ただの備忘録

未来の自分に贈る、舞台の記憶と感想

「フランケンシュタイン」@日生劇場 2017/1/28マチネ

しんどい。

柿澤小西、しんどい。

 

粘って粘ってチケット探して、当初は諦めていたかきこに回を観劇できました!!諦めなくて本当に良かった…!!東京my千秋楽。

 

ビクター/ジャック:柿澤、アンリ/怪物:小西

 

柿澤×加藤の組み合わせでかきビクターにやられ、中川×小西の組み合わせで小西アンリにやられ、しんどい×しんどいの組み合わせやばい…と観劇数日前からとてもしんどかった。結果、やっぱりしんどかった。「しんどい」「苦しい」がとても多く出てきます。語彙力こい。

 

あきビクターの感想と同じこと書いている部分もあるけど気にせず書く。 

ta-ma27.hatenablog.com

 

かきビクター好き。やっぱり柿澤くんの歌が好きだ。怒りや悲しみで感情がむき出しになったときの歌声がたまらない。1幕のビクター、ほんっとに苦しかった(わたしが)。2幕のジャック、ほんっとにゲスだった(かきざわが)。

 

小西アンリ、戦場で初めてビクターと出会ったとき、それまで死んだような目をしていたのに光が灯ったのが見えた。これがのちの「恋をした」とき。

かきビクターは周りの人に対して尊大だったり、自信過剰だったりで普通なら煙たがれる存在。だけどそれは「自分を守るため」のようにも見えて。「呪われた子」と蔑まれないように、自分を大きく見せているように感じた。戦争から帰還して屋敷に入った瞬間の不安げな表情だったり、久しぶりに再会したジュリアやエレンともうまく目を合わすことができなかったり、実験で失敗が続いてもう駄目だとやけ酒したりと、どこか幼い子供のようなところがあって憎めない。

酒場の場面って唯一の明るい場面だと思うんですが、ほんと心のオアシス。小西アンリが「ここは僕がおごる」と宣言して、客たちがうぇーいってアンリを輪の中に入れて騒ぎ立ててたところ、かきビクターは端っこにひとりぽつんと羨ましそうに寂しそうに立ってて(加藤アンリのときもそうだったかもしれないのだけど、ちょっと記憶にない←)。子供のころから友達もおらず1人で生きてきたのがありありと出てて、苦しくなった。人との関わり方がわからないんだよね。その場面、あきビクターは面白そうに見てたような気がするけど、自分の記憶に自信がない。だけどあきビクターは客たちの中にうぇーいって自分で飛び込むことができそうな感じはする。かきビクターは絶対できない。

小西アンリ、ビクターが「飲~み干そう♪」って歌うと追いかけるように「飲み干そう」って囁くように歌うのがすっごい好き。ときめいてしまった。最後のほうに2人が酒場のテーブルの真ん中に座るとき、かきビクターが小西アンリの右足に自分の左足を乗せて座っているのを見て、双眼鏡を握る手に力が入りました。甘えちゃってる感じがものすごく可愛いね…??オケピに吐いて「I'm sorry」って言うし(そしてその下に位置する演奏者の方@オケピ がスコアでガードするっていうw)。最後は酔っぱらって二人で大の字になってる光景、この後起こることを考えると尊くて辛くなった。

ルンゲとのやり取りは「ルンゲ…(ちゅっ) お前は…(ちゅっ) ほんとに…(ちゅっ) いいやつ…(ちゅっ) だ…(ちゅちゅちゅちゅちゅ)」と、片頬ずつ→おでこ→鼻→口の順かな?でめっちゃちゅーしてた。そして小西アンリもかきビクターと同じようにちゅっちゅしてて、ルンゲ役得すぎたw

 

そっからの裁判の場面で落差が激しい。観劇中、動悸がひどかった。

椅子に体育座りして考え込むかきビクターが子供のような幼さを放っていて苦しい。そこからの「僕はなぜ」の歌。かきビクターは幼い頃の周囲の人間の圧倒的な悪意・狂気によって、彼の心の中に「怪物」が生まれてしまったように見えて。でもその「怪物」は「より多くの人を救うための人体再生術」という希望・理想であると自分では思っていた。それまでは。だけど「アンリの首を欲している自分」という本物の怪物の姿が見えてしまったことへの恐怖、研究者としての欲、かけがえのない友人の命を奪うことへの葛藤が歌声に乗っていて…とても苦しかった…。しんどい…。

小西アンリは「自分の生きている意味をいまだに見つけられていない」と言っているそのままに、死に場所を探し求めているように見えた。彼が生きているのは「余生」。だからビクターの罪を自分が被って、死刑を宣告された時も静かに自分の運命を受け入れていた。「こうなるときがやっときた」そんな感じ。静かな笑顔がつらい。泣きじゃくるかきビクターを抱きしめる小西アンリの姿、息できなくなるくらい苦しくなった。かきビクターにとっては唯一自分の理想に共感してくれた「親友」…。

その後の「偉大なる~」の曲。彼の中の「怪物」が意志をもって動き出した。アンリの首を愛おしそうに頬に寄せる姿、狂気。怪物が動き出したとき、かきビクターが指を口にくわえて笑い声を噛み殺そうとしている姿もまた狂気だった。そして自分が創り出したものは"美しいものであるはず"だという驕り。人を殺めたり、傷つけたりしない。そう思っていたのにルンゲを失ってしまった時の絶望的な表情…「神はまだ呪うか」。曲のラストで「アンリーーーーー」と歌うところ、最後のところをキー上げていてぞくっとした。

 

1幕だけでこんだけ書いてしまった。幕間、苦しすぎてぐったりしてた。

 

2幕の闘技場の場面。かきジャックのゲスさに磨きがかかっていてほんとひどかった(笑) あきジャックはエヴァ>>>>>>>>あきジャックの力関係なんだけど、かきジャックはエヴァ≧かきジャックくらい。残酷なこともエヴァと同じくらいする。

加藤怪物には「下手くそ」って言ってたのに、小西怪物には悶えたと思ったら「お達者♥」って言ってて「ゲス澤…」って思ったよ!しかも加藤くんの時は客席側にお尻向けていたのに、今日の小西さんの時はちょっと横向き加減になっててこちら側に何してるか見えるようにしてたよね??お前さんよ??ほんとジャックのときのかっきー、ものっすごい自由に楽しんでるw 平泉成さんの声真似→フェルナンド「なんだそれは」→「大人の事情で言えない」とか言うし(笑) 「I have a アンリの首♪ I have a ビクターフランケンシュタイン♪ っっっんーーー!!!怪物くん♥」→「滑ったみたいになったじゃねぇか!」→小西怪物に向かって「お前は笑うんじゃねぇ!」って杖でぶん殴ってて、まぁひどかった!(笑) 

 

小西怪物とカトリーヌ。恋をしているように見えた。薬を盛られた水を差しだされた時も、愛おしそうにカトリーヌの手に触れていて。観ているとき、森の中で子供に語らう場面での「どう恋をして」という歌のフレーズが頭の中で流れてきて、苦しくなった。恋をしたカトリーヌに裏切られて、「見るな!この化け物!」と罵られるところ。加藤怪物は赤ちゃんだから(←言い方)、罵られてもカトリーヌを母のように慕っている表情をしているんだけど、小西怪物は裏切られた絶望とカトリーヌへの恋心が入り乱れた目をしていたように感じた。そう。加藤怪物はカトリーヌに裏切られても彼女のことを信じ切っていて、その後人間を憎んでいるけど、どこかで人間にまだ期待しているんじゃないかって思える。だけど小西怪物はビクターに裏切られ、カトリーヌに裏切られ、人間に1mmも期待していない。怪物として生きることに絶望しか感じていない。「創造主」と話すときの声はとても冷たい。

 

森の中でも子供との場面。「友達」という言葉が口から出てきたとき、はっとした表情をしていた。「なんで友達って言ったんだろう」。でもそのまま心に任せて「友達」という言葉を続ける小西怪物。

「怪物」って周りの人間がそう呼んでいるだけで、彼自身は決して「怪物」として創造されたわけじゃない。体がつぎはぎで、生きるために・自分を守るために力を使った。子供が「誰かが作ったの?」って無邪気に尋ねたとき、「あぁ、こんな小さい子供のなかにも"怪物”がいる」と思った。彼自身もそう感じたんじゃないかな。「どうして…?」「首に傷があるから」。人間は見た目だけで彼を「怪物」と恐れた。彼自身がどのように思い、生きているのかも知ろうともせず。創造主のビクターでさえも。ビクターが創造主になってしまう最後のスイッチを押したのはアンリの死。そしてそのアンリの死を生み出したのは、街の人々の自分たちを脅かすものへの恐怖、狂気という名の「怪物」。この子供のなかにもそんな「怪物」がいる。そんな思いで子供の首に手を回したのかな…。でも首に手を回してからがとても長かった。逡巡しているような。だけど、結局彼は手を外した。無関係の子供を殺めてしまおうとする自分の中の「怪物」の存在に気が付いたから…?それとも彼と出会ったことで子供の中にある「怪物」は影を潜めると思ったから…?

 

ラストの北極の場面。銃をかきビクターに渡すとき、小西怪物はとても静かな顔をしていた。ようやく待ち望んだ死を迎えられる。何歩か後ろに下がって、ビクターに狙えよと言わんばかりに左胸を露わにする小西怪物、やばい(急に語彙力失う)。撃てないビクターに襲い掛かろうとして撃たせ、「これで本当に1人。これが俺の復讐」。怪物になってからは「創造主」としか呼んでいなかったのに最後の最後で「ビクター」と呼んだ。アンリの記憶ではなく、彼自身の言葉に聞こえた。

親友を失い、義父を失い、姉を失い、妻を失い、そして最後に再び親友を失ったビクター。彼の顔を腕に抱いて、「神よ俺を呪え」と歌う。しんどい。ものすごくしんどい。絶望を全て背負いこんでいて、辛い。「フランケンシュタインーーーーー!!!!!」と叫ぶのが、怪物を創造したときの自信に満ち溢れたものと全く違っていて苦しい。しんどい。

 

ほんっとに苦しくてしんどかった。けど、楽しかった。しんどかったけど。

 

4000文字超えたようです。そして書き始めて6時間くらい経ってます(→その後、追加しては書き直しを繰り返してトータル12時間くらいかかってんじゃないかな…)。少しずつ少しずつ消化していきました。思い出しては苦しくなって、書いては苦しくなって、を繰り返していた。

ここまでフランケンシュタインにがっつりはまるとは思っていなくて自分でも驚きです。でもこれはキャストの熱量だったり、魅力的な音楽や照明の美しさ、すべてが相まっての当然の流れですよね。もっと入りたかった。

なんでロミジュリとだだ被りの日程なんだよ!!主催者!!!もっと言うと、真悟ももう1回は観たかったんだぞ!!!

 

そしてこんなに柿澤沼にずっぽりはまるとは。紳士~のチケットそれなりに買い足したよ?そして観劇後の物販で流れるようにスリルミーのCD買っちゃったよ?沼にズブズブ…

地方公演がもっと日程があったら良かったのに。名古屋大千秋楽、行きますね。 

 

とりあえず東宝さまはCD販売してください。どうかお願いします。

 

●今日のルンゲ●

・かにピラフ

・「質問ですか?命令ですか?」→「しばかれたいんですか、どうなんですか」→「…友よっ(とんとんっと胸を叩く仕草)ってやってほしいんです」→「絶対やだ」

「フランケンシュタイン」@日生劇場 2017/1/22マチネ、1/26マチネ

やっと書き上げた、あきビクター回の感想。

1/22マチネ ビクター/ジャック:中川、アンリ/怪物:加藤

1/26マチネ ビクター/ジャック:中川、アンリ/怪物:小西

 

Wキャストの醍醐味。こうもアプローチが違うのかと!本当は交互に見たかったけど、自分の観劇スケジュールの都合上、かっきー2回→あっきー2回となってしまった。しかもアンリ/怪物は加藤くん3回→小西さん1回の順だったのでもっとどうにかしたかった。

 

あきビクターは「研究者」だったなと。口ぶりは丁寧だし、理論的に話そうとしていた。帰還後の屋敷でのステファンとの会話とかまさにそれなんだけど、質問されたことに対して無駄な答えはしない、という印象…かきビクターと全く同じ台詞なのにこうも違うのか。特に「ドイツ人女性は~」のところは有益な情報を教えてあげよう、というふうに見えた。(かきビクターは下世話なことを言ってやろう、場の雰囲気を壊してやろう、という考えを感じた) それがとても"理系の人"そのものだったなぁと。

ビクターには他の人とは違う思考や哲学を持っていて、周りの人間からするとそれは「魔女」だったり「呪われた子」だったりと表現され、ジュリアやエレンはそれを「天才」と表現していた。 幼い頃に周囲の人間の圧倒的な狂気にさらされたことがビクターの人格形成に大きく関わっていると思っていて。かきビクターは人に唾を吐かれないように、人に下に見られないようにと自分を守るために、尊大な人間にならざるを得なかった。自分の中の「怪物」は「亡くなった人を生き返らせる」という理想。だけどその「怪物」をどこか恐れていて感情的で不安定で。対するあきビクターは自分の中の「怪物」と共存していて、あくまでも観察対象で、冷静に分析していそう。それが顕著に表れていたのがアンリが捕まってしまった後の「僕はなぜ」。かきビクターは自分の中の「怪物」への恐怖も感じたけど、あきビクターは自分の中の「怪物」がどのように成長するのかを客観的に見ていたように思えた。そしてあきビクターは「偉大なる~」の歌で、自分の中の「怪物」が自分の一部になっていた(かきビクターは「怪物」に取り込まれそうになった感じ)。怪物を創造したとき、研究者としての実験が成功した興奮と友人を蘇らせたことへの高揚、自分が「神」となったことへの悦が体の内側からほとばしっていた。

 

2幕のあきジャックはエヴァの旦那というより下僕w かきジャックと違って、残忍なことはできないし、カトリーヌへのえぐい仕打ちも目をつぶっていたりと、エヴァの暴行はとても見てられない…> < って感じが可愛かった。。怪物とカトリーヌの密会を見つけたときも⊂( ・ω・)⊃キーンって手下と現れてきてて可愛かったw なんだろう、全体的にあきジャックは小物感が可愛かったw

 

加藤くんのアンリはビクターに出会って「一緒に夢を叶えたい」と願っていて、「君の夢の中で生きられるのなら」という言葉には、君の理想が実現したらまた"僕と"会えるから、落ち込まないで、とビクターを想って歌っているようで。でも本当はこの先もずっとビクターと共に生きたかったという心も見えて、加藤アンリの最後の微笑みは切なくて切なくて。

小西さんのアンリはずっと死に場所を探しているような雰囲気を纏っていた。ビクターについてきたのは「いつ死んでも構わないが、この命を捧げるならビけクターのために」という印象。だから身代わりに死刑に処されると決まったときも、「やっとこのときがきた」と言わんばかりの静かな決意。「君の夢の中で生きられるのなら」は小西アンリ自身がビクターの夢のために尽くせればいいと思っているので、ビクターの友を失いたくないという想いと悲しいほどすれ違う。

怪物のときもアンリと同じイメージ。加藤くんの怪物は創造されたときの赤ちゃんっぷりに現れているように、最初の刷り込みさえ上手くいっていればほのぼのとした"怪物"になれたんじゃないかな。お花を摘んで少女と微笑みあってる光景が目に浮かぶ←

怪物として人間に恐れ、疎まれ、殺されそうになる日々だけど、またカトリーヌのような人間が現れるんじゃないか、創造主ビクターももしかしたらそうなんじゃないか、とどこか人間に期待をしていた。そして森の中の子供との場面はアンリとしての記憶がふっと出てきて言葉に出てきてしまったように見えた。「友達」、そしてラストの「ビクター」。親友を2度も殺してしまったビクター。かきビクターは「絶望」を、あきビクターはなんだか「希望」を感じたんだよなぁ。希望というには違うんだけど、最後の「フランケンシュタイン」という歌声に強い光を感じた。

小西さんの怪物は創造されたときから人間の汚い部分、恐ろしいところを目の当たりにして絶望していたところに、カトリーヌと出会って。唯一自分と分かち合えた彼女に裏切られたときから、「どう死ぬのか」ということしか考えていなさそう。ビクターがどんなに声をかけても何も届かない、響かない。でも最後にジュリアを殺して北極に向かうまでの道は、"自分"という存在について考えてつくして、そして偶然出会った子供に話しかけるとき思わず口から「友達」と出てしまった感じがして。ビクターとアンリの関係、そして自分という存在を考えているうちに。小西怪物はアンリとしての記憶は本当にないように思えるんです。ただ創造主に「アンリの生まれ変わり」でもなく、もちろん「怪物」としてではなく、「自分」という存在を認めてもらいたかった、それだけなんだと。だから最後の「ビクター」と呼ぶ、あの言葉はアンリとしてではなく、ビクターと友達になりたかったかもしれない彼自身の言葉のように思えて。

小西さんのアンリ/怪物はしんどい。だけどすごい好き。

 

友達とも話したのですが、あっきーと加藤くんは「陽」で、かっきーと小西さんは「陰」という印象を持っていて。だからあっきーと加藤くんの組み合わせはしんどさを感じなかった。しかしそんなあっきーでさえも小西さんとの組み合わせはほんとにしんどかった。しんどかったけど、とても好きなほう。

 

「フランケンシュタイン」@日生劇場 2017/1/9、1/21マチネ

2017年の現場初めです!

って書き始めたけど、なんだかんだ下書きを寝かせてたら3回目の観劇を終えて2週間ほどたってました。

いや~満足!満腹!

1/9、21マチネともにかっきーかずきペアでした。

ビクター/ジャック:柿澤、アンリ/怪物:加藤

 

1/9は柿澤×加藤ペア初日。予習をせずに挑んだのですが、一幕の初めからラストの場面までジェットコースターのように一気に駆け抜けていった、エネルギーに満ち溢れていた、そんな舞台でした。1幕:80分、2幕:80分なのですが、80分間ずっと緩むことなく飽きさせることなく、あっという間だった。静かな場面もあるんですけどね、それでも客席にエネルギーがバシバシ投げられてくるんですよね…。ずっと殴られてる感じ←

 

かっきーは以前WOWOWで放送していたデスノートを見たときに、想像以上に歌がうまくて、引き込まれた経験があるので、とっても楽しみにしていました。生で聞くとずっと良い…!!フランケンの曲って結構難しいと思うのですが、低音から高音までしっかりと声が出ていて聴いていて気持ちが良い。そして2回目で、わたしかっきーの歌とても好きだね?という思いに至る。全力でかっきーの歌を聴こうとしているね?息を止めて聴いているね?これは沼の合図かな…ズブズブ…

 

※以下、がっつりネタバレ。

かっきービクターとかずきアンリの組み合わせ。アンリはビクターのことを「太陽」と言っているんだけど、逆だと感じた。アンリの明るさでビクターが輝けたんだよ。

幼少期に亡くなった母親の死を受け入れられなくて、神を恨んだ少年。そして父親を亡くして、神はだれも救ってくれない存在になちゃったんですね。そのときは"創造主"という大それたことは考えていなくて、純粋に「誰かを救いたい」という気持ちだったんだろうなぁ。でも神に対する「絶望」が根底にある。アンリが自分の罪を被って死刑が決まったとき、アンリの首という新鮮な材料が手に入る研究者としての欲と、大切な友人に罪を被せてしまうことへ呵責で悩む場面、1/9は研究者としての欲がもっと出ていた感じがしたんだけど、1/21は大切な友人を失いたくないという人間としてのビクターがより出ていたように感じた。

 

2幕のジャックは下衆すぎて!びっくりしたわ!おまえさん、そこまでやる…!?やっちゃうの?っていうね。あそこまで振り切れるかっきーあっぱれ。2回目からはなんだか癖になってくるからかっきー怖い←。かずき怪物に「下手くそだな」といってたかと思ったら1/21は「お前、噛むな噛むな」とか言っているし、闘技場の女性が近くにいるとすぐ腰狙うし、ゲス澤…と思いました(笑) エヴァ様を「エヴァちゃぁん」って呼べるのがとてもかっきージャック。

 

1/22マチネであっきーを観劇して(その感想は追々…)、かっきーとの違いが鮮明にわかって面白かった。かっきーのビクターは周りの人たちを小ばかにした態度をとっているなと。小さい頃、街の人に"呪われた子供"と言われた経験から、少しでも自分を大きく見せたくなったのかな。「ドイツの女性は~」のくだり、あえて下世話な話をしてやろうというふうに見えて、ジャックの姿がちらついた(笑)

 

加藤くんのアンリ。強い信念と哲学を持っているビクターに"恋をして"、"太陽"と言っていたけど、ビクターは姉のエレンも理解できなかった自分の理想を理解してくれるアンリがいたから輝きが増したんだよ。泣かないで見送ってとか言うなよ~涙 加藤くんは微笑みながら死を受け入れるのが上手すぎてさ…くぅぅ。かっきービクターが顔をぐちゃぐちゃにして泣いててさ、少年のときにこんな風に泣けなかった彼が時を経て素直に泣けるまでに成長したことを思うと…くぅぅ。怪物として生まれたときの加藤くん、可愛い。チェーン見つけたとき、「音が鳴るものがある!」みたいな感じで投げては取ってを繰り返している。ビクターにそのチェーンが巻かれたときは楽しそうな顔してて、「あ、この瞬間から記憶が始まったのね…」と思うと、もうちょっと、もうちょっと時間がずれていればかっきービクターは彼のことを「怪物」とは思わなかったんじゃないかな…つらい。

 

はまめぐさんはお初だったんだけど、歌うますぎて畏れ多くなった。凄い。平伏したくなる。エレンとビクターの別れの場面、涙が止まらなかった。何度見ても泣いてしまう。留学に旅立つシーンを再現しているけど、エレンが語るすべてが「これから本当に1人になるビクター」を指していてつらい。もうかっきービクターが少年のようにぐちゃぐちゃに泣いててさ…エレンのこと大好きなんだよね…うぅぅぅ。最後、抱きしめようとするけど抱きしめられない現実。舞台のセットで額縁のようなものがいくつかあるんですが、ここの場面はその額縁がちょうど十字架のようになっていてハッとした。

それとは対照的なエヴァの残酷さ。裏切ったカトリーヌに対する仕打ちが怖すぎた。めっちゃ怖い。ぼろぼろになった怪物を捨ててしまおうとジャックと話した後、はまめぐエヴァ様が観客をすーっと見て「どこにだって怪物はいるんだから」と面白そうに言っていたんです。この話は怪物が復讐のためにビクターの愛する人たちを殺めていくんですが、街の人々のほうがよっぽど恐ろしい。父親を亡くした火事は街の人たちが「あそこには魔女がいる!」といって火をつけたし、アンリが処刑されたときも「こいつが犯人なんだから殺してしまえ!」となったし、エレンも「こいつが市長を殺したんだ!」といって吊るし首にしたし……その狂気的な心理が怪物よりもずっと恐ろしい。こういう心理を人間は持っているんですよね…。「怪物とはなんだと思う?」と舞台の上から投げ掛けてくる。

 

音月さんはカトリーヌがとっても良かった~。人が嫌い、人がいないところで生きたい、と怪物と同じ感情を分かち合うのに、「自由」を目にした瞬間に「人として認められて生きたい」という本能的な欲求とさっきまで笑顔で話していた怪物との天秤。葛藤ののちの本能に従う様がぞわっとした。1/21は連日の公演でちょっとお疲れ気味だったのか、ジュリアの高音部分がつらそうだった。

 

鈴木さん演じるルンゲは楽しそうで何よりです!(笑) 「質問ですか?命令ですか?」のときのかっきービクターの答えが、1/9「しばかれたいんですか?」、1/21マチネ「はたかれたいんですか?」→「愛されたいんです」→「却下」。酒場で酔ったビクターがルンゲにちゅーしちゃうし(1/21は何回もちゅっちゅっしてたw)。ご飯の用意は日替わりなのですかね?1/9のエビピラフはカツカレーが良かったと返していたけど、1/21のペンネアラビアータはスルーしてたw

2幕のイゴールはもはや鈴木さんじゃなくていいんじゃない??っていうくらい台詞がない。あのメイクを幕間にして、また2幕の出番後に落とすの大変だな…お肌のケア頑張ってください…!

 

もっともっと書きたいところがあるんですが、とりあえずupしておく。後日、加筆するかも。

ちなみにわたくし、かっきーの舞台写真を買い、名古屋の大千秋楽のチケットも取ってしまいました…柿澤ビクターこじらせた…

 

「ロミオ&ジュリエット」@ACTシアター 2017/1/18ソワレ

観劇後の興奮冷めやらぬうちに書き上げたい。

なんだよなんだよすごく良いじゃないか!!イケコによる新演出版、初日を観た人たちが「既読スルー」「AED」「一斉送信」っていう単語を放ってきたから、おいおいまじかよやめてくれよ~って思ってたんですよ。いや、今も思ってるけど。でももうトータルですごく良かった!OKOK!!っていう気分です。(あ、認めた訳じゃないよ?←)

 

この日は古川ロミオと木下ジュリエットの組み合わせ初回でした。

・1/18ソワレ:古川/木下/ 渡辺/矢崎/平間/宮尾 

 

※以下、ネタバレもあるよ。

木下さん、新人さんとは思えないほど歌がうまい!!透き通った力強い歌声で聞いていて気持ちが良い。初めて恋をするジュリエットが瑞々しくて、可愛い。恋をしている時のうきうき感というか輝きが増しているのが凄いなぁ。

 

ティボルト役の大ちゃんは1789ぶりでした。粗暴だけどジュリエットを想う役どころ。高音でつらそうなところあったけど、デムーランのときよりうまくなった気が。ナイフみたいなティボルトだったなぁ。なんか基本的に男性陣は胸筋~腹筋がちらつく衣装ってのもあって、ティボルトをはじめとして皆様体をしっかり作り上げていらっしゃいますよね?ありがとうございます!←

 

ベンヴォーリオ役の矢崎さん。スカピンで一度拝見していて、その時はソロで歌うというのが少なかったので気付かなかったんだけど、歌うまい。ジュリエットが亡くなったことをロミオに伝えなければ、と歌う場面がすごくすごく良くて。演技だけでなく、歌でもベンヴォーリオの根っからの人の良さというのがとっても出ていてぐっときた。「もう俺たち2人しかいない」というのが切なくて…しかも最終的にはあなた一人になっちゃうんだよ~~と思うと泣きそうになった。マーキューシオ役の平間さん。荒くれもの。こういうイキがってる若者いるよね~っていう感じにぎらついていた。死に際のあの「ジュリエットと幸せになれよ…」(ニュアンス)っていうのが唐突すぎて、「え?あなた本当はそう思ってたの??全然気づかなかったよ!?」という感じがしたので次回以降気を付けて観よう。

 

そして古川ロミオ。美。まじ美。今まで怒れるロベピとか怒れる皇太子とか悪魔で執事しか観てこなかったのもあるんですけど、恋する普通の青年役ってこんなにキラキラするんですね。輝いていた。美。ほんとに美。何度もいうけど美。踊る曲がけっこうあるんですが、その長い手足が舞台に映えること映えること。初夜明けのお姿は美しすぎて美術品かな?彫刻かな?ってわりと本気で思いながらガン見してました。美しかったしか言ってないけど、あほ可愛いかったり、マーキューシオを失った時の小ささとか、ジュリエットに結婚してくださいと言った後の恥じらいだったり、もう観ててすごく楽しい。

 

脇を固める大人組も本当に良くてですね…秋園さんとたつきさんの両家の母。冒頭に2人で歌うんですが、ほんっと素敵。エリザのときのお風呂の歌(と私は呼んでいるけど「皇后の務め」です)の秋園さんの歌声がとても好きだったので、RJではいっぱい歌声が聴けて幸せ。ロレンスはさかけんさんイズムで愛されキャラ。若者はみんなスマホなのに、ひとりガラケーのロレンス神父…愛しい…。

あとは何といっても岡さん。泣いた。娘を想う父親の姿に泣いた。自分の子ではないけれど、娘のことを深く愛しているんですよ、娘に伝わらないんだけど。最後に霊廟でジュリエットの姿を見つけたとき、母親は真っ先に駆け寄って抱きつくんです。ロミオの父母も彼に抱きついていて、だけど1人だけ触れられないんですよ。手を出すんだけど、はっと気づいて触れることを止めてしまうその姿に涙腺ふっとんだ。(ちなみにその前のロミオとジュリエットがお互いを想って自死する場面からけっこう泣いています)

 

全体としてはやはりダンスが凄かった!トートダンサーだった田極さんと小南さんも出演されているので、追々見つけようと思います。「世界の王」とかでふと思ったんですが、モンタギュー家派のダンスって「アメリカンハイスクールミュージカル!」って感じがしたんだけどわたしだけ?実際アメリカンハイスクールミュージカルを私観たことなくて完全なるイメージなんですが、なんだかそういうふうに感じたんですよね…(笑)

あとは宮尾さんが表現する「死」。劇中、影のようにふと姿を現すのがこちらに不安を与える。最後の霊廟の場面で十字架からロミオを覗き込む姿がもう恐ろしくて。ロミオが自死したけど、ジュリエットが気付かず「ロミオが会いに来てくれた!」と喜んでいるときは姿を消していて、ロミオが亡くなっていることに気付いたところからまたすっと姿を現すんですよ…怖い…。

 

文明の利器を駆使する世界観の中で「AED」が最も客席のざわめきを生み出しましたが、舞台上から発せられる熱量でその諸々をかき消してくれた感じがあります(笑)

初回だったのもあるので、いろいろ見逃しているところもありそう。これから通う中で見つけていきたいと思います。もっともっと良くなりそうな予感!

「キャバレー」@EXシアター六本木 2017/1/15マチネ

1月は土日がほぼほぼ観劇で埋まっているので、早めにアウトプットしなければ。

ということで真悟の翌日に「キャバレー」行ってきました!(フランケンの感想は追々…) 徹平くんが出ているからというのと、演目が面白そうだし長澤まさみちゃんが初ミュージカルっていうのも気になる~と思いチケットを取りました。まさみちゃんは三谷さん演出の「紫式部ダイアリー」(2014年)ぶり。

 

各種メディアにも数多く取り上げられていましたが、衣装が煌びやかで何パターンもあったし、キット・カット・クラブのショーの場面は見飽きることはなかった。やっぱりスタイルが抜群にいいし、華がある。ミュージカルが初めてとのことだったけど、歌も良かったと思います。低音でがなりを入れてるところは「おっ!いいねいいね!」となった(上手ながなりは大好物)。 サリーはもっと退廃的な雰囲気を纏っているかと思ったんだけど(チラシみたいな感じ)、自由奔放でおちゃめなサリーだった。


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サリーにもっといやらしさがあったらなぁ~まさみちゃんは健康的すぎて「場末のキャバレー」という感じがあまりしなかったような。そこらへんの猥雑さとか下品な部分はすべてMC役の石丸さんとアンサンブルのダンサーさんたちが担ってくれていた。 "Two Ladies"とか映画とか見てないと「…!?」ってならない?大丈夫だった?知ってる私でも「…お、おぅ…」ってなったよ?笑

MCはキャバレーのMCかつ狂言回しの役目もあって、そこにいるはずはないのにいて歌い出したりする、エリザでいうルキーニみたいな感じ。スカピンではちょっと(楽曲的に)物足りなかった部分もあったんだけど、キャバレーでは石丸さんの歌を思う存分堪能できた!サックスも演奏できるんですね、芸達者なお方だ。

 

あ、エリザのトートダンサーだった乾さんと楢木さんが出演されてたのだけど、ナチスの軍服を着て、女の子と乱れていたシーンはガン見しちゃったよ!ちょうエロかった!!あざっす!!

 

徹平くんの歌と演技の安心感たるや。ナチスの不穏な動きを察知し、それまで親しくしていた友人とも距離をとり、一刻も早くドイツを離れようとする頭のよさと、サリーを想う一途な姿。だけど頑固な部分もある男。サリー、男を見る目いいよ(何者)

 

EXシアターはオケピなさそうだから生音じゃないんだろうなぁと思っていたら、舞台にバルコニーのような2階部分のセットがあり、そこにバンドの面々が!しかもアンサンブルさんたちと同じように衣装着ているし、たまにバルコニーの前の方に出て踊っている。松尾さんはこれやりたくてキャバレーの衣装が着れる女性の演奏者を探したんだろうなぁ~(←もちろん男性もいたけど、ほぼほぼ女性だった)。

 

全体の流れとしてはキット・カット・クラブのショーとお芝居パートがきっちり分かれちゃってるかなぁと。それぞれのパートは見応えあるんですけどね。お芝居パートは小松さんと秋山さんが見事。コメディな部分も織り込みつつ、シリアスな場面もしっかり魅せてくれた。1幕ラストの人々がナチスの旗を振って高揚している場面、小松さん演じるシュルツの呆然とした顔がどうにもならない現実を観客に突き付けていた。クリフは悔しそうな顔なんだけど、サリーは面白いものを見ているかのようにニコニコしていたのが印象的だった。この二人の表情が結末を現してますよね。国に帰ったクリフとベルリンに残ったサリー。

空襲のサイレンが鳴って物陰に隠れる人々がいるなか、一人の男性がギター(マンドリン?)をぽろんぽろんと弾きだす。そうするとMC役の石丸さんがすっと出てきて、キャバレーの看板に光が点り初め、「嫌な現実は入り口に置いてから入ってきなさい」(※ニュアンス)の一言で幕が開くのです。サリーはナチスの台頭という"嫌な現実"をキャバレーの入り口に置いて、その中の世界で生きることを選んだ。最後、静かな夜にキャバレーの入り口前に折り重なった人々の脇をMCが通り抜けて消えていく場面で終わるのですが、"キャバレーの中で生きていた人たち"はもう生きてはいないんだなぁと感じさせられた。MCはやっぱり生きてるようで生きていない役なんだなぁ。その当時のベルリンの暗い部分が描かれていたのは良かった。

…んだけど、劇中の「(ハーケンクロイツを指して)お寺のマークじゃないよ」とか「保育園落ちたベルリン死ね」とか「盛り塩」とかそういうのはいらないんじゃー!とムキーッとしてしまった。一気に現代日本に引き戻されるからさ…。個人的にはそういうのは好きじゃないんです…。

 

まぁトータルでは視覚的に十分楽しめたので!まさみ可愛かった~!

 

↓写真が豊富で、インタビュー内容多め

www.excite.co.jp

 

ダンスとかがちょうどよい感じに見れるかな。

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「わたしは真悟」@新国立劇場 中劇場 2017/1/14マチネ

2017年の観劇初めはフランケンシュタインだったのですが、まだ感想書き途中…なので、書き上げたこちらを先にup。

中日エリザぶりの成河さんの舞台!発表されたときはあんまり触手が動かなかったんだけど、このチラシを見た瞬間、「行かねば…!」と思って遅ればせながらチケット取りました。(と言っても去年の8月末ですが←)

 

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watashingo.com

 

ミュージカルなんだけど、ミュージカル観ている感覚ではなかったというのと、成河さん、あなたそんなに動けたの…!!!?っていうのが最初の感想です。

もちろん歌も歌っているんですよ。充希ちゃんの歌声は小鳥のように軽やかで可愛らしかったし、麦ちゃんの少年感も良かった~。二人とも本当に小学生に見える。

…んだけど、それよりもダンスの印象が強く残った。開演10分前に座席についたときにはすでに舞台に真悟の本体が動いていたんだけど、このお二方が凄くてですね。最初は黒子だったと思うんだけど、気が付いたらお顔も出してて、ついつい目が追ってしまう。人間ってこんなに動けるんだ、こんな身体表現ができるんだ、と。アンサンブルの方々のダンスも素晴らしくて。あれはコンテンポラリーダンスに分類されるのかな?演者も見たいんだけど、どうしてもダンスに目がいってしまう~。最初の「333」のダンスですっかり心奪われた。映像との親和性も凄かったなぁ。このダンスと映像は演出のフィリップ氏の特徴なんだろうけど、真悟の世界観を表現するにはフィリップ氏が適任だったんだなと納得させられる。まさにチラシの画の通り。

あとは音楽ですね。舞台上手にOpen Reel Ensembleのお三方とドラムの人がいらっしゃって、その場で演奏していたのですが、それがとても面白かった。テープをその場でスクラッチをして奏でるみたいなことをしていて、デジタルなんだけどどこか「昭和」を感じさせる音だった。舞台が始まるときの場内アナウンス(撮影録音はやめてください~とかのやつ)もその場でアレンジしていて、薄気味悪さ抜群だった!(誉めてます) 

パンフレットに「生の音はできるだけ排除した」って書かれてたとおり、ドラムくらいしか生音なくて、真悟が「産業用ロボット」である世界を現すにはこれしかないか、と納得させられるし、フィリップ氏の手腕凄いなぁとしか。

 

櫻子ちゃんの子供感も凄かったなぁ。最初、気がつかなかった(笑) 櫻子ちゃん演じるしずかのソロが寂れたメリーゴーランドみたいな雰囲気で、誰も構ってくれる人がいない、しずかしかいない世界のようで孤独がより一層感じられた。

小関くんは初めて観たのだけど、スタイルお化けでした。顔がちっちゃくて、足長くて何頭身よ…?って思った。青(緑?)のカラコンしてたんですが、その青い目が時おり照明に当って妖しくぎらっと光っていて…とても人外だった。小関くん、イギリス人役で金髪だったのですが、それがもの凄く様になっていたので、次回のルドルフ候補じゃない?とふと思いました。これから観に行かれるかたはそこらへんもチェックしてみてはいかがでしょうか(何者)。(話は変わりますが、劇中の「□から△、○になった」の意味がわかんなかったのだけど、パンフの小関くんのコメントで理解できました!ありがとう!)

 

そして成河さんですよ。身体表現がとにかく素晴らしくて、最初に出てきたとき「腹筋が…!腹筋が…!腹筋凄くない!?」と驚きました。あ、ちなみに腹筋は見えません。ルキーニをしていた頃とはすっかり別人で、体つきもだいぶ絞った感じがした。まぁ役によって体つきや受ける印象が全然違う役者さんなので真義のほどは不明ですが。真悟の本体はダンサーお二方が表現していて、精神は成河さんが演じている、という感じでしょうか。真悟が何かを語るとき、「…であったと聞きます」という話し方をしていて、おまえは誰に何を聞いたの?と観劇中気になったのですが、地球になったとき、あらゆる生命と真悟が繋がったときに、その生命体の記憶から真悟が自ら悟ったのかな?とすると、この物語は真悟の回想で始まってラストの場面に繋がっているということなのかなぁ…と、観劇から1日たってたどり着いた。

真悟がただただ純粋に父母を慕う姿に胸が痛くなった。この作品のテーマはたぶんいくつかあると思うんだけどその一つに「子供時代の終焉」というのかあると思うのです。小学生の恋、「この子が好きだ」という純粋な恋心から真悟が産まれたけど、当の二人は真悟の存在に最後まで気がつかない。残酷。子供の時代を終えようとする彼らにはそれが自分たちが生み出したものとはわからない。逆にただただ悟を思い続けるしずかには真悟の存在を理解することができて、真悟を悟に会わせようと奮闘する。しずかはまだ「子供時代を喪失していない子供」なんでしょうね。そうそう、充希ちゃん演じるまりんは子供にしか見えなかったのに、ロビンと結婚させられようとする場面で強く拒否するところ、すごく「女」に見えてぞわっとした。彼女にはもう真悟なんて見ることができないんだなと。

 

ラストの場面がね、泣けた。真悟が優しい顔をしてて。美しかったなぁ。

 

本編はミュージカルっぽくなかったんだけど、カテコはとてもミュージカルだったのも面白かった(笑) 各々踊っていて、ときにタップを踏んで。Open Reel Ensembleのお三方とドラムの人も最後踊っていて可愛かった(笑)

カテコ1回目は中央に麦ちゃん・充希ちゃん・成河さん・小関くんの順で並んでいたのだけど、2回目のときに麦ちゃん・充希ちゃん・小関くんで並び始めて手を繋いだと思ったら成河さんが小関くんを後ろから抱きついて、小関くんを充希ちゃんから離して自分が充希ちゃんの隣の位置に戻った一連の流れがまぁ可愛くてな!成河さん、カンパニーの中でも年長者だと思うのだけど、愛されキャラすぎてな!!ごちそうさまでした!!

 

楳図さんの漫画というのでちょっと躊躇している方でも楽しんでもらえると思うなぁ。チケットもまだ取れると思うので。

 

ロビーには色々展示もあって面白かったです。


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成河さんがわたしの想像以上に動けていたので、髑髏城の天魔王がすこぶる楽しみになりました!!

2016年の現場振り返り

明けましておめでとうございます。本当は2016年のうちにやりたかったのですが、仕事が30日までと時間がなかったので、正月のこのゆっくりできるときにやっておきたいと思います。

 

⚫FREESTYLEⅡ 

2015年の夏に通い詰めた表参道ヒルズで開かれた個展に新作を加えての大阪。その秋に色々とありましたが(苦笑)、新作をどうしても見たくて一般頑張ったら念が通じて何とか取れました。追加された自画像(一番最後に展示されていた)の表情が、優しくて穏やかで、そして5つの色を使っていて、込み上げるものがありました。自画像ってよくそのときの作者の心情が現れているとか言うけれど、オフのとき彼に穏やかな時間が流れていたのだと思うと嬉しくなった。またいつか、作品を見せてくれたら嬉しいな。

 

⚫1789~バスティーユの恋人たち~

わたしを舞台沼に誘ってくれた大切な作品。舞台から発せられる熱量の高さと楽曲、ダンス。身体の奥底から震えるほどの興奮を味わえた、あの感覚は一生忘れない。4/29に観劇したのだけど、その観劇後からチケットを探しては観て、帝劇だけでは足りずに梅芸まで観に行きました。2018年の再演を心より楽しみにしています!!(言霊)

 

⚫NEWS live tour 2016 "Quartetto"

友人に誘っていただいて、正真正銘の天井席から楽しみましたー!天井席でもステージど正面だからめっちゃ見やすい。途中で髪型変えるシゲアキ先輩、まじで天才。ポンパの御髪で「くっちじゅっけを~」をしてくださった瞬間から、うわ言のように「シゲアキ、イケメン…」とつぶやいていた。

 

あわれ彼女は娼婦

蒼井優ちゃんと浦井くんが出演していた古典作品。重たい話なんだけど、マリンバの奏でる音と照明がとっても美しかった。そして何より蒼井優ちゃん演じるアナベラの神々しいほどの美しさ…。浦井くんの狂気もとても良かった。

 

⚫「嫌な女」初日舞台挨拶

1789でロベスピエールを演じた古川くんが出演していた映画の舞台挨拶。観劇したときよりもずっと前方の席だったので、顔の小ささと足の長さに驚いた。木村佳乃さんのノリの良さは本当に魅力的だわ。

 

エリザベート

この作品で感じたことを書き留めておきたくてこのブログを始めました。帝劇、梅芸、中日とカンパニーと一緒にまわりましたね…。夏から秋にかけて、エリザベート一色だったなぁ。何度観てももう一度観たいと思える、観る度に進化・深化していく演者さんたちから目が離せなかった。

 

⚫グレートギャツビー

内くん主演の舞台。勝手に「成り上がっていく青年の物語」であると思い込んでたんだけど、「愛を貫こうとする青年の物語」でした。内くんはギラギラしていて、魅力的な男性が似合うなぁ。

 

⚫キンキーブーツ(日本人キャスト版)

楽しかった!!ハッピーな気持ちで満たされる、この観劇後の爽快さはなかなか味わえない。ローラ役の三浦春馬くんが本当に圧巻だった!!

 

宙組エリザベート

 大人になってから初めての宝塚。東宝版とちょこちょこ違うところも含めて面白かった。男役の人のかっこよさというのはこういうことかと学べました。そしてこれを機に宝塚の知識がどんどん増えてきています。

 

⚫るつぼ

下書きは途中まで書き留めておるんだけど、頭のなかでぐるぐると考えてしまうのでなかなか進まず…。黒木華ちゃんが凄かった…。

 

⚫貴婦人の訪問

楽曲と演出がどんぴしゃ好みだった!!ので複数回観劇しました。東宝様はCD出してください(言霊)。 

 

⚫嵐live tour 2016-2017 "Are You Happy ?"

今年は札幌、東京と複数回参加できて、嵐運を使い果たしちゃった感がありますが(笑)、純粋に楽しかった!と思えるコンサートでした。聞いていくうちに好きになっていったスルメアルバム。演出も色々と新しいものを取り込んでて、とっっっても楽しかった。メモ程度に下書きは書いているのだけど清書されてない…。忙しくなる前に書き上げたい。

 

黒執事

いわゆる2.5次元ミュージカル。初見は色々と衝撃が強くて感想があんまりなかったんだけど(おい)、2回目以降は普通に楽しめた!その後、WOWOWでやっていたアニメを見たんだけど、再現率が高すぎて驚いた…。演出はもちろんなんだけど、アニメの声とほぼ同じじゃない…!?オーディションはそこ含めて選んだのかなぁ。いやぁ、凄い。

 

⚫Play a life (青猫チーム)

泣いた。自分でも驚くぐらい涙が止まらなかった。あったかくて優しくて。小劇場で3人だけのミュージカル。広瀬くんの甘い歌声が堪らなかった。楽曲も良かったなぁ。

 

⚫スカーレットピンパーネル

「冒険もの」として観劇すればもっと楽しめたかも。ショーヴランの石井さんが色気たっぷりで良かった。

 

 

これに加えて本当はナイスガイも観劇予定だったのですが、仕事の都合がつかず手放してしまいました…残念。

ちなみに去年までのわたしは年にコンサートに1、2回ほど行って、舞台も年に数回観に行けば多いほうでしたからね?1789以降のすってんころりん具合が凄まじいですよね。自覚してます。はい。

 

2017年はすでにロミジュリ、フランケンシュタイン、髑髏城、グレートギャツビーは複数回観劇予定ですし、それ以外にもキャバレー、真悟、ビッグフィッシュ、王家などなど楽しみが尽きませんね!

今年の目標は「お金の使い方は計画的に」なのですが、果たして実行できるのか…。頑張ります。