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ただの備忘録

現場を振り返ることを枷にして記憶の定着を図る。つまりただの備忘録。(主に舞台の感想)

「わたしは真悟」@新国立劇場 中劇場 2017/1/14マチネ

2017年の観劇初めはフランケンシュタインだったのですが、まだ感想書き途中…なので、書き上げたこちらを先にup。

中日エリザぶりの成河さんの舞台!発表されたときはあんまり触手が動かなかったんだけど、このチラシを見た瞬間、「行かねば…!」と思って遅ればせながらチケット取りました。(と言っても去年の8月末ですが←)

 

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watashingo.com

 

ミュージカルなんだけど、ミュージカル観ている感覚ではなかったというのと、成河さん、あなたそんなに動けたの…!!!?っていうのが最初の感想です。

もちろん歌も歌っているんですよ。充希ちゃんの歌声は小鳥のように軽やかで可愛らしかったし、麦ちゃんの少年感も良かった~。二人とも本当に小学生に見える。

…んだけど、それよりもダンスの印象が強く残った。開演10分前に座席についたときにはすでに舞台に真悟の本体が動いていたんだけど、このお二方が凄くてですね。最初は黒子だったと思うんだけど、気が付いたらお顔も出してて、ついつい目が追ってしまう。人間ってこんなに動けるんだ、こんな身体表現ができるんだ、と。アンサンブルの方々のダンスも素晴らしくて。あれはコンテンポラリーダンスに分類されるのかな?演者も見たいんだけど、どうしてもダンスに目がいってしまう~。最初の「333」のダンスですっかり心奪われた。映像との親和性も凄かったなぁ。このダンスと映像は演出のフィリップ氏の特徴なんだろうけど、真悟の世界観を表現するにはフィリップ氏が適任だったんだなと納得させられる。まさにチラシの画の通り。

あとは音楽ですね。舞台上手にOpen Reel Ensembleのお三方とドラムの人がいらっしゃって、その場で演奏していたのですが、それがとても面白かった。テープをその場でスクラッチをして奏でるみたいなことをしていて、デジタルなんだけどどこか「昭和」を感じさせる音だった。舞台が始まるときの場内アナウンス(撮影録音はやめてください~とかのやつ)もその場でアレンジしていて、薄気味悪さ抜群だった!(誉めてます) 

パンフレットに「生の音はできるだけ排除した」って書かれてたとおり、ドラムくらいしか生音なくて、真悟が「産業用ロボット」である世界を現すにはこれしかないか、と納得させられるし、フィリップ氏の手腕凄いなぁとしか。

 

櫻子ちゃんの子供感も凄かったなぁ。最初、気がつかなかった(笑) 櫻子ちゃん演じるしずかのソロが寂れたメリーゴーランドみたいな雰囲気で、誰も構ってくれる人がいない、しずかしかいない世界のようで孤独がより一層感じられた。

小関くんは初めて観たのだけど、スタイルお化けでした。顔がちっちゃくて、足長くて何頭身よ…?って思った。青(緑?)のカラコンしてたんですが、その青い目が時おり照明に当って妖しくぎらっと光っていて…とても人外だった。小関くん、イギリス人役で金髪だったのですが、それがもの凄く様になっていたので、次回のルドルフ候補じゃない?とふと思いました。これから観に行かれるかたはそこらへんもチェックしてみてはいかがでしょうか(何者)。(話は変わりますが、劇中の「□から△、○になった」の意味がわかんなかったのだけど、パンフの小関くんのコメントで理解できました!ありがとう!)

 

そして成河さんですよ。身体表現がとにかく素晴らしくて、最初に出てきたとき「腹筋が…!腹筋が…!腹筋凄くない!?」と驚きました。あ、ちなみに腹筋は見えません。ルキーニをしていた頃とはすっかり別人で、体つきもだいぶ絞った感じがした。まぁ役によって体つきや受ける印象が全然違う役者さんなので真義のほどは不明ですが。真悟の本体はダンサーお二方が表現していて、精神は成河さんが演じている、という感じでしょうか。真悟が何かを語るとき、「…であったと聞きます」という話し方をしていて、おまえは誰に何を聞いたの?と観劇中気になったのですが、地球になったとき、あらゆる生命と真悟が繋がったときに、その生命体の記憶から真悟が自ら悟ったのかな?とすると、この物語は真悟の回想で始まってラストの場面に繋がっているということなのかなぁ…と、観劇から1日たってたどり着いた。

真悟がただただ純粋に父母を慕う姿に胸が痛くなった。この作品のテーマはたぶんいくつかあると思うんだけどその一つに「子供時代の終焉」というのかあると思うのです。小学生の恋、「この子が好きだ」という純粋な恋心から真悟が産まれたけど、当の二人は真悟の存在に最後まで気がつかない。残酷。子供の時代を終えようとする彼らにはそれが自分たちが生み出したものとはわからない。逆にただただ悟を思い続けるしずかには真悟の存在を理解することができて、真悟を悟に会わせようと奮闘する。しずかはまだ「子供時代を喪失していない子供」なんでしょうね。そうそう、充希ちゃん演じるまりんは子供にしか見えなかったのに、ロビンと結婚させられようとする場面で強く拒否するところ、すごく「女」に見えてぞわっとした。彼女にはもう真悟なんて見ることができないんだなと。

 

ラストの場面がね、泣けた。真悟が優しい顔をしてて。美しかったなぁ。

 

本編はミュージカルっぽくなかったんだけど、カテコはとてもミュージカルだったのも面白かった(笑) 各々踊っていて、ときにタップを踏んで。Open Reel Ensembleのお三方とドラムの人も最後踊っていて可愛かった(笑)

カテコ1回目は中央に麦ちゃん・充希ちゃん・成河さん・小関くんの順で並んでいたのだけど、2回目のときに麦ちゃん・充希ちゃん・小関くんで並び始めて手を繋いだと思ったら成河さんが小関くんを後ろから抱きついて、小関くんを充希ちゃんから離して自分が充希ちゃんの隣の位置に戻った一連の流れがまぁ可愛くてな!成河さん、カンパニーの中でも年長者だと思うのだけど、愛されキャラすぎてな!!ごちそうさまでした!!

 

楳図さんの漫画というのでちょっと躊躇している方でも楽しんでもらえると思うなぁ。チケットもまだ取れると思うので。

 

ロビーには色々展示もあって面白かったです。


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成河さんがわたしの想像以上に動けていたので、髑髏城の天魔王がすこぶる楽しみになりました!!

2016年の現場振り返り

明けましておめでとうございます。本当は2016年のうちにやりたかったのですが、仕事が30日までと時間がなかったので、正月のこのゆっくりできるときにやっておきたいと思います。

 

⚫FREESTYLEⅡ 

2015年の夏に通い詰めた表参道ヒルズで開かれた個展に新作を加えての大阪。その秋に色々とありましたが(苦笑)、新作をどうしても見たくて一般頑張ったら念が通じて何とか取れました。追加された自画像(一番最後に展示されていた)の表情が、優しくて穏やかで、そして5つの色を使っていて、込み上げるものがありました。自画像ってよくそのときの作者の心情が現れているとか言うけれど、オフのとき彼に穏やかな時間が流れていたのだと思うと嬉しくなった。またいつか、作品を見せてくれたら嬉しいな。

 

⚫1789~バスティーユの恋人たち~

わたしを舞台沼に誘ってくれた大切な作品。舞台から発せられる熱量の高さと楽曲、ダンス。身体の奥底から震えるほどの興奮を味わえた、あの感覚は一生忘れない。4/29に観劇したのだけど、その観劇後からチケットを探しては観て、帝劇だけでは足りずに梅芸まで観に行きました。2018年の再演を心より楽しみにしています!!(言霊)

 

⚫NEWS live tour 2016 "Quartetto"

友人に誘っていただいて、正真正銘の天井席から楽しみましたー!天井席でもステージど正面だからめっちゃ見やすい。途中で髪型変えるシゲアキ先輩、まじで天才。ポンパの御髪で「くっちじゅっけを~」をしてくださった瞬間から、うわ言のように「シゲアキ、イケメン…」とつぶやいていた。

 

あわれ彼女は娼婦

蒼井優ちゃんと浦井くんが出演していた古典作品。重たい話なんだけど、マリンバの奏でる音と照明がとっても美しかった。そして何より蒼井優ちゃん演じるアナベラの神々しいほどの美しさ…。浦井くんの狂気もとても良かった。

 

⚫「嫌な女」初日舞台挨拶

1789でロベスピエールを演じた古川くんが出演していた映画の舞台挨拶。観劇したときよりもずっと前方の席だったので、顔の小ささと足の長さに驚いた。木村佳乃さんのノリの良さは本当に魅力的だわ。

 

エリザベート

この作品で感じたことを書き留めておきたくてこのブログを始めました。帝劇、梅芸、中日とカンパニーと一緒にまわりましたね…。夏から秋にかけて、エリザベート一色だったなぁ。何度観てももう一度観たいと思える、観る度に進化・深化していく演者さんたちから目が離せなかった。

 

⚫グレートギャツビー

内くん主演の舞台。勝手に「成り上がっていく青年の物語」であると思い込んでたんだけど、「愛を貫こうとする青年の物語」でした。内くんはギラギラしていて、魅力的な男性が似合うなぁ。

 

⚫キンキーブーツ(日本人キャスト版)

楽しかった!!ハッピーな気持ちで満たされる、この観劇後の爽快さはなかなか味わえない。ローラ役の三浦春馬くんが本当に圧巻だった!!

 

宙組エリザベート

 大人になってから初めての宝塚。東宝版とちょこちょこ違うところも含めて面白かった。男役の人のかっこよさというのはこういうことかと学べました。そしてこれを機に宝塚の知識がどんどん増えてきています。

 

⚫るつぼ

下書きは途中まで書き留めておるんだけど、頭のなかでぐるぐると考えてしまうのでなかなか進まず…。黒木華ちゃんが凄かった…。

 

⚫貴婦人の訪問

楽曲と演出がどんぴしゃ好みだった!!ので複数回観劇しました。東宝様はCD出してください(言霊)。 

 

⚫嵐live tour 2016-2017 "Are You Happy ?"

今年は札幌、東京と複数回参加できて、嵐運を使い果たしちゃった感がありますが(笑)、純粋に楽しかった!と思えるコンサートでした。聞いていくうちに好きになっていったスルメアルバム。演出も色々と新しいものを取り込んでて、とっっっても楽しかった。メモ程度に下書きは書いているのだけど清書されてない…。忙しくなる前に書き上げたい。

 

黒執事

いわゆる2.5次元ミュージカル。初見は色々と衝撃が強くて感想があんまりなかったんだけど(おい)、2回目以降は普通に楽しめた!その後、WOWOWでやっていたアニメを見たんだけど、再現率が高すぎて驚いた…。演出はもちろんなんだけど、アニメの声とほぼ同じじゃない…!?オーディションはそこ含めて選んだのかなぁ。いやぁ、凄い。

 

⚫Play a life (青猫チーム)

泣いた。自分でも驚くぐらい涙が止まらなかった。あったかくて優しくて。小劇場で3人だけのミュージカル。広瀬くんの甘い歌声が堪らなかった。楽曲も良かったなぁ。

 

⚫スカーレットピンパーネル

「冒険もの」として観劇すればもっと楽しめたかも。ショーヴランの石井さんが色気たっぷりで良かった。

 

 

これに加えて本当はナイスガイも観劇予定だったのですが、仕事の都合がつかず手放してしまいました…残念。

ちなみに去年までのわたしは年にコンサートに1、2回ほど行って、舞台も年に数回観に行けば多いほうでしたからね?1789以降のすってんころりん具合が凄まじいですよね。自覚してます。はい。

 

2017年はすでにロミジュリ、フランケンシュタイン、髑髏城、グレートギャツビーは複数回観劇予定ですし、それ以外にもキャバレー、真悟、ビッグフィッシュ、王家などなど楽しみが尽きませんね!

今年の目標は「お金の使い方は計画的に」なのですが、果たして実行できるのか…。頑張ります。

 

「スカーレット・ピンパーネル」@東京国際フォーラム 11/24ソワレ

とても人気の演目らしいという情報と、エリザに出ていたシュガー(佐藤さん)もロベピで出演ということで、一般発売の日に友達と挑戦したらするっと取れたので行ってきました!

この日の公演はロベスピエール役が平方元基さん。

(本当は11/28ソワレのシュガーのロベピ回もチケットを取っていたのだけど、仕事でどうにも都合がつかなくて手放してしまった…シュガーのむくむくロベピ見たかったよ←)

 

チラシに書いてあった「知恵で奴らを出し抜くのだ!」という謳い文句とはちょっと違った印象を持ったなぁ。頭脳戦みたいなのを期待していたのだけど、スカーレットピンパーネルであるということを隠すために、「馬鹿なふりをする」というのがなんとも稚拙な作戦では…ともにょもにょしてしまった。毎回あれはアドリブでやってるのかな?うすうす感じていたけどわたしはアドリブがあまり好きではないようだ…せっかく舞台の世界観に入り込んでいるのに一気に引き戻される感じが…。役の立ち位置とかアドリブの内容にもよっては大歓迎の時もあるんだけどなぁ~。今回はちょっとわたしの嗜好とは違ってた。ブロードウェイ本場や宝塚もこういう感じなのかな??

 

と、脚本演出にムムムッとしたんだけど、一番の収穫はショーヴラン役の石井さん!この演目で一番の役得って ショーヴランだと思うんですよ。石井さんの歌声がこれまた素敵で。色気が!!!とんでもない色気が出ています!!!!あ~とても良かった~~

 

1幕ラスト(2幕冒頭だっけかな?)のロベピの曲はかっこよくて良かった~。ただそのあとすぐにロベピからプリンス オブ ウェールズに早替えするから、マントの下がむくむくしすぎてて、一瞬「あれ…?ロベピって今日シュガーだっけ…???」と頭が混乱してしまった(←失礼)。

 

「頭脳戦」よりも「活劇」という感じかな?そういう前提で臨めばもっと楽しめたのかも。宝塚で2017年にスカピンやるそうなので、ご縁があったら再チャレンジしたいな。

 

とりあえず石井さんのショーヴランがとても良かった…(余韻

 

「Play a Life」(青猫チーム)@すみだパークスタジオ倉 2016/11/20

仕事と観劇に追われていたら、あっという間に1ヶ月経っていた。素晴らしい舞台だったので振り返る。

 

「明日は貴婦人だ~」と思いながら友達と連絡取り合ってたら、「広瀬くんのPlay a Lifeが良すぎた」という情報を入手。自分のスケジュールと体力とお金と…と悩んだけど、この先、広瀬くんがこんなキャパが小さい劇場でやることないだろうし、しかも内容も良いようだしと、友人の勧めの言葉そのままに翌日のチケット購入。

結果、観に行って正解だった。こんなに心震える良作に出会えるなんて。チケットが残っていて本当に良かった…!

 

青猫チーム:広瀬友祐、塩月綾香、嘉悦恵都 (敬称略)

 

3人だけのミュージカル。伴奏はチェロとピアノだけ。開演するまでチェロの方がBGM を奏でてくれて(通常ピアノの方らしいのだけど、この日は3公演目で疲れたからwということでチェロの方)、事前に友達から開演前に書くアンケートはやった方がよいよというアドバイスをもらっていたので、紙を頂いて「一番好きな映画」というお題の回答を書く。ふと前を見たら普通に広瀬くん始め演者のお三方がすでにいて驚いた。あんまりにも普通にいるもんだから。

アンケートがどう使われるのかよくわからないまま始まったと思ったら、初っぱなから好きな映画のアンケートが広瀬くんによって読み上げられるという流れで、わたしの「オペラ座の怪人」が一番始めに発せられて一瞬にして体温が上がった。(他の人も書いていたという現実もかなりあり得るけど、とりあえず「わたしが書いたやつ」という認識で喜んでおく)

 

日常の生活の会話を歌でおこなう。軽やかで心地よいメロディと歌声。広瀬くんの甘くて優しい歌声が素敵すぎた。至福。

そして嘉悦さん演じる教育実習生のフレッシュさと憎めないテンパり加減。見ながらキンキーブーツのローレンを思い出した。嘉悦さん、ローレン似合うんじゃないかなぁ。

 

中盤で夫と妻の関係は悟ったんだけど、そこからの話の展開が……もう、素晴らしいの一言。教育実習生が夫の家を訪問して、「すでに妻がいないこと」を確認するんだけど、思わず夫が「すぐそばにいる妻」に話しかける場面がぞっとした。「妻がまだいる人生」を生き続けようとする夫の狂気もはらんだ愛情。

その時、雷が落ちて会場全体が一気に暗転する。暗闇の中、夫の「いつもと同じ」「彼女に話しかけてもしゃべらない。姿が見えない中、生きている」(※台詞の記憶があやふやなのでニュアンスです)という言葉で、「彼はこんなにも暗闇の中で生き続けてきたのか」と、夫の悲しみと切なさとがぐわっと身体中に流れ込んできて涙が止まらなかった。小さい劇場だからこその演出だよなぁと改めて思う。すぐそこに夫の息づかいが聞こえて、気配も感じられて。悲しみがダイレクトに伝わってくる。

 

そんな夫に教育実習生が妻の言葉を代弁していくのだけど、その受け答えがとってもキュートで機転が利いていてくすりと笑えて。

 

 人は死ぬと誰かの人生に溶けていく

 

夫だけでなくわたしの心にもすとんと届いた。大切な人がわたしの人生に溶けていき、一部になっていく。まるで舞台のセットの布のように、誰かの人生が糸となって自分の人生の布に織り込まれていく。

心が震えるってこういうことなのかな。涙が溢れて止まらなかった。自分でも笑っちゃうくらい本当に涙が溢れ続けて、終演後に広瀬くんから挨拶があったときもまだ涙が出てた笑

 

プロモ動画。青猫さんチームじゃないけど。歌も本当に素敵だったなぁ。

www.youtube.com

 

 終演後にお写真OKとのことだったので。 
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 最寄り駅までの徒歩20分弱が赤くなった目を冷ますのにちょうどよい距離だった。

 

円盤化されるようです。気になる人はぜひに~。わたしも書きながら感動がよみがえって、欲しくなってきた…B席1枚の値段より安い…うぅ…

 

本当にあったかくて優しくて素敵な舞台だった。

「貴婦人の訪問 THE VISIT」@シアタークリエ  2016/12/3ソワレ

どうしても見納めがしたくて再びギュレンの街に来てしまった…。前楽。3回目ということもあって、今回はマチルデとクラウスに注目してみておこう!と意気込んで観劇。やっぱり楽しい。

 

涼風さんの迫力が日に日に増していませんか…?圧倒的な歌声。涼風さんが演じるクレアが傷だらけになりながら正義を求める姿が痛々しくもあり美しくもあり。ただただクレアには幸せになってほしいと思う。

 

 ※以下、前回の感想含め、気にせずネタバレ

 

ta-ma27.hatenablog.com

 

黒豹を仕留める流れ、まさにアルフレッドを追いつめていくことを暗示している演出だなぁと改めて思った。しかも黒豹に対して弔いの歌を歌う人々…アルフレッドのときはそんなことをしていないのに。。

 

TV局が街を取材しに来た日、雑貨屋の隅で嘆くクラウスに女の子が「きっと大丈夫よ」(※正しい台詞は失念したのでニュアンス)と言って白い花をあげていた。それを胸のポケットに入れたクラウス。翌日の最後の審判のときも、高価な服を纏ったクラウスの胸ポケットに花が入っていた。だけどその花が萎れていて…見つけたとき、ぞっとした。

この花は倫理と道徳の象徴かな。萎れた花は悪に飲み込まれたクラウスの心。その花をアルフレッドの亡骸にそっと置いたのは悪に飲み込まれた自分を許してくれと言う懺悔なのか、それとも彼自身の道徳や倫理をアルフレッドと共に葬り去るという意味なのかな。電話のシーンで「我々はヒューマニスト…!」と声高に叫んでいた彼を見ていただけに、人間の欲の深さ、悪の心に飲み込まれた群衆に立ち向かうことの困難さをまざまざと見せつけられた。

 

最後の審判。マチルデの表情を逃すまいとじっと見ていた。手を挙げるまでの時間、迷いがあるようにも見えた。しかしアルフレッドの顔を見たあとは、意志が固まったかのようなきっとした表情をして、迷いなく手を挙げた。

彼女の正義は積み重ねてきた二人の生活を否定したアルフレッドへの罰なのか。

クレアが街の人たちを掻き分けて横たわったアルフレッドにすがり付いていたとき、マチルデは微動だにせず、ずっと目を伏せていた(むしろ目を閉じて二人を見ないようにしていた?)。クレアが「人殺し…!」って吐き捨てるときもずっと。顔を上げたのはクレアが立ち去る間際にマチルデと対峙するとき。今回の席が下手だったからマチルデの表情が見れなくてとても残念だったのだけど、クレアが彼女に向かって笑っていたのが印象的だった。アルフレッドの愛はマチルデではなく自分のものだったという勝利の笑みなのか、アルフレッドを私刑とする最後の決断を下した彼女に対する嘲笑なのか…。

そのあと、空から降ってくるお金を見上げる街の人たちはクラウスでさえも欲にまみれた光悦とした表情をしていたのにもかかわらず、マチルデはただ一人苦しそうに顔を歪ませていた。 

莫大なお金を与える。ただひとつの条件はアルフレッドの死。最初は非人道的だと非難していた街の人たちが、徐々に欲に溺れて、自分たちを正当化していくさまがリアルだった。アルフレッドの過去の罪がなければ、街の人たちは一線を越えることはなかったはず。自分達を正当化する理由が存在したことによって、「正義」という名の「私刑」を下す人々。アルフレッドは本当にクズな男だけど、罪状としては「偽証罪」。通常なら死刑なんてならないはずの罪によって殺された。

クラウスの「悪に飲み込まれてしまう…!」という悲痛な叫びは、「正義」と信じこむ街の人たちには聞こえなかったんだろうなぁ。そして疑心暗鬼になったアルフレッドは友人クラウスの言葉がまったく聞こえていなかった。街を逃げ出そうとしたアルフレッドを助けようとしたクラウス。あの場面で友人の言葉が聞こえていれば…。

悪に飲み込まれたクラウスが最後に手向けた萎れた花は、やっぱり彼の「ヒューマニストとしての自分」を葬り去っているということなんだろうなぁ。

 

自分たちは「正義」であると正当化する集団の恐ろしさ。劇中だけじゃなく現実にも確かにある内容だよな…。

 

カテコで山口さんと涼風さんが腕を組んでニコニコしながらちょこちょこ歩いてくる姿に最後癒されるというか心が救われる気分になる。 

本当に観れば観るほど面白い。クリエ公演は終わってしまったけれど、大阪公演には間に合いますので、気になる方は是非…!

曲も演出もかっこよくて、何回も言うけどわたしの好みにどんぴしゃなんですよ。

東宝さまは、CDを是非是非販売してください!!!よろしくお願いします!! 

「ミュージカル「黒執事」〜NOAH’S ARK CIRCUS〜」@東京ドームシティ

いわゆる「2.5次元ミュージカル」というのは初めてでして、原作読んでおいた方が良いかもという友人のアドバイスを実行しようと思っていたのですが、仕事が立て込んでて時間の余裕がなく何もかもが初めましての状態で挑んだ黒執事。3公演行ってきました。

・11/23(水):ソワレ

・11/26(土):マチネ/ソワレ

 

しかも初めましてがアリーナ。友人の言葉を借りれば「殴られた」。まずTDCという会場による爆音響。ほんとTDCの音響は何とかして欲しい案件…(あと座席ね)。音が大きすぎて、肝心の台詞が掻き消されるし、音がつぶれて聞こえる…。

「サーカス編」っていうこともあってか、演出も特効があって「じゃにーずかな…?」と思ったし、エアリアルティシューがあって「じゃにーずかな…?」と思ったし、綱渡りや空中ブランコがあって「じゃにーずかな…?」と思ったよ?(じゃにーずがサーカスっぽいことをしているとも言うが) 水を使った演出がなくて良かったよ!←

古川くんの執事姿は美しかった~!フライングの姿勢がとても美しくて感動した。あとダンスのご披露ありがたかった!いいもん見れた!

しかし、全体的に色々な衝撃が強くて、初回の感想が「…とりあえず漫画を忠実に実写化したんだろうなぁ」(←原作未読)というぼんやりとしたものだった。しかも曲が全然頭に残らなくて、「ミュージカルって言うほど歌ってなくない…?」と思ってしまった。

 

そんな感じで楽しめるかなぁ?という気持ちも持ち合わせたまま、11/26のマチソワへ。

「あれ、面白いよ…?」

 世界観に慣れたのもあるのかな。2バルってこともあって舞台全体を見られるし、何より音圧がかなり減ったので普通に楽しめた。

そして初回は全然頭に残らなかった歌がよく聞こえてくる…!歌ってた。いっぱい歌ってたわ。色々殴られてたから記憶に残らなかっただけだわ。ごめん。

そして双眼鏡で古川くんの表情を追いかけてみたら、怪しい笑みを浮かべていたりと、とても美しい悪魔だった…!いいねいいね!

ビーストとのデュエットも悪魔的でとても良かった。あとアグニにシエルが喘息を持っているのではと咳で判断した時の嫉妬のような悔しそうなお顔がとても良かった。 

急遽キャスト変更になったドール役の銀河くんがとても良かったなぁ。名付けの場面は毎回泣きそうになった。三浦くん演じるジャガーの「俺たちの可愛い妹」の優しい言い方もまた泣ける。

 

シエルの芸の披露や葬儀屋の場面、スネークの場面とかいろいろパターンを作っているのは複数回見ても楽しめた。

 

漫画が原作のミュージカルを「2.5次元ミュージカル」と呼ぶようだけど、最近で言えば「王家の紋章」とかも漫画原作でも呼ばれないのはなんでなんだろう。東宝だから…?←

「2.5次元」というワードで手を出しづらい客層もいる気がするからもったいないなぁ。初回ではいろいろ殴られたけど、2回目以降は普通にミュージカルとして楽しめたし。自分たちでハードル上げちゃってる気がするなぁとうことも思った観劇でした。

「貴婦人の訪問 THE VISIT」@シアタークリエ 2016/11/20

プレビュー公演を観た後、「もう1回観たい…!」と思った貴婦人の訪問。スケジュールをどうにかこうにか調整(というかもろもろキャンセルして)して観に行ってきました~!予定をキャンセルしたかいあった。やっぱり楽曲がどんぴしゃ好み。

 

ちなみにプレビュー公演の感想↓ 

ta-ma27.hatenablog.com

 

結末を知ったうえで観るとより楽しい。そして初見では「……ん?」と引っかかっていたけど、スルーしたところの意味に気付く。楽しい。 

 

以下、気にせずネタバレ。

 

街に降り立ったクレアがヨハネス(牧師)にかける言葉。「死刑囚の言葉も聞いてらっしゃるの?」→牧師をはじめ街の人たちは「この国では死刑は廃止されました」って何言ってるんだというような返答をするんだけど、これはアルフレッドが死刑囚(私刑囚)になったときにあなたは彼の話を聞くことになるでしょう、という意味が含まれてたんだなぁとか。

 

クレアのペットの黒い豹が逃げ出して、街の人が総出で駆逐したときの「銃声が2発聞こえたけど」というセリフ。これ、クレアがアルフレッドと恋人同士だったときに彼を「私の黒い豹」と言っていたことと関係してますよね?2発っていうのはペットの豹だけでなくアルフレッドも街の人に殺されるという暗示なのかな。想像楽しい。

 

登場人物の服装が心変わりしたところから高価で質の高いものに変わっていくのを今回の観劇で逐次確認できた!アンサンブルの女の人、一幕までは上の服だけ新調してるけど、下は最初のままというちぐはぐした感じだったんだけど、二幕では上下とも綺麗な服になってて。牧師も二幕から質の良さそうなものに変わっていた。最後の最後に衣装が変わったのが校長と妻のマチルデ。警察署長は真っ先に高価な服になっていたなぁ。逆に最後の場面のクレアは上着も着ず、着の身着のままというような服装(それまでは基本的に高価な服装)。面白い…。

 

1幕ラストでクレアとアルフレッドが和解しちゃう…?と思った後の「死んでも許さない…!」というセリフ。初めて見たときは「え…!?」という驚きと、「それでこそクレア!!」という安堵感だったのだけど、クレアの心境がいまいちわからず…。でも今回はアルフレッドの自分への愛が深いことを知ったがために余計裏切りが許せなくなったんだろうなぁというのを感じた。しかもアルフレッドは結局マチルデと結婚してるし。やっぱりアルフレッドはクズ男です(確信)。

 

今回、マティス市長のアドリブというかアレンジ増えた?くすりと笑うような感じが増えたような。個人的にはオチャメな感じが少なかったプレビュー公演の方が好み。

  

しかし、プレビュー公演よりも涼風さんの迫力が増してて、全身鳥肌立った。凄い…!

演出もスポットライトを効果的に使っていて、かっこいいんだよなぁ。電話のところとかガスマスクのところとか。本当にかっこいい。私の好みにどんぴしゃ。

 

悲劇的な最期を迎えるけど、カテコでは涼風さんと山口さんが腕を組んでてとてとと歩いてくるのがとっても可愛い。そして捌けるときに2人で「せーのっ!」ってタイミング合わせてヒゲダンスを披露してくれる石川さんと瀬奈さんなw

 

ほんっとに素晴らしいので、たくさんの人に観て欲しい。

もう1回観たいんだけど、残りの日程で行ける日がクリエ千秋楽しかない…。さすがにお譲りないだろうなぁ。うーん。

ということで東宝さまは貴婦人のCD出してください。よろしくお願いいたします!!!