビ、ビスケットが口に…」→ミスシングル「それは大当たりね!」にめっちゃ笑ったww 千穐楽はさらに「こんな頭のねじが飛んだおばさん信じていいのか」のあとに「しかも口にビスケットを飛ばしたこんなおばさん!」って追加しててww

 

郵便配達の人とのやり取りも、封筒を舐める(しかも配達員の顔を見ながらw)→配達員がつまんで受け取る→柿「き、汚くないから!」

 

シベラの部屋を訪ねる前にうきうきしてる柿モンティが可愛くてな。ぴょんぴょんしてる。犬みたい。シベラの腰に手をまわした時に、指をタタンッタタンッってしててウッってなった。あと「I Don't Know What I'd Do」の曲中で「ねぇ?ねぇ?好き?嫌い?」ってシベラが早口で歌うんだけど、ちゃんと笑顔で「好き」ってオフマイクで答えてる柿モンティを見つけてしまって頭パーンってなった。シベラの気持ちが分かりすぎてさ、モンティ可愛すぎるもんね?お金ないし地位もないけど可愛いもんね?手放したくないもんね?ってなる。

 

そのあとの「Foolish to Think」も可愛い柿モンティ。柿澤さんって力強い系の歌が上手いなぁと思ってたんだけど、柔らかくささやくような歌い方も素敵で。もうね、何度でも言うけど私の好みにどんぴしゃなんですよ。体育座りする柿モンティからの舞台端に座って足をプラプラする柿モンティからの綱渡りするような柿モンティからの最後にビクター(お前)。いや、皆思うよね…?ビクター思い出すよね…?

 

エゼキエル卿の頭が風で飛びそうになったとき、29マチネはツボに入ったらしく柿モンティがフフフッって笑っちゃって、エゼキエルに「なに笑ってんですカ」って言われちゃってたw市村さんの臨機応変な対応は凄いなぁ。 

 

ハイハースト城の見学ツアーも折井さんの「岩っ!」を間近で見れて楽しかった~。アンサンブルさんたちが額縁に顔をはめたときもちょっと視線くれる…嬉しい…(単純)。

 

「Poison in My Pocket」は初日と比べるとずっと滑らかに歌えるようになったなぁ。マフラーと手袋姿、可愛いよね(さっきから可愛いしか言っていないのは自覚している)。アスクイス・ジュニアを湖に落とすときに最後氷を踏むんだけど、これまでは片足でダンッて踏んでたのに、千穐楽ではジャンプして両足で踏んでた。気持ちはわかるんだけど、両足で思いっきり踏んだらあなたも氷水の中に落ちるのでは…?と思ってしまったよ?←

 

アスクイス・シニアがモンティを呼び出して、自分の息子のことを「人格者として育ててきたが…」と話すんだけど、それに対して「それは存じませんでした」って答える柿モンティが初日と比べて言い方が全然変わったなぁと思った。最初のほうはシニアの前で(本心は別にあったとしても)社会人として正しい答え方というか、”ご愁傷さまです"というスタンスで答えていた。でも後半になるにつれて馬鹿にしたような、厭味ったらしい感じで言うようになって、さすが柿澤さん!ってなった(褒めてる)。

 

ヘンリーがボートで下手から登場して「こんにちは、お魚さん~」って呼びかけるとき、ちょうど視線が上手の前方席で。「あ、わたし魚だった!」っていう気分味わえます。そして水をピッピッって飛ばしてもらえます(エアー)。わーい。

酒場でヘンリーに殴られたあとにハンカチを出して口元を抑えるんだけど、29マチネではポケットから出したときに裏地が出てきちゃったのかハンカチを咥えたままポケット直しててウッってなった。ありがとうございます(?)。ヘンリーがモンティを見る視線が日に日に熱くなっていて面白かったw

 

エマちゃんのフィービーの笑い方が気持ち悪くて最高です(褒めてる。エマちゃんのラジオに柿澤さんがゲストで出演された時に、モンティとフィービーが初めて会った時にモンティは一目惚れをするっていう演出と聞いていたので、注意深く見ていたら確かに!恋に落ちていた~!「Inside out」でフィービーがシーソーの脇にしゃがむ→モンティがその横に座る→フィービーすぐに立ち上がる、という流れで千穐楽ではこのとき柿澤さんがめっちゃ変顔してたw変顔というと失礼かな?wいや、でも面白い顔してたww

 

フィルボット男爵として現れる柿モンティがほぼ目の前にいたんだけど、めちゃめちゃかっこよくて直視できなかった。眼鏡めっちゃ似合うじゃないかよ。。。くそっ…!!

レディ・ヒヤシンスの市村さん最高かな。「Lady Hyacinth Abroad」の曲ラストで英語だと「Charity towards others is divine」のあの超高音は市村さんが歌ってるってことであってますよね??アンサンブルさんじゃないよね…??凄いなぁ…

 

一幕ラストの首を絞めようとする柿モンティのあの顔素晴らしいですよね。あの人を殺しそうな目!(褒めてる。

 

「Sibella」~「I've Decided to Marry You」~「Sibella」の流れが本当に!!大好き!!!「Sibella」の柿モンティとシベラのベットシーンがまあああ色っぽくてな!!!色っぽいというかエロい。めちゃめちゃエロい。ガン見。歌声も甘くて堪らない。そんな大人な雰囲気からのフィービー乱入でてんやわんやが可愛くてな。フィービーが帰った後に、柿モンティがドアを開けて「シベラ…」→シベラ「もう、出ても大丈夫?(嫌味たっぷり)」→柿モンティ「ハイ………ダイジョウブデス………ゴメンゴメン」って棒読みなのにめっちゃ笑ったww その後の大げさな「僕の~~~Sibella~~~」もw

 

ハイハースト城を訪問の場面。シベラがレディユージニアと話している最中に、フィービーが鎧をトントンっと叩いたらアンサンブルさんの顔が出てくるっていうのは以前からしていたんだけど、千穐楽はエマちゃんがアンサンブルさんの鼻をつまんでてwwしかもタイミング的にはかなりギリギリなところまでつまんでたww 遊び心良きかな。

 

「Stop! Wait! What?!」はめっちゃ柿澤さんで好き。「茶番もいいところだ」もめっちゃ柿澤さん。堪らん。裁判の場面で証人たちが捌けていくとき、シベラが愛おしそうにモンティを見つめているのをフィービーが見つけちゃっていたのですね。柿モンティばっかり見ていたから気付いていなかった。 

 

「That Horrible Woman」は以前感想に書いたようにフィービーとシベラが結託している説を推したい。フィービーはシベラとモンティの関係に気付いて、彼女のことが憎いはずなのにモンティを助けるためにシベラのところにわざわざ訪ねに行ったとか考えると健気すぎない…?そしてシベラも「あんなお嬢さんと結婚するなんて…!」って思ってたはずなのに、モンティを助けるためにフィービーに協力するとか。どんだけ愛されてるんだよ、モンティ!!曲中でフィービーとシベラの立ち位置が入れ替わるときに二人が握手しながらニッって笑ってたんだよね。あーこれはやっぱり結託してるわと思った。でも「バイタ!」とかの罵りは本心だと思っているw

あ、そういえば刑務所のベットでの寝ているとき、29マチネは抱き枕スタイルだったけど千穐楽は普通に寝てた。抱き枕可愛い。

 

モンティは伯爵になれてフィービーとシベラも手に入れてハッピーエンドというよりも、わたしは最後に9人目のダイスクイス家の血筋の人間が出てきたようにこれからはモンティ自身がその命を狙われる立場になったということでハッピーエンドというよりは因果応報のブラックユーモアに溢れたエンディングだなぁと思ってる。

 

とにもかくにも紳士の曲がどれもこれも本当に素敵な曲ばかりで大好きなので東宝さまにおかれましては、ぜひ!!ぜひとも!!CDを出してください!!!!!

オリジナルキャスト版を買おうか悩んでる。このごろ仕事で遅い時間に帰ったときとか「I've Decided to Marry You」や「Inside out」を聞いて元気もらっている。あれ?どっちもフィービーの曲だ。エマちゃんの歌と本家の歌、遜色ないのでは。

(※下記リンクは公式だよ!)

www.youtube.com

 

千穐楽公演だったので、メインプリンシパルの挨拶をざっくりレポ。毎度のことですがニュアンスなので悪しからず。

 

●春風さん

稽古場では形が見えず、演出家の先生を信じて作り上げてきました。まるでジグソーパズルのようでした。その最後のピースをはめてくれたのはお客さまでした。また観たいとの感想をいただいているとも聞いております。

今回一番の思い出は若い頃、客席のあそこやあそこやあんなとこから観ていた市村さんと共演できたことです。何よりの宝物となりました。

(「あそこやあんなとこから」と仰ったとき、客席を指さしてて、市村さんの過去の出演作品も仰っていたのですが聞き取れず。。。でも客席からは「あぁ~」という声も聞こえてきました)

 

●エマちゃん

このお話をいただいたときは、どうしたもんかと。フィービーという役はオペラちっくな曲だったりと色々葛藤しながら作り上げてきました。でも観た方から「地でいってるでしょ?」と言われたりもしたんですが、「本当のわたしは誰も知らない」と、そこはフィービーと共感しながらできました(笑) まだ地方公演も残っておりますので、ご都合がつく方は"ぜひ"観に来ていらしてください。

 

●シルビアさん

(柿澤さん:続いてシベラ役のシルビア・グラブェさん…シルビア・グラブさんです。)

言いにくいですよね。稽古場でも「シベラ…じゃなくてシルビア」とよく間違えられてました(笑) わたしがこんなピンクの衣装を着るなんて(笑) でも回を重ねるごとに快感になってきて、ピンクという曲で「わたし似合うでしょ ピンク!」の「ピンク!!」が気持ちよくて。もし、再演があるときは、そのときもまだピンクが着られるようにしていきたいと思います。

 

 ●柿澤さん

昨日千穐楽を迎えたWキャストのウエンツ瑛士くんがいなければ、今の僕のモンティという役はできなかったと思います。面と向かって話すのは恥ずかしいのですが、どこかで観てるのかな?いないかな?(客席見たあとに天井に向かって手を振る)ありがとう~

(エマちゃんたちに「死んでないから!」と突っ込まれる)

僕はこの前はフランケンシュタインという舞台をやっていまして、次はデスノートをやるんですけれども、どちらも何人も人を殺していく役で、終わったあとは疲弊しているんですが、今回の紳士では終わったあとも楽しくて。市村さんを8回殺すのは爽快な気持ちでした(笑) 市村さんファンの方、すいませんでした。先ほどエマも言っていましたが、まだ地方公演が続きます。ご都合のあう方は是非いらしてください。ありがとうございました。

 

●市村さん

最初は8役をやってくださいと言われていたのに、稽古場に入ったら「市村さん、9役目もお願いします」と言われて、えぇ!?って思いました。この9人目のチャンシーの声がなかなか決まらなくて。後ろの扉から舞台までの歩いている間に今日はこういう声でいこうと決めて、その日その日で演じてきました。

 (もっと話してたけど私の記憶がぷっつりとここで途絶えていた…)

 

紳士カンパニーの皆様、楽しい日々をありがとうございました!!地方公演、盛り上がると良いなぁ~。

 

可愛い(言いたいだけ)

「紳士のための愛と殺人の手引き」@日生劇場 2017/4/19マチネ・ソワレ

1日2公演ともにモンティ役が同じ人というのが、この日しかなかったのでお休み取ってマチソワしてきました~。(ほんとはマチネだけ取って、ソワレは別の演目観に行こうかなぁと思ってたのですが、様々なキャンペーンをしていた中の1つに釣られてソワレも行くことに←)

 

モンティ役:柿澤

 

平日ということで、マチネ:そこそこ前方席→ソワレ:けっこう前方席ということでほぼ肉眼で拝める世界ありがとう。モンティ役目当ての人は前方席なら上手のほうが美味しいです。わたしマチソワどっちも下手だったけど…!柿澤さんの歌とお芝居がどんぴしゃで好みだと実感した1日でした。

東京公演の折り返しに差し掛かってきているのもあってか、各キャストがより生き生きとしていて、ちょこっとアドリブが増えておりました。

 

以下、演出とか結末のネタバレしてます。

 

最初のアンサンブルさんたちのナンバー。マチネは「13:30」、ソワレは「18:30」ってちゃんとその日の始まる時間を歌ってる(休日は一時間早い)。上手袖から時計が出てるの前回まで気づいてなかった~。

1幕の柿澤さんはほんっと可愛い。愛でてる。ミスシングル、本当にビスケット食べて吹き出してたんですね!フェイクかと思ってた。シベラの部屋に訪ねて、拗ねてる柿モンティが可愛い…シベラと同じ気持ちになる(笑) あとソワレのときに前に出て「僕はダイスクイス」的なことを言うとき、思いっきり噛んで「興奮しちゃって噛んじゃった」って自己申告してたw

郵便屋さんとのやり取りが毎回違ってるようで!初日は何もなく手紙を渡してたんだけど、13日ソワレは封筒を舐めて渡したら郵便屋さんがちょっと汚いものをさわる感じで受け取ってて。そしてこの日のマチネはベロベロ舐めて、つまむ感じで受け取った郵便屋さんに「歯磨いたから!」って言ってたw ソワレは「汚くないから!」だったかな。少しずつアドリブ増えてる~。

「馬鹿げた夢」がとっても大好き…!舞台の縁に腰かけて、恋破れて夢破れた貧しい青年。愚直な青年から徐々に野心がでてくる様もさすがというかなんというか。

 

ハイハースト城で見学会が行われている場面。アンサンブルさんたちの表情が面白くてw 下手の席だったのもあるのだけど、基本的に視線は可知さんロックオンだったww

 

ヘンリーとの「それは男」。お酒を酌み交わす場面でなんとなくフランケンを思い出すのはわたしだけではないはず…。市村さんと柿澤さんの声の相性いいなぁと毎度聞きほれています。

フィービーのエマちゃんも観るたび良くなってる!ちょっと間違うと高慢なお嬢様になっちゃうんだけど、「グフフフフッ」って笑うことでなんか全部許せちゃうwその笑い方が日に日に気持ち悪さが出ててとてもいい(褒めてる。

レディ・ヒヤシンスの場面で眼鏡かけてる柿澤さんがイケメンで軽率にときめく。くそっ。その後、2幕で弓をもって登場するとき、初日のほうはスタスタ歩いてきていたのに、スキップ?小走り?みたいな感じで登場するようになってたw

 

2幕は「シベラ」~「結婚します」~「シベラ(リプライズ)」の流れが楽しくてキュートで好き。慌てふためく柿モンティが可愛い。そういえば13日ソワレでベストを裏表間違えたからか、着る前にしっかり確認していたw 途中で頭がパーンとなって勢いよく魚のようにベットに飛び込むのが毎回面白くて笑ってしまう。

 

食事の場面、初見では流れるように見てたんだけど、結末を知るとワインがどのように動いているのかと注目して観たら!ようやく!わかったよ!!(遅い

ワインセラーからワインを出すメイド→別のメイドに渡す→デキャンタに入ったワインを執事が持つ。ってところまでは2回目で確認したんですが、何度見てもデキャンタに入ったワインを執事はアダルバード卿とシベラに注いでいて。しかもシベラはデキャンタに入ったワインを飲んでて、「あれ?」と。裁判の証言で執事は「ワインはアダルバード卿しか飲んでいない」と言っているんですよね。いやいや、シベラ飲んでるやん!なんで嘘ついてるの!?って思ってたら、ちょうどシベラが飲んでいるとき執事はアダルバードの銃を手にして客人たちから視線が外れていて「……!!」ってなりましたよね。

シベラも飲んでいたデキャンタに入ったワインには毒は入っていない。他の使用人たちは犯人じゃないっていうことをちゃんと示していたんですね。しかも、テーブルの上にあったグラスやお皿はアダルバードが机の上に立ち上がろうとしたときに使用人たちが全部取り上げていて。だからこそ犯人は最後にしれっとグラスを渡した彼女なんだと。

 

ヤードが来てから裁判の場面は「Theカッキー」(笑)。「いや!待て!!何!?」はものすごく柿澤さんっぽい曲(めちゃめちゃ好きです)。ソワレは噛んじゃったのか飛んじゃったのか、ちょっと危ないところもありましたな。

「邪悪な女」のフィービーの吐き捨てるような「バイタ!」が日に日に良くなってる(褒めてる。ここの場面、2人は結託して裁判を混乱させようとしてるってことでいいのかな?この1つ前の場面でフィービーがシベラとの関係をモンティに尋ねて関係性を察していたから、前回の観劇までフィービーはシベラに罪を擦り付けようとしているのかなと思っていたんだけど(逆にシベラはモンティを独り占めしたいからフィービーに擦り付けようとしていた)、最後にフィービーとシベラが笑顔で握手しているところを見るとそのほうがすっきりするかなぁと。あと「直筆の手紙」をお互い持参しているところも考えると。

そういえば、裁判前夜の柿モンティがベッドで寝て起きる場面。初日と今回のマチネは普通だったんだけど、13ソワレと今回のソワレは抱き枕みたいにしててさ…なに、ソワレは抱き枕スタイルなの?可愛いなおい。

 

フィナーレで柿モンティが「我こそが伯爵」と高らかに歌っているときに市村さんの9役目が現れて、「これにて終わり…"じゃない"」で幕が下りるんですが、これってモンティは晴れて伯爵になれたけど、これからはモンティ自身が次の継承者に狙われる可能性がある(=伯爵になったことでモンティの話は終わらない)ってことですよね。最後のオチで9役目のダイスクイスは自ら毒を飲んでいたけど、名門伯爵家の継承者である人々が虎視眈々とその地位を狙っているよっていうまさに因果応報。ブラック・コメディ万歳。

 

 ソワレのカテコが可愛かったのでざっくりレポ。柿澤さんとエマちゃんが上手に捌けるんだけど、かっきーが下手に捌けるビアさんに投げちゅー連発→投げちゅー返すビアさん→ふてくされるエマちゃん、かっきーを叩く。エマちゃんの背中に向けて投げちゅーしながら追いかけるかっきー。の流れが可愛すぎた。そのあとカテコ4回目になるのかな?いつもよりカテコが1回多かった。捌けるときに下手のビアさんに再び投げちゅーするかっきー。ふてくされるエマちゃんの口に向けて投げちゅーするかっきー(※至近距離で)の流れも最高でした。

 

マチソワしたのもあるのか、頭の中にずっと紳士の曲が流れてる。「派手さ」というのはないんだけど、どの曲もとっても素敵なんだよ~!!CD出ないかな…。オリジナルキャスト版を買おうか迷っているので、早々によろしくお願いいたします!!東宝さま!!!

「紳士のための愛と殺人の手引き」@日生劇場 2017/4/9マチネ、4/13ソワレ

わたしの!春の!現場祭り~!!!に突入しました4月です。

フランケンでどっぷりはまった柿澤さんの舞台。勢いでそこそこチケット取ったから、幕が開くまでこちらもドキドキしてたんですが(笑)、楽しい!面白かった!!とすっきり爽快な気分で劇場を出ることができました。

 

4/9マチネ・4/13ソワレ:モンティ役 柿澤

 

モンティの回想録として物語が進むので、舞台セットも本を見開きにしたものが奥にあって、そこからいろんなセットが現れてくる形。飛び出す絵本みたいな感じで可愛い。オケの人たちは舞台上手の奥まったところにいて、客席からもちらっと見える。

 

音楽はクラシカルな感じだけど、これ歌うのは物凄く難しい曲ですよね??モンティで言えば、「これしか音がないのにこれだけの言葉を入れ込むの…!?」って驚いた。特に湖の場面での「ポケットに毒」。3拍子でリズムは優雅なんだけど、単語に対する音が全然足りない。よく口が回るな~と。初日は柿モンティは丁寧に歌っていたのをオケの人たちがうまい具合に合わせてくれていたように感じたけど、13日のソワレはかなりスムーズに歌えてたかと。

フィービー演じる宮澤さんもこれまた難易度が高い曲ばかりで、オペラのようなソプラノ。初日はけっこう癖があるかなぁと思ったけど、2回目はぐっと耳なじみが良くなっていた。シベラ演じるシルビアさんはアルトで、2人が一緒に歌うところはソプラノとアルトが綺麗に重なっててとても良かった~。

 

主役の市村さんは流石なエンターテイナー。8役を演じるんだけど、どの役もキャラが濃くて、出落ちになっちゃうかもしれない危険性もあるのに、ずっと面白い。そしてそれぞれの役が全部違うんですよね~当たり前なんだけど凄い。個人的にはレディ・ヒヤシンスが好きなんだけど、モンティと酒を酌み交わしてくれるヘンリーも推します。

市川さんは早替え大変だろうなぁと思うんだけど、同じくらいアンサンブルさんたちもかなり大変。12人でそれぞれ何役やってるんだ!?っていう。1幕冒頭と2幕冒頭でアンサンブルさんメインの曲があるんだけど、曲も演出も好みで嬉しい。可知さんと折井さんはパッと見で判別できるくらいになりました(笑)

 

モンティの回想録なのでモンティ自身が物語を進めるし、ダイスクイス家の人々を殺すときも出ているので、かなり出ずっぱり。9割以上モンティが舞台上に出ているのでは…?しかもずっと歌ってるし、めちゃめちゃ柿澤さんを満喫できた…至福…。これモンティ役目当ての人はたまらないのでは。チケ代のコスパ良すぎる。

1幕の柿モンティはとりあえず可愛い。あの柿澤さんが可愛いんだよ?すごくない?(お前) 椅子の上で体育座りする柿澤さんは可愛すぎて保護したくなる。あとシベラの部屋に入る前に嬉しくてぴょんぴょん跳ねているのも可愛くてな。それがどんどんと地位が上がってくるにつれて自信がついて纏う雰囲気も変わってくるんだけど、2幕くらいになるといつもの(?)柿澤さんになってくる(笑) 自信に満ち溢れた役、凄くお似合いですわ。

2人の女性が鉢合わせになりそうになる「シベラ」~「結婚します」の流れがドタバタで可愛い。13日のソワレはその場面でベストを着ようとしたら裏返しで、表に直して着なおしたんだけど時間が足りなくて、ものすごい胸がはだけたままだったww 表も裏も白いからね!わかんないよね!w

 

分類すると「コメディ」なんだろうけど、ものすごく難しい曲を歌って真面目に演じながら面白いことをしてくれているので、物足りなさとかないんですよ。今後、どういう風に変化していくか楽しみです!

 

話の展開やその他の演出についてはネタバレになりそうなので、追々書きたいと思います。

チケットまだあるから、ふらっと観に来れるよ!!(宣伝)

 

追記

初日の柿澤さんの挨拶ざっくり(ニュアンスなので悪しからず)

「昨日はWキャストのウエンツくんの初日をグランドサークルの席から観ていたんですが、素晴らしくて。昨日の夜から緊張してて、一幕終わったあとに市村さんと抱き合って『大丈夫だったよ』と声をかけてもらったんですが、ふと下をみたら社会の窓が全開でした。それくらい緊張してました。僕はけっこう人を殺す役が多いんですけど、次回のデスノートでもあれなんですけど、こんなに楽しみながら人を殺す役は初めてです。市村さんファンの方、ごめんなさい。」

自覚してらっしゃる!ww 

月組「グランドホテル/カルーセル輪舞曲」@東京宝塚劇場 2017/3/19ソワレ

お久しぶりの東京宝塚劇場月組は以前WOWOWで放送していた「1789」でメインどころはなんとなーく見覚えがあったのと、ツイッターに時々流れてくるヅカ写真でなんとなーく刷り込まれていたので、より面白く見ることができたかなぁと。

 

役替わりはCパターン

ラファエラ:暁、エリック:朝美、フラムシェン:海乃 (敬称略)

 

整然と並べられた椅子と規律立って動く組子たち。大きな舞台転換は全くないのだけど、この椅子をどう動かすかでグランドホテルの各フロアを作り出していたのは面白かった。あんなに贅沢にアンサンブル投入できるのは宝塚の強みだよなぁ。イエローパヴィリオンでのダンスシーンは圧巻だった。動きが揃いすぎてて怖いくらい。

 

珠城りょうさんのトップお披露目公演とのことだったのですが、目を奪われたのはエリザベッタ役の愛希さんとオットー役の美弥さん。

 

愛希さん、舞台化粧していないときのお顔は凄く可愛らしくて、個人的に宝塚というよりアイドルみたいなお顔立ちだなぁと思っていて。それなのに「39歳と39カ月」の年相応の落ち着きと品の良さ、そして滲み出る疲労感が素晴らしかった。それが男爵と出会って恋に落ちたときのときめきや慌てぶりがめちゃめちゃ可愛くて、少女のようにキラキラしてた。宝塚の方々はバレエの基礎ができているからか、エリザベッタがバレエのレッスンするところとか、ふとした動きの足の運びがバレリーナのそれだったりで美しかった。レビューのときも思ったんですが、愛希さんのスカートの翻しかた天才的にお上手じゃないですか?娘役さんはみんなできるのかな?どうやったらスカートが美しく見えるか、特に足を上げるとき、全て計算されているようだった。あと「Bon jour. Amour」がフランス語独特の喉の奥で鳴らすような発音もきちんとできていて驚いた!幻影のときの黒い衣装でのダンスも美しかったなぁ。

 

美弥さんは1789のアルトワ伯が美しかったのを覚えていたのだけど、今回のオットーは凄い可愛かった…!可愛いは語弊があるかもだけど、愛らしさが堪らなかった。フラムシェンとダンスをするとき、腰がものすごく引けてたどたどしく踊るさまとか可愛いのかたまりだった。美弥さん、目が大きすぎてこぼれるんじゃないかと心配してしまう(え。

 

回転扉から入ってくる人と出ていく人。この世に生を受けた者と人生を終えた者。グランドホテルで人生を交わった人々の群像劇、とても面白かった~。東宝版も観ればよかったと思ってしまったよ~。

 

余談ですが、レビューの幕が開いたときに木馬が4頭見えたときの衝撃が凄かった。あれ、トップの人が乗ってくれると思ったんだけど、乗らなかった…残念…。